REGZAのアップコンバート機能「XDE」を強化する裏ワザ
◯はじめに
先日、購入してから1年くらいになるREGZAのBDレコーダー「DBR-W2010/W1010」の設定をいじくってみたら、DVDのアップコンバート機能が飛躍的に向上し、ジャギーやノイズが解消され、ツルツルした滑らかな画質にすることができた。
折角だから、私と同じ機種を使っていて
「XDE機能をオンにしてるけど、言うほどキレイにならねぇな……」
「所詮SD画質だもんな……」
「でもこの映画、ブルーレイで買い直す余裕はねぇしなぁ……」
と嘆息しているユーザー向けに、この設定を裏ワザとして公開しておこうと思う。
※使用しているレコーダーの機種は、「DBR-W2010/W1010」です。型番によっては設定の項目名や、操作方法が異なる場合があります。また、お使いのテレビや環境によっては、設定変更の効果がはっきりとは視認できないこともあり得ます。あらかじめご了承ください。
◯手順
・レコーダーの電源を入れ、リモコンの「スタートメニュー」を押す。
・「設定」を選び、「本体設定」を選択。
各種パラメーター設定は以下の通り。
「映像設定」
・TV画面選択:16:9シュリンク
・スチルモード:フィールド
※
画面上に説明が出る通り、「フィールド」に設定すると画像にブレが生じなくなる。画質が粗くなるデメリットもあるが、解像度の低い(480p)DVDならば、むしろ粗が隠れて丁度いい。
「音声設定」
・Dolby Audio:PCM
・DTS/DTS-HD:PCM
・AAC:PCM
・BD-HD音声設定:複合音声
・ダイナミックレンジ設定:入
※
通常のTVに接続している場合の設定。スピーカー等、音響設備にこだわっている人は、適宜調整。
「HDMI接続設定」
HDMI解像度設定:4K2K
HDMIディープカラー:自動
プレグレッシブモード:ビデオ
HDMI音声出力:入
レグザリンク・コントローラ:入
クラウドAI高画質設定:入(ネット接続している場合のみ)
※
特に「プレグレッシブモード:ビデオ」は、画質を上げるためには必須の設定である。往々にして機械というものは、「自動」「オート」にするよりも、具体的に動きを指定する方が、良い働きをするものだ。似たような設定項目はパナソニックの「DIGA」、ソニーの「BRAVIA」にも備わっている。
「HDMI解像度設定」の最上級レベル「4K2K」は、接続しているのが4Kテレビでなくても高画質になる設定だが、もしエラーが発生して映らなくなるような場合は、適宜「1080p24」「1080p」を選ぼう。
「3D設定」
・3D映像視聴設定:自動(3D)
・3D奥行き設定:デフォルト(バーの位置は真ん中)
・3D画面表示:入(サイドバイサイド)
※
一見すると、通常の2D映像の再生時には無関係に思えるが、実はここの設定も、2D3D関係なく、映像の画質に影響を与える。
「再生設定」
購入時のデフォルトのままでOK
「録画設定」
録画アスペクト(Video):4:3
スマホ持ち出し用画質:380×240(0.6Mbps)
DVD持ち出し(VR)用画質:EP(容量優先)
※
「録画設定」には他にも項目があるが、変更するのはこの3つ。
要するに、DVD-RWに録画するときの画質を最低にする。因果関係は分からないが、なぜかこうすると再生時の画質が上がる。
「その他」
ランプ設定を「シアター」にする。
※
「明」「暗」「シアター」の3つがあり、ここを変えるとなぜか画質も変わる。ここは好みで変えてもよい。
仕上げに「放送受信設定」のカスタマイズ。
「地上デジタル設定」
↓
「アンテナの設定」
↓
「アッテネーター」を「入」に切り替える
ポイントとしては、映像の再生に直接関係なさそうな項目も画質に影響を与えるため、細かく設定する必要があるということ。普通は気が回らないような部分までいじくる。だからこその裏ワザなのである。
◯すまないが、効果は自らの目で確かめてくれ
最後にいきなり無責任なことを書いてしまうが、あとは実際にDVDをセットして再生し、効果のほどを確認してみよう。テストで使うのは、「あんまり高画質とはいえない旧作映画のソフト」だと効果が分かりやすいかもしれない……。
デフォルト設定だとノイズとジャギーがすごくて見るに堪えなかった『ドラゴン怒りの鉄拳』DVDの映像が、かなり改善され、ストレス無く見られる映像に仕上がった。
※
裏ワザ検証のために最も重要な画質比較写真がないことを、深くお詫び申し上げます。私のスマートフォン内蔵のカメラでは、ビフォー・アフターが適切に認識できるような写真を撮ることができませんでした。
◯最後に
今や4K・HDR画質が当たり前、物理メディアの円盤より配信サブスクが当たり前の世の中になり、DVDの存在価値は無くなりつつある。
それでも、DVD付マガジンなど書籍の付属品になったり、未配信・未BD化でDVDしか入手・視聴手段の無い作品もまだ多い。映像媒体としての現役期間は、もうしばらく続くだろう。
だからこそ、こうしたアップコンバート再生の手段を工夫し、DVDと付き合う根性がオタクには必要なのだ。