【NYAUWとMAPIのクロスミッション】⑧「(紹介状作成)音声文字起こしをAIできれいな文章へ②”コントロールできる?”」
クリニックでの診療以外にMAPI(医療AI推進機構)の想いに賛同し活動に参加させていただいております。
(この記事も井手個人の見解として記述をしております)
先日は
音声文字起こしAIと校正AIを利用して紹介状の文章を作成しましょうということを行いました
9つのステップに分けましたが、大まかに分けると2ステップです
A:音声入力文字起こしパート
①WORDPADやメモ帳アプリを立ち上げる
②音声入力機能を起動
③実際に音声入力
④その文字起こしの結果をコピー
B:文字起こし文章の校正パート
⑤GEMINI(ChatGPTなどでもOKですよ)を立ち上げる
⑥GEMINIにプロンプトを入れる
⑦文字起こしをコピーしたものをGeminiにペースト
⑧ENTERおして結果を待つ
⑨結果を紹介状に貼り付ける
AIはブラックボックス!?
以下の記事にもありますように、AIのブラックボックス性については「理解できない・解決できない」という前提でいて下さい。
そういう割り切りをしたほうが使いやすいですので。使える部分を使い、使えない部分は自分の裁量や責任で上手にコントロールするということが大切です。ブラックボックスだから使わないということになると、皆さん車も飛行機も新幹線にも乗れないことになります。全員が技術的な詳細を理解しているわけではありませんし、患者さんに処方している薬も残念ながら副作用や効かないこともあるということをある程度頭に入れながら細心の注意を払ってお使いになっておられると思います。
コントロールできるものに注力
以前も紹介した書籍ですが、
その中で「自分でコントロールできるものに注力、コントロールできないことは放置」という言葉があります。AIのブラックボックス性についてもコントロールできないものには放置です、まずは。
A:音声入力文字起こしパート
◯ コントロールできるもの:ハキハキと話してAIが認識しやすいようにする
◯ コントロールできるもの:文脈理解しやすいようにある程度常識的なストーリー展開で話す
◯ コントロールできるもの:①ー④のステップを短時間に、クリック数を少なく(次回以降の記事で)
X コントロールできないもの:自分の声をどうやって文字起こししているのかを理解したり、文字起こしのプロセスを変更させる
ということで、Aのパートでコントロールできるものは「はっきり、わかりやすく話すこと」「①ー④のステップを短時間に、クリック数を少なくすること」くらいです。後者については次回以降の記事で書きます
B:文字起こし文章の校正パート
◯ コントロールできるもの:どのような校正を希望するか指示出しすること(プロンプトを考える:今回の記事)
◯ コントロールできるもの:⑤ー⑨のステップを短時間に、クリック数を少なくする(次回以降の記事で)
X コントロールできないもの:完璧な自分の意図に沿った校正を期待すること
【対話】AIといえばプロンプト
今回の主目的は文字起こしAIで書き起こされた文章を紹介状の文調に合うように構成することなので、下の表の中の【対話】AIです。ここで先生はAIと会話しなくてはなりません。
AIチャットボットの場合、GOOGLE検索とは異なり応答でどんどん回答を絞っていきますのでAIに指示出しするための語彙力や言語化能力が必要になります。その際に「すげーやつでお願いします」「やばいやつでお願いします」「イケてるやつでおねがいします」などの語彙力しか無いと、いつまで経っても情報の洪水に溺れたままになることになります。
そういった意味で、AIの時代だからこそ指示出しの高い言語化のレベルが課題になって来るのでは?と思います
プロンプトは先生方の得意な分野かと
診療を行われている先生方は医療というのは純粋なサイエンスではなくて、個体差が大きくて同じINPUT(診療行為)でもOUTPUT(患者さんの治癒過程)が異なることを身にしみて実感されています。
そしてOUTPUTからのFEEDBACKでINPUTをさらに変えるということをずっと日常的にされています。
そういったことはAIのプロンプト作成(指示出し)に非常に大切なプロセスなので、言語化能力も高い医師の先生方には楽しい分野かと思うのです
今日はここまで
(再掲)とにかく試してみよう!
ChatGPTやCopilotやGeminiでは無料で試せるものがありますのでまずは触れてみてください。
目的は一般のAIを使うことでメリットやデメリットや使い分けの理解が出来て、医療AIでも結局そういったケアをしながら使うことでメリットが大きくなり、悪くないんじゃないという理解をされる先生方や医療機関が増えることが大切だと思うのです。
(再掲)AIと間接民主主義
これはMAPIのメンバーの言葉で感動したものです・
「データを提供していなければ、AIはその施設の特性を無視して判断するように、基準が作られていきます。学習データを提供することで、間接的に、自分たちの医療判断や患者層を基準に取り入れさせるという意味では、間接民主主義みたいだなと思いました。」
そういった意味でデータを提供してくださいということも大切ですが、AIを使ってダメさ加減にため息を感じていただくことでデータ提供が更に進むと思います
(再掲)このシリーズの目的は?
医療以外の日常でAIに触れることで、医療AIのデータ流通や医療機関へのAI導入が増え、患者さんケアの向上、医療従事者への負担減少、社会保障の負担軽減、医療レベルの上昇などにつながるというマクロ視点でのミッションと考えます。