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【医療データとAI】② 患者さんデータと健康保険証

先日

昨日は【AIと「はひふへほ」】という記事で、【医療機関で働いている先生方にとってはAIそのものでなくでもAIに学習させるデータ(教師データ)の提供に関与することになる未来が近いと考えています。そういった意味で距離感のある「ふーん」や「へー」でなく「ほー」になってもらいたい(というか自分自身がそうなりたい)と思っております。「ほー」にならざるを得ない時代がすぐそこに来ていると考えます。それはなぜでしょうか?】
という 記事を書かせていただきました。

INとOUT


先生方が臨床研究を行う際、または処置や手術を行う際に患者さんから承諾書をいただくというのは慣れ親しんでおられると思います。これはOPT-INです。(その逆がOPT-OUTです)

オプトイン(opt-in)とオプトアウト(opt-out)の語源は、英語の「opt」と「in/out」です。

  • 「opt」は「選択する」という意味です。(オプションという言葉も使いますよね?)

  • 「in」は「中に入る」という意味

  • 「out」は「中から出る」という意味

つまり、オプトインは「選択して中に入る」という意味で、オプトアウトは「選択して中から出る」という意味になります。

本来はすべてにOPT-INが理想的


よく、海外のセレブなどが結婚する際に「婚前契約書(プリナップ)」を交わしてその内容がウェブなどで話題になったりします。
それが話題になるのはイメージとして「婚前契約書=離婚前提」があるからですが、そうではなくて結婚してから言いにくいもの切り出しにくいものを、関係が悪くなってからでは遅いものを事前に決めておく契約というイメージです。
関係が悪くなった時に泥沼化しないというものです。契約があればその手続に則れば良いのできれいに離婚することができるのです。



TPPI問題

TPPIについてはこちら
結婚するときには多くのカップル(古い?)は永遠の愛を誓うわけです。「トラブらないように二人が努力すれば良い」「二人の愛は永遠だ」というのは簡単です。
しかし、そもそも宣誓する・宣誓させるものは自然では無いのかもな?と思います(個人的見解)
例えば、一般論として
・トイレに行くことを誓いますか?
・寝ることを誓いますか?
・食べることを誓いますか?

誓いませんよね?

基本 無理なことがわかっていることを誓わせるのです(正々堂々戦わないのが戦いなのです、不倫したり裏切ったりが夫婦関係では事実存在しているのです。騙し騙されが株式なのです。となると本当に無法地帯になるのでFAIRNESSの必要性から 誓わせたり契約があったりするのです)

現実問題として、令和4年(2022) 人口動態統計では離婚件数は17万9099件、離婚率は1.47(/1000人)となっております。
(*以下の記事は3組に1組が離婚している解釈のエラーについてわかりやすく解説してくれています。実際、厚労省が出している人口動態統計では離婚率1.00の場合、離婚率1パーセントということではないのです。100組中1組が離婚しているという意味ではなく、人口1000人あたり1組が離婚しているということになります。

それを多いと取るか少ないと取るか?は個人による所もあります。もちろん単純比較は出来ませんが、2022年中の交通事故の発生件数は30万839件ですので離婚数(約17万組)より多いですが2倍までは行きません。

自転車も保険加入義務可になっている所も増えておりますがまだすべての自治体・地域ではありません。
しかし、自動車に関しては自賠責保険の加入が義務付けられています。


しかし、日本では婚前契約をするのは5%にも満たないと言われています

電車に乗る時に契約書?


話がかなり飛びましたが、
・日本では結婚において選択してOPT-INしている夫婦は多くない
・運転する際には自賠責という義務にOPT-INしなくてはならない
というのがこれまでのまとめです。

この記事は帰省する新幹線の中で書いておりますが、新幹線のチケット購入の時に
・遅れることあり
・事故で亡くなることあり
・払い戻し規定
などなど長い約款を読んで毎回サインして購入するでしょうか?
そんなことは無いですよね?

これはなぜなのか?本当の正解かはわかりませんが、あくまで考え方の一つとして非常にREASONABLEなので参考にさせていただいたウェブサイトがあります。

【業者側に一方的に有利な約款にされると利用者が圧倒的に不利になりますので、通常は約款の内容にすべきことが法律に規定され、その原則を基に細かい条件を加えた約款にします。 また、多くの業界では約款は所掌官庁に認可を貰う必要があります。(当然内容に問題があれば却下されます) 中小が多い業界では行政等が予め標準的な約款を作り、これをそのまま使ってもいいという業界もあります。 もちろん、現実には約款の内容を全く理解しないケースが圧倒的で、法律の理想には程遠いかもしれませんが、じゃあ不特定多数にいちいち契約して行うことが社会全体にとって本当に利益があるかです。質問の内容をすべきとなれば、他の業界の同様事例もすべてすべきになります。当然何か1つものを買うときも同じことをすべきになります。 そもそも法律自体が同じ考えです。法律が改廃新設されたとき、その内容を国民一人一人に個別に説明したりしません。 官報などで誰でも見られる状態にすればよいとされています。 そして官報に掲載された法律が施行された後は、たとえ法律内容を知らなくても、罰則のある法令違反行為をすれば、裁判を経て罰せられることもあります。 約款も同じ関係です。】

つまり
・顧客に不利にならないように
・社会が円滑に回るように
・業者の義務も
・時代の流れ

そのようなバランスの中でステークホルダーがすり合わせをしたものをルールぎめしているのだと思います(これが大切 100%すべてのステークホルダーが納得するものを作るのは現実的ではないと思います。)

マクロで見た時に大多数にとってリーズナブルなものをケアするようになっていると思うのです。しかし、ミクロで見た時にどうしてもそこから外れてしまうことなどがあり、これは私刑が認められていない法治国家では第3者に判断を委ねる必要があるのです。

そしてそれに対して納得行かない人は選択して出ていく(その商品やサービスを選ばない・利用しない)(OPT-OUT)することも出来ます。

しかし、このOPT-IN方式をとるかOPT-OUT方式を選択するかは
・国家
・国民性
・宗教
・政治
・文化
・業界
・社会的要請
・時代

など、複合した要素のバランスで決められます。
(*このブログのスタンスですが善悪の判断をするつもりはなく、世の中の流れと現実的に決められたもの中でどうやって対応すれば良いのかという視点で書いております。反対意見、また結論が出ていないこともあることは重々承知しております。ただ、あくまで現実的に日々対応しなくてはならないことがある、というスタンスで書いておりますのでOPT-IN(選択して記事を読む)して読んでいただけると幸いです)

健康保険証の裏

皆様、健康保険証の裏側を見たことがありますか?そこに臓器提供の意思表示についてのチェックボックスがあります。
健康保険証廃止の流れになりつつありますが、マイナンバーカードや新しく発行される運転免許証の裏側にも同じようにあります。

これが入ったことは非常に日本の移植医療にとっては大きな一歩だと思います。しかし、まだまだ提供数が多いとは言えない状況です

以下のリンクをの記述を参考に書かせていただきますが

制度には大きく2つあり、
一つは、アメリカ、ドイツ、韓国のように本人が生前、臓器提供の意思表示をしていた場合、または家族が臓器提供に同意した場合に臓器提供が行われるOPT-INという制度
もう一つは、イギリスやフランス、スペインなどの本人が生前、臓器提供に反対の意思を残さない限り、臓器提供をするものとみなすOPT-OUTという制度です。

人口の少ない国でもOPT-OUTの制度で取り組む国は、提供数が多くなる傾向があります。
しかし、OPT-INの制度であるアメリカは提供者数はかなり多くなっております。

これらの国による提供率のちがいの要因としては
・脳死を人の死として受け入れることの抵抗感
・臓器提供の施設数

などが限等が影響しているのでは?と書かれております

日本の臓器移植の提供意志表示プロセスは医療に対する国民のイメージや医師の日常のROUTINE<手術や処置の時に説明と承諾書>に一致したOPT-INが採用されています。

最初に戻ります


長くなりましたが、最初に【医療機関で働いている先生方にとってはAIそのものでなくでもAIに学習させるデータ(教師データ)の提供に関与することになる未来が近いと考えています。】
と書きましたが、医療の分野でのこれまでのイメージと異なるルールが適応されているのです(すでに)。

それについて医師の中でも周知されているとは言い難いのです。先程、新幹線の例でYAHOO知恵袋の回答例でも引用させてもらいましたが【法律が改廃新設されたとき、その内容を国民一人一人に個別に説明したりしません。 官報などで誰でも見られる状態にすればよいとされています。 そして官報に掲載された法律が施行された後は、たとえ法律内容を知らなくても、罰則のある法令違反行為をすれば、裁判を経て罰せられることもあります。

現実的に次世代医療基盤法では医療データの提供にOPT-INではなくてOPT-OUTが認められているのです。(医療機関等の場合には、最初の受診時に書面により行うことを基本とする、とありますが)

https://www8.cao.go.jp/iryou/gaiyou/pdf/seidonogaiyou1.pdf


これまで研究や手術や処置では医師が患者さんに対してOPT-INの提示をしていました。多くの医療の領域では医師が合わないなと思ったり医師が納得しない場合には提示をしないという裁量がありました。

しかし、これからは病院がデータ提供しますとなった場合には病院の綜合受付などでそのようなOPT-OUT書類が医師に会う前にすでに患者さんに配布されている状況が増えてくるかと思います。

病院の方針としてデータ提供が行われる場合には医師も次世代医療基盤法について説明できるようになっておく必要性が出てくるのです。

そういった意味で【医療機関で働いている先生方にとってはAIそのものでなくでもAIに学習させるデータ(教師データ)の提供に関与することになる未来が近いと考えています。】と書かせていただいたのです


今日はここまで


シリーズ【医療データとAI】について

先生方とともに自分も学習したいので新しいシリーズ【医療データとAI】を開始しました。私にとっても未知の分野で認識の誤りなどもあるかと思いますがお許しください。
そしてNYAUWのブログの目的は難しいことが理解できない自分自身が学習の過程で掴んだイメージを皆さんにもお伝えすることですので
・卑近すぎる例 失礼に見える表現
・プロから見るとそうでないこともある
などがあるかもしれません。
しかし、できるだけイメージをつかみやすいように、内容を難しくしすぎないようにを心がけていきます。受験勉強の語呂合わせのようにイメージやストーリーを伝わりやすくするためにという悪意の無い目的ですのでお許し下さい。

AIという誰も経験したことのない分野と医療のクロス分野では倫理や哲学もまだ統一されたものもないため議論が世界中で多方面にこれから行われることになると思います。
そういった中で私個人が考える長期的なマクロの医療という視点でこのブログを書いてまいりたいと思います。ミクロな意味・短期的な意味では「不適切だ」か「反対」と思われる方もおられると思います。

・これはあくまで個人としての見解のブログであること
・世間的な未来予想に則ったもので、他の方の考えを否定するものではありません。

その点をご理解下さい。

今後はこの分野【医療とAI】のプロフェッショナルな方々に教えていただきたいので「教えてやるよ!」、または、まだまだ知らないので「一緒に勉強したい」という方まで連絡お待ちしております。


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