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時短勤務だからって昼ごはんの量が8分の7になるわけじゃない〈食事手当〉
(育児や介護で)時短勤務の人の給与をどのように計算するのか?方法は色々考えられます。
会社できちんと規程に定めておくだけでなく、説明がつくようにしておかなければならないでしょう。
私の会社ではこうしてる、こう考えているっていうことを書いてみようと思います。
控除の方法(例)
勤務時間が1時間短い人についていくら払えばよいのか?私の会社の例を書いてみます。(※こうしなければならないというものではありません)
〈前提〉
・月給制(基本給・役付手当・食事手当・通勤手当※1か月定期代)
・管理監督者ではない
・勤務時間
通常 8:30~17:30(うち、休憩1時間・実働8時間)
時短勤務 8:30~16:30(うち、休憩1時間・実働7時間)
・所定労働日数は他の人と同じ
〈基本給〉を8分の7にする
これはわかりやすいかと思います。通常8時間働かなければならないところ、7時間働いているのだから、8分の7です。
ただし支払う方法として、8分の7を支払うのか、あるいは8分の1をマイナスするべきなのかは給与システムをよく確認したほうが良いでしょう。源泉所得税・雇用保険料は実際に支払った金額に対してかかります。
私は給与システムに入力すべき項目を間違えて元々の給与金額に対する所得税や雇用保険料を控除してしまったことがありました。
働いた時間分だけ払う。
わかりやすいようで、100%納得感があるかと言われればそうでもありません。労働集約型の仕事ならともかく、たいていの正社員の仕事の成果は単純に時間で測れるものではありません。8時間勤務の人も時短勤務の人も仕事の成果は同じようなものだったりします。短い時間で効率的に仕事をしている人のほうが偉いのになんで給与を下るんだ、って思うわけです。
じゃあ、「あなたは時短勤務だからここまでやれば良い」と示せば良いかもしれませんが、1時間の違いで仕事の範囲をそんなにうまく線引きもできないでしょうし、モチベーションの高い人を押さえつけているような感じもします。
※時短勤務の人について以前記事を書きました。
〈食事手当〉は減額せずにそのまま支給
「食事手当」として月額5,000円を支給しているとします。時短勤務なので、基本給と同じよう8分の7にすべきでしょうか?
食事手当って、お昼の休憩の食事代を補助するっていう名目なわけですよ。時短勤務でもほかの人と同じようにお昼に60分の休憩をとって食事をするわけですから、これを減らしてしまったらおかしいわけです。
もし、休憩時間が30分・食事はしないという想定だったら話は変わるかもしれませんが、人間として同じように食事をしているのに、時短勤務分の金額を控除でもしようものなら酷いだろうと思いました。給与の手当なんて結局同じお金だろうと思いきや、こういうところで意味が重要になってくるんだ、と実感しました。家族手当や住宅手当も同じ考え方でしょうね。
〈役付手当〉は減額せずにそのまま支給?
これは方向性が変わるところでしょう。うちの会社では減額せずに支給しています。「それはありがたい」と言われましたが、
「”ありがたい”とか言ってる奴はダメだ。係長なら係長っていう責任の度合いは全く変わらないってことなんだよ、時間短くてもきちんと責任を果たすんだ。仕事やれってことなんだよ。甘くないんだよ。」という意味のことを、穏やかな言い回しで言いました。
役職の責任の度合いや業務範囲を変えるということであれば役付手当を時短勤務の分控除するとかありえるかもしれません。もしくは、下位の役職に変更する、管理監督者を一般社員に変更する、なども方法としてあるのでしょう。
周囲とのかみ合わなくなったり、一気にやる気がなくなったりすることもあるので、会社が期待していることと本人のモチベーション、家庭の事情などを踏まえ、よく話をしておく必要がありそうです。
〈通勤手当〉はそのまま支給
通勤手当として1か月定期代を支払っています。通勤することは変わらないので、そのまま支給でしょう。
出社前提の会社だけど、時短勤務者は例外的に自宅でテレワーク、みたいなことであれば話は変わってきますが、みんなと同じように出社しているわけです。
他にも考え出すとキリがない
他の人と違う勤務時間の場合、何をどう計算して控除するのか、他にも迷うところは考え出せばキリがありません。
固定残業はどうするのか?
管理監督者の基本給も控除?
時短勤務だから残業無しの前提なのに、実際は残業しまくりの場合は?
フレックスタイム制の場合の時短勤務はどうする?
基本給と、賞与や退職金が連動する場合はどう取り扱う?
そもそも時短勤務を会社がどう捉えているのかから始まって、
本人のモチベーション・不公平感があるか・責任の度合いや業務範囲などよく話し合って、共通認識を持っておくことが重要だと思います。定めた規程についても説明できることが必要です。
「がんばってるし、払ってあげようよ」となると、たちまち収拾がつかなくなるんですよね。
最後に愚痴ですが、
「働き方が多様化する=給与計算がより複雑化する」ということですので、頭が追いつきませんし、作業も間に合いません。