小島秀夫監督と伊藤計劃さんについて
前回「建築をやめて」なんて大それたタイトルつけた割にあんまりやめた理由書いてなかった気がするので、補稿もかねて小島秀夫監督・伊藤計劃さんの話をします。
そもそも私がこんな人生を送っているのに大きな影響を与えた3人がいます。そのうちの2人が小島秀夫監督と伊藤計劃さんです。(もうひとりについてはそのうち書きます。
小島秀夫監督
言わずとしれたスーパーゲームクリエイター。メタルギアソリッドシリーズ監督・脚本・プロデュース。現在はKONAMIから独立してKOJIMA PRODUCTIONSを設立。
伊藤計劃
2007年「虐殺器官」でSF作家デビュー。ゼロ年代日本SFベスト1。2009年「ハーモニー」発表。2009年没。星雲賞(2009年),日本SF大賞(2009年)受賞。翻訳版「/harmony」で「フィリップ・K・ディック賞特別賞受賞。小島秀夫監督の熱狂的ファンとしてしられ、2008年に「メタルギアソリッドガンズ・オブ・パトリオット」のノベライズを担当している。
中学生のころ小島秀夫監督作品にハマりまくっていた私。メディアで語ることの多い小島監督のおすすめするものを片っ端から読んだり観たりしていました。間違いなく私にSF的思考を植え付けた人の一人です。
そして当時伊藤計劃さんは同ペンネームで「スプークテール」という小島監督のファンサイトを運営され、そのクオリティの高さとマニアックさからファンならず監督からも一目置かれる存在でした。伊藤さんの小島作品批評はどれもマニアックかつ愛に溢れていました。全部理解しきれないまでも彼の批評にあこがれていました。そしてサイトで紹介されていた映画評なんかも読むようになりました。押井守とタルコフスキーの素晴らしさをおしえてくれたのも伊藤さんです。
小島秀夫監督と伊藤計劃さんは私に「映画の観方」を教えてくれ、また自身の作品を通してSF的思考を授けてくれた恩人です。
ある仮説をドライブしてSF的アイデアを作るというのは建築学生にとっても大変役に立つスキルでした。実際、研究室のボスは建築設計の指導で「一つだけ仮説を決めてドライブしていっていいけど、それ以外の部分はとにかくリアルにつくる」というようなことを言っていました。完全に伊藤計劃さんのいっていたエクストラポレーションです。
学生時代はそんな感じでどちらかというとそのような「未来の都市や生活がどうなるのか」といったアイデアばかり考えていました。
ただ、建築学科の枠のなかでは「作られたもの」が評価される世界です。SF的なアイデアを考えるのは得意でしたがそれを「建築設計」としてものにするのは苦手であまり評価されませんでした。(研究室のボスが面白がってくれていたのが救いでしたが。)
卒業設計がダメダメだったなか、コンピューテーショナル・デザインが流行り出してきたこともあり、テクノロジーが建築や都市をどうかえるのかというようなことを考え始めるようになりました。それが今おこなっているテクノロジーをデザインで架橋しアイデアを生み出す「デザインコンサルティング」としての原点であります。
来年は伊藤計劃さんが作家デビューされてた32歳になります。彼の見れなかった未来を少しでも描いていきたい。
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