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OBPについて〜作業遂行評価を中心に〜(2024)
今回は院内の作業療法士向けの研修会用の資料になります。
基礎的な内容が主なので、OBPの初心者の方に知ってもらいたい内容にしています。
資料が完成したら掲載する予定ですので、とりあえず内容のみ載せておきます。
全文読むには有料記事をご購入ください(300円)
参考資料
今回の資料作成には以下の書籍を参考にしています。
具体的な内容については各書籍をあたってください。
作業を知ると何が変わるのか?
作業療法士は作業を大事にしています。
作業というのは、私たちが日常で行うすべてのことで、そこには、個人的な意味が含まれます。
ある人にとっては生き甲斐であり、
ある人にとっては日々のルーティンであり、
ある人にとっては仕事です。
どの側面もそれぞれ人によって様々な意味づけがされます。
これらの作業の重要性を私たち作業療法士は知っていますが、それは当たり前すぎて気がつくのは難しかったりします。
でも考えてほしい。
もし、あなたの当たり前な大事な作業がなんらかの理由で明日から出来なくなったら?
その時初めて作業の重要性が理解できるのかもしれません。
僕が働く病院という環境では、当たり前のこと(作業)を出来なくなった人たちに出会います。
それは、病気が原因だったり、気持ちが原因だったり、環境が問題だったりします。
人それぞれ理由はあれど、元の生活が脅かされいる状況は変わりありません。
そんなときに必要になるのは、作業をただ再びできるようにすることだけではありません。
その作業の価値を知り、そのことを自覚し、自分の生活を見直すことに意味があります。
私は何を大切に生きてきたのか?
私はどういう作業を好んでいるのか?
私は何を目指していけばいいのか?
本当にやりたい事はなんなのか?
これって、自己啓発的な要素とも捉えられがちですが、真意はもっと深いところにあります。
僕たちは日々、そうやってこれからを悩んで懸命に前に進む人の支援者でいたいと思っています。
その人たちが少しでも前に向けるように支援したいと思っています。
そのために必要なことは「作業」を振り返り、その作業を体験し、これからの課題を考えるということにあります。
病院で働く作業療法士の問題
作業療法士は対象者にとって意味のある「作業」の問題に取り組んでいます。
それは「家事ができること」かもしれないし、「仕事に戻ること」かもしれない。
「家事ができる」は「その人にとっての役割をとり戻す」過程かもしれない。
「仕事に戻ること」は「その人の人間関係を繋ぐ方法」かもしれない。
それぞれが目指す作業の背景には、その人が人生を賭けて培ってきたことがたくさん詰まっています。
だからこそ、「作業」に対するアプローチをすることで、その背景を読み取ることができます。
どうやったら?
何が必要なのか?
そこで何をしていたのか?
実際の作業を通して、そういったディスカッションを行うことで、その作業はより洗練されて作業療法士の頭の中にイメージとして残るわけです。
だから「作業に取り組むこと」が重要になります。
ただ、問題なのは「病院」という環境による縛りです。
体が動かないから元の作業ができない
病院だからその環境がない
相手が落ち込んでるからできない
他職種にうまく説明できない
作業に取り組むことを、阻む理由は無数にあります。
これらのバリアが常に自分達に付き纏い、本来必要な作業の評価をできない状況を作り出しています。
でも、必要なのは作業を見る視点。
これを「作業遂行評価」と言います。
作業遂行評価を行うことによって、作業療法士が目指すことがよりクリアに見えてきます。
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