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年会費制を考えてみた

こんにちは!
医療法人が運営するフィットネス施設である42条施設(メディカルフィットネス)の開設準備をしている桜井です。

42条施設が「医療法人が運営するフィットネス施設」であるため、
・生活習慣病の予防・改善
・メタボやロコモ、運動器疾患(スポーツ疾患も含む)の予防・改善、
・女性特有の不調の改善
・運動不足の解消
・生きがいの獲得
など、様々な役割がある中で、これらの役割を十分果たすために

01. 自分の状態を知ってもらう
  →自分のすべきことを理解してもらう
   (身体を柔らかくするとか減量するとか)
02. 継続してきてもらう
  結果が出るのにある程度の期間が必要
03. 適切な運動プログラムを提供する
  やみくもに身体を動かすことが無駄ではないかもしれないけど
  効果が現れにくい
04. 正しい方法で運動してもらう
  自己流でやってしまうことで逆効果にも繋がりやすい(怪我するとか)

ということを自分たちの「やるべきこと」として行っていくべきだとお話ししました。
そして、「やるべきこと」を実現させるためにも「サービスのパッケージ化」を取り入れていこうと考えました。

サービスのパッケージ化のデメリット 

 サービスのパッケージ化によって会員さんとのコミュニケーションが取りやすくなり、運動効果を高めたり運動に対するモチベーションに貢献できると思いますが、どうしてもデメリットもあります。

それは、各サービスをセット価格で販売することになるわけだから、当然ながら単品で販売するよりも売り出し価格が上がってしまうことです。

入会当初からスタジオプログラムやパーソナルトレーニングを取り入れたいと考えている方にとってはお得な方法ですが、やはりそうでない場合もあります。
そういう方にも施設を利用してもらいたいわけで、となった時にどのように取り入れてもらおうか考えてみました。

年会費制というのはどうだろう?

 いろいろ調べてみると、民間のフィットネス施設においては月会費制で利用していただいていることが多く、地域で運営している公共の運動施設などは都度払い制で利用できるところが多いように思えます。

会員管理を行う必要はありますが、都度払い制よりも月会費制の方が収入が安定するし、会員さんからすれば施設を利用し放題になるので、個人的には月会費制の方が運営しやすいのではないかと思っています。

だったら、この考え方を応用できないかを考えてみつつ、フィットネスクラブに限らず、他の会員制のサービス業ではどのように運営しているのか調べてみたところ、ゴルフの練習場では年会費制をとっていることが分かりました。

 年会費をお支払いいただくことによって、自分たちの望んでいる「継続して来てもらう」というところをシステムの面で後押しできることになります。
また、継続して来てもらうことが確約されると、施設を利用してもらう際の目標設定が行いやすくなります。

リハビリテーションにおいて

 患者さんのリハビリの方向性を決める上で、短期目標(Short Term Goal: STG)と長期目標(Long Term Goal: LTG)、最終目標(Final Term Goal: FTG)に基づいて考えます。
例えば膝の人工関節置換術を受けられた患者さんにおいて、

STG(術後1ヶ月):
 ・膝周囲の疼痛軽減
 ・膝屈曲可動域120°獲得・膝完全伸展可動域獲得
LTG(術後3ヶ月):
 ・日常生活における自転車での移動獲得
 ・階段や坂道などの多いところでの屋外歩行自立
FTG(術後6ヶ月):
 ・趣味であるサイクリングへの復帰
 ・海外旅行へ行く

リハビリテーションにおける目標設定の仕方の一例
※LTGが術後3ヶ月後だと期間が短いかもしれませんがあくまで参考に

というふうにリハビリテーションの方向性を決めて進めていきます。

このように道筋を決めることによって、リハビリテーションに対する患者さんのモチベーションを維持できるわけだし、メディカルフィットネスにおける会員さんも同様だと思います。

メディカルフィットネスにおいて

 当施設を利用いただける方々の多くは運動歴の少ない方、あるいは以前は運動をしていたけれど、現在は様々な理由で運動を行えていない方になるんなんじゃないかなと予想しています。

生活習慣病の方で例えると、普段の運動量・活動量が不十分なせいで生活習慣病を患ってしまう、もしくは生活習慣病を患ってしまったせいで運動が制限されてしまう、という経過を辿ることが多いと思うからです。

そのような方が運動を開始するにあたって考えていかないといけないのは、まずは短期目標として「運動することに慣れてもらう」「運動できる身体作りを行う」「痛みの軽減を図る」ことになり、少なくとも最初の1ヶ月〜2ヶ月程度の間は安全に正しく運動を行ってもらうことを重視した方が良いのではないかと思います。

「施設で十分な運動を行うための身体作り」が行えてきたところで徐々に負荷をかけていく流れが理想的だと思うのですが、ここまで計画的にプログラムを立案するためには「会員さんがある程度の期間を継続して来てくれる」という保証があった方が運動を提供する側も絶対にやりやすいでしょう。


経営面において

 月会費制の場合だと会員さんの退会率も考慮した上で目標収益に応じた価格設定を行わなければいけません。
つまり退会者がどうしても出てしまう分、想定よりも少し料金を上乗せしないといけません。

ですが、年会費制だと12ヶ月分の収入が安定するわけです。
ということは、月会費に比べて価格設定を少し抑えることができます

会員数を100名、月会費制の3ヶ月あたりの退会率を仮に10%とした場合、年会費制の1ヶ月あたりの会費を1000円下げても月会費制よりも収入面で上回ることに

年会費制というネーミングだと、1年間の利用料を一括で支払わないといけないようなイメージになっちゃいますが、そうではなくて、上の図だと
「84,000円を一括でお支払いいただくのではなくて、施設利用の有無に関わらず7,000円を12ヶ月間毎月お支払いいただく」
ということでいいと思います。
となると、ネーミングは年会費制というよりも、年間契約制の方がしっくり来るかも!

また、会員さんにとってはこの先何があるかわからないから、1年間も施設を利用できるかわからない、という不安もあると思います。
そのお考えもごもっともだと思うので、年間契約だけでなく、例えば「3ヶ月会員」とか、「6ヶ月会員」のように契約期間の選択肢をいくつか設けても良いのではないかと思います
(もちろん年間契約の方が会員さんにとってお得になる価格設定が大事)。

まとめ

 前回に引き続き、42条施設の果たすためにどのような仕組みができると良いかを考えてみました。
その結果、3か月や6ヶ月、1年みたいに、一定期間を利用していただくシステムの方がメリットが大きいことがわかりました。
どのようなネーミングでいくと一番しっくり来るのかこれから検討しますが、「サービスのパッケージ化」とともにこのシステムも自分たちにとって良い方向に働いてくれることを信じて育てていきたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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