一級建築士で写真家の私の仕事とは?
一級建築士×写真家の鶴見哲也です。
「#私の仕事」というお題企画があったので、この機会に書いてみたいと思います。
端的に表すなら、「2つの職能の掛け合わせで、横断的に物事を創造する仕事」をしています。
1.一級建築士資格を持った設計士
2019年9月現在、本業として週に5日間、木造住宅の新築、リノベーションの設計をしています。
以前は4年間程別の職場で、小学校やオフィス等の鉄筋コンクリートや鉄骨でつくられた比較的大きな建築の設計をしていました。
設計と言っても意匠、構造、設備の3種類に大別され、私は意匠設計を担当しています。
意匠設計
間取り、デザイン、建築基準法とその他関係法令の確認と申請業務等をする。設計と聞いて一番イメージしやすい仕事内容がこれ。
構造設計
専門性が高い構造に特化した設計。一級建築士の上位資格として構造一級建築士というものがある。難解な構造計算により地震等に対して安全な建物になるよう、柱や梁の大きさを決める。
設備設計
こちらも専門性が高い設備に特化した設計で、構造同様に設備一級建築士という上位資格がある。設備でも給排水、空調、電気に分かれている。それぞれ利用人数や建物規模に対して適切な設備機器かどうか、計算を用いながら設計する。
意匠設計なので、皆さんが一番イメージしやすい設計士らしい仕事をしています。
住宅の間取りを考えたり、デザインをしたり、それらをお客さんにプレゼンし、契約になったものを特定行政庁(市役所or民間の審査会社)に確認申請を出したりするのが私の主な仕事です。
昨年、自宅として築48年の中古住宅を購入し、自身で設計した住まいがこちらです。
ただし、今の職場を9月いっぱいで退職し、設計の仕事は一時お休みします。
2.建築写真が得意な写真家
趣味で始めた写真がいつの間にか仕事になり、写真家としての活動もしています。
写真をはじめた理由は、学生時代の劣等感みたいなものですが、好きこそものの上手なれなのか、今の所人生で一番長く続けられている趣味です。
以前は家族写真や料理等、お願いされれば何でも撮っていましたが、妻が写真家として独立したことを機にそれら全て妻に任せて、今は建築写真に特化しています。
写真家夫婦ということもあり、自宅にはスタジオ利用できるスペースもつくりました。
建築写真に特化した理由は、私が一級建築士で設計の仕事をしているからです。
建築写真は水平垂直に撮ればいいのではなく、設計意図を表現してこそのものだと思います。
その意図を読み取る技術は、建築に対する一定以上の理解が必要です。
もし写真家が設計意図を汲み取れた場合、撮影現場に立ち会ってこと細かに指示する必要がなくなり、納品されたデータがイメージと全然違うということもなくなり、写真家独自の読み取りで設計イメージを超えた写真が上がってくることもある等、多くのメリットがあります。
現場での指示が必要だったり、納品データがイメージと違うことは、設計の仕事で味わったストレスだったので、そこをどうにかしてほしい気持ちは痛いほどわかるのが私の最大の特徴かもしれません。
創り上げた現物が手元に残らない建設業にとって、完成写真は大事な財産であり、唯一無二のプロモーションツールとなり、その重要性も十分に理解しながら撮影しています。
このように本業の設計で培った審美眼で、複業の建築写真の仕事をしています。
撮影事例はhouzzというサイトにまとめてあります。
3.複業経験で得たPR視点で広報業務を担当
写真家として知り合う方の多くは、広告宣伝やPRの仕事をしている方や、見せ方にこだわりのある設計事務所や工務店の方々です。
いわゆるPR視点のような感覚を持った方で、どのようにイメージを打ち出していけばターゲットに響くのか、写真の仕事で関わっていく中で強く伝わるものがあります。
せっかくならPR視点を本業にも活かそうと考え、本業でも設計業務のかたわらで広報業務に取り組んでいます。
得意の写真をベースに、簡単なライティングやデザインをしています。
具体的な広報業務の成果や、社内で共感を得ながら取り組めたコツは、別の記事に書いたので、興味ある方はご覧ください。
そして広報業務を取り組む中で紙やwebのデザインだけでは物足りないと感じ、セミナーやイベント企画も手掛けるようになりました。
特に自宅用に取り組んだリノベーションでは、その工事過程全てをイベント化し、毎回10組以上の参加、計6回のイベントで90組の来場に成功しました。
(同じ人が複数回参加した場合も、別々で集計しています。)
このような経験から今後は設計の仕事はお休みし、10月からは家づくりに関するPR等を手掛ける仕事をする予定で、キャリアアップとなる転職に成功しました。
4.本業と複業の経験で講演活動を始める
建築士、写真家、PRといったように、本業と複業を掛け合わせながら活動し、このようにnoteで情報発信していたら、私のキャリアに興味を持っていただくことが増えました。
2019年に入ってから3回、この先決まっているのが2回、合計5回の講演依頼をいただくようになりました。
まだ言い切るには早々かもしれませんが、セミナー講師という顔を持ち始めました。
話せる内容は以下の通りです。
・家づくりのや暮らし方の価値観の話
・リノベーションの体験談
・写真の撮影技術、編集技術(ビギナー向け程度)
・複業、転職、キャリアデザイン、働き方の話
noteにマガジン化しているようなテーマについて話すことができます。
学歴がずば抜けて良いとか、超大手の企業に勤めていたとか、そこで優秀な成績を得たというわけではありませんが、等身大の経験だからこそ共感できたり、マネできたりすることが多いと思います。
現状50名規模で、1時間というのが最大の経験です。
少しでもいいから私の経験が誰かの役に立てば良いなと思っています。
5.私の仕事とは?
以上のことから、私の仕事はこの4点になります。
・一級建築士として設計業務
・建築写真が得意な写真家
・家づくりのプロモーション
・講演活動(家づくり、リノベ、写真、キャリアデザイン)
このように文章にして振り返ると、何か一つでも欠けていたら今のキャリアにはなっていないのだと改めて思いました。
本業と複業を相性良く掛け合わせて、相乗効果で発展していったのが私の仕事の一番の特徴です。
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