カミナシでBizDevはじめました~マルチバーティカル戦略のススメ~
こんにちは、カミナシの宮城です!
カミナシではCS(カスタマーサクセス)をメイン業務としていますが、こっそりBizDevという領域でも活動しています。この記事ではカミナシのCSについてではなく、新しい事業を推進するBizDev業務について紹介したいと思います。
CSでも様々な取組みを行っているので、興味がある方はこの記事などご一読ください。
SaaSの事業戦略を立てる時にはいくつも手法があると思いますが、一般的には自社プロダクトがホリゾンタルSaaSかバーティカルSaaSのどちらかに当てはまるか、から考えることが多いと思います(詳細は後述)
カミナシでは元々自社プロダクトをホリゾンタルSaaSとして考えていました。しかし、サービスのリリースから1年が過ぎてきたところで、「業界ごとで利用ユーザーや使われ方が全く違うので、そもそも業界の解像度が高くないといけないよね。全業界を横串で考えるホリゾンタルというよりは、一つ一つの業界についてしっかりと掘り下げるバーティカルの方がアプローチとして近いのでは?」という声があがってきました。
そこで議論を重ねたところ、業界を一つずつ攻略しながらも複数業界にアプローチする形だよね。であればマルチバーティカル戦略という呼び名がしっくりくるね、となりました。
戦略も業界一つ一つをどう攻略していくかという観点で事業戦略を作っていて、その先陣を切るのがBizDevの役割になっています。
この記事を通して、「マルチバーティカル戦略、なにそれ??難しそうだけど興味ある」という方や「BizDevとしてのキャリアに興味がある」という方に対して興味を持っていただけたらと思うので、ぜひ最後までご一読ください。
カミナシの考えるBizDevってなに?
BizDevという言葉は会社や組織によって違うので、カミナシの考えるBizDevをここで定義したいと思います。全然違いますよね。
「パートナーアライアンス的な役割」「事業企画的な戦略を作る役割」などいろいろあると思いますが、カミナシではBizDevを「新しいマーケットにおける新規事業を推進する役割」としています。戦略を作るだけではなく、実行にもコミットすることが求められます。
日本語にすると新規事業開発が一番近しいかもしれません。
また、カミナシのBizDevは複数の業界に対してアプローチしていくことが大きな特徴です。
前述の通り一般的にはSaaSはホリゾンタルSaaSとバーティカルSaaSで比較されることが多く、ざっくりですが以下のようなイメージになっていると思います。
↑ホリゾンタルSaaSとバーティカルSaaSの比較イメージ(引用元はこちら)
カミナシのプロダクト自体はホリゾンタルSaaSですが、事業推進は複数業界を一つずつ丁寧に進めていく戦略なので自社戦略をマルチバーティカル戦略と考え以下のように定義しています。
以上から、カミナシのBizDevとは何か?を一言で表すと「マルチバーティカル戦略を策定し各業界における事業を推進していく役割」と定義しています。
カミナシのBizDevはなにが難しいの?
多くの業界にアプローチでき、その中でも複数の用途で活用いただけるのはポテンシャルが広がります。一方で、カミナシの事業の醍醐味かつ難しいところが「業界ごとの知見も業務の知識も必要」なところです。
なぜなら、カミナシのプロダクトはノーコードアプリケーション*として提供していて、汎用的なSaaSプラットフォームを業界ごと・業務ごとにアプリケーションの形を変えて展開することができます。
*注:ノーコードアプリケーション=「プログラミング不要でアプリケーションをユーザーが自由に作成できる」
一方で、自由に顧客によって形を変えられるアプリケーションだからこそ、業界や顧客セグメントによって利用シーンや活用方法を定義する必要があります。逆にいうと顧客が具体的な利用シーンをイメージできないと活用が促進されないという難しさがあります(イメージされないと本当に話が噛み合わなくなります)
一般的なホリゾンタルSaaSだと業界が違っても相対する顧客の部署や業務はそこまで変わらないことが多いですが、カミナシの場合は業界によって相対する部署が全く異なる場合も少なくありません。
下記に具体例がありますが、例えば食品製造業とホテル業の場合はターゲットとなる部署が全く異なるため、課題やソリューションとなるアプリケーションも変わります。
業界ごとに頭を切り替えてアプローチしていく手法がカミナシのBizDevが推進するマルチバーティカル戦略の難しいところになります。
↑業界によって課題もターゲットも全然違うので複雑ですが面白いです
補足ですが、上記だけ見るともしかしたら「カミナシはどの業界のどんな業務でも対応できるSaaSなんだ!」と思われるかもしれませんが、それは若干違います。
カミナシのミッションが「ノンデスクワーカーのポテンシャルを解放する」になるので、日々机の周りで仕事を行うデスクワーカーの業務は対象外になるので、経理や労務などの業務についてはカミナシでは明確にアプローチしないことになっています。
↑カミナシのミッション
カミナシのBizDevは具体的になにをするの?
カミナシのBizDevのミッションは2つあり、「戦略策定」と「事業推進」になります。
戦略策定
①業界ごとの情報収集を行ってどのマーケットから進めるかの優先順位を考える
まずは、どの業界からアプローチすべきかを決めるために、以下のような情報を集めます。企業データベースを活用することもあれば、専門家からアドバイスをいただいたりして解像度をあげています。
- 企業規模の算出(大手企業/中堅企業/中小企業がどれぐらいの割合/社数で存在しているのか)
- 業界構造の理解(特定の大手が寡占的に業界を作っているのか、それとも中小企業が点在しているのか、など)
- 現場業務において誰の何が課題か(品質管理担当者の点検業務が課題なのか、店長の承認業務が課題なのか、など)
↑のような形で、業界の優先順位を決めていきます。実際はもっと思考と情報はぐちゃぐちゃです
②各業界における戦略を考える
次に、業界ごとにおけるカミナシの事業戦略を考えていきます。
業界によっては大手企業にアプローチした方がその業界における浸透度が早い場合もあれば、SMBに広くリーチする方が早い場合もあります。
また、特定の市場を最速で攻略するGo-To-Marketの方法を考えながらも、一方で別の業界にとってのプロダクトの利用価値を最大化するバランスをとりながら戦略を考えるのがカミナシのBizdevの面白いところと言えます。
下の図のように複数業界に対して違う戦略をたて推進していくので、永遠に新規事業を作り続ける感覚が持てます。
↑カミナシの業界ごとの戦略イメージ(あくまでイメージです)
事業推進
実際に戦略を策定し事業を推進していくステップでは、他チームと連携しながら進めていきます。ビジネスサイドはもちろん、プロダクトチームとも連携して業界への浸透を考えていきます。例えば以下のような形で各ファンクションと推進していきます。
BizDevだけで販売して導入してもカミナシ全体としてはスケールしないので、他チームと連携しながら誰でも提案し導入できるところまで他チームと考えていくことが必要になります。
また、プロダクトチームとも密に連携します。矛盾するようですが、特定の業界に対して戦略を策定する一方で特定の業界にしか使えない機能だとスケーラブルなプロダクトにはなりません。プロダクトとしては汎用的なSaaSプラットフォームを掲げているので、他業界でも活用できるような機能要件を策定することが難易度が高い部分になり、本当に難しいポイントです。。
↑策定した戦略を他チームと連携して推進していきます
まとめ
以上がカミナシの考えるマルチバーティカル戦略と中心になって進めるBizDevのミッションになります。違う業界に対して戦略策定と推進を行い続けていくので、新規事業の立ち上げが好きな人にはオススメです...!
この戦略策定とBizDevの活動も少しずつ芽が出始めてきています。カミナシではホテル業界に対しても事業推進を行っていたのですが、ちょうど昨日、日経新聞にてルートインホテルズ様の導入事例が掲載されました!!
これがホテル業界への大きな狼煙になると思っています。。!
よく「どういう人がカミナシのBizDevに向いているの?」と聞かれますが、先程の新規事業を作ることに興味があることはもちろん、「カミナシのValuesを体現できている人」だと考えています。
現場ドリブンで新しいマーケットの解像度をあげ、β版マインドでスピード感持ってトライアンドエラーを重ね、全開オープンで他チームと情報共有しながら事業推進をしていく。まさにカミナシのValuesを体現する方を求めています。
今、このBizDevについては私がCSと兼務しながら実施したり、他メンバーについても掛け持ちで実施している状況です。とてもじゃないですが無理です。
専任でBizDevに取り組んで一緒に事業推進をしてくれる方を募集中なので、少しでも興味がある方はぜひお声がけください!
BizDevだけではなく、カミナシ自体に興味があるという方もぜひお気軽にお声がけいただけるとありがたいです!
BizDevに興味がある方向けにMeetyもありますので、もし少しでも興味ある方はぜひお気軽にご連絡ください〜!