快楽の踏み車効果
こんばんは!毎日投稿150日目になりました。今日も頑張っていきましょう!
収入と幸福は比例する?
皆さんは、収入が増えることで幸福度も上がるような最大の年収、つまりそれ以上収入が増えても幸福度には寄与しなくなる年収はいくらかご存知でしょうか?ご存知でなければ、予想してみてください。1億円でしょうか?10億円でしょうか?それとももっとでしょうか?
実は、この数字は心理学の研究である程度分かっていて、その数字とは800~1200万円だそうです。グラフにすると800万円までおおよそ直線的に幸福度は上昇するのですが、800万円あたりから傾きが小さくなっていって1200万円ではほぼ横ばいになるのです。おそらく、皆さんの予想より低い額だったのではないでしょうか。
競争からの脱却
私たちは、資本主義の構造上、半永久的な、終わりのない利益追求競争に巻き込まれます。その中で、私たちは「お金はあればあるほど幸せになれる」「収入と幸福度は大体比例する」と思わされています。
しかし、そこには「快楽の踏み車効果」という心理効果の落とし穴があります。これは、人間の脳は快楽に対して免疫のような構造を持っていて、同じ快楽を2度享受しても2度同じ幸福を得られるとは限らない、ということを示しています。
お金によって得られる商品やサービスは私たちの欲求を満たしてくれますが、これらの満足感はほとんどがドーパミンという「期待」によって分泌される脳内物質によってもたらされます。
そのため、もっと収入が高く、商品やサービスを手に入れて欲求を満たせる状態にあればもっと幸福になれると「期待」し、そのような勘違いをしてしまうのです。
私たちは、「快楽の踏み車効果」が示すように、このドーパミン主導の満足感に関しては徐々に耐性がついていき、同じだけの満足感を得るために必要な快楽の量が増えていきます。これがものによってはいずれ依存症などを引き起こすことになるのですが、この欲求とその耐性のエスカレートにはどこかでブレーキをかけなければならなくなります。
ドーパミンよりオキシトシン
そこで皆さんに朗報です。実は「快楽の踏み車効果」をくぐり抜け、同じ量で同じ満足感を得続けられるものもあります。
それは、お金では買えない体験、知識、友情、愛情を得ることです。これらは依存的になることも朽ちていくことも稀です。なぜならこれらはドーパミン主導の満足感ではなく、「幸せホルモン」とも呼ばれるオキシトシン主導の満足感だからです。
これらを大切にすることが、幸福度を年収の影響から切り離し、いかなる収入でも満足できる人生を送ることができる唯一の方法なのです。もちろん年収1200万円というのは相当な難易度ですが、年収が幸福度に良い影響を及ぼせるのはせいぜいその程度までです。
資本主義というのは社会の一種の構造であって社会の全てではありません。そんな資本主義に巻き込まれすぎることなく、是非人間らしい幸せな人生を送る努力をしていきましょう。