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VUCA、ポスト真実のなかで人はどう成長するか。『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』雑感
『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』を見てきた(世界最速封切り?)。
ひたすらにクスクスと笑わせてくれながら、どう解釈をするといいのか迷う、僕にとっては難しい映画で、かなり好き。
壮大な、壮大すぎる『アベンジャーズ エンドゲーム』の後ということで、やり終えた充足感と、多くを失った喪失感のなかで人はどう成長するのかを描く、ある種のグリーフケアの物語になるのかな、、と思っていたら。。
さすがマーベル。斜め上だった。
ポーランドの詩人、シンボルスカの詩みたい。世界が全的崩壊をした後でも、日常は続いていくし、人びとは笑いあいながら、ささやかな(しかしその人にとっては大問題な)幸せや悩みを追っていく。そして変化に適応しようとしていく。そこまではありがち。
『スパイダーマン』の新作は、その日常の前提をさらにグラグラに揺らいだものにする。
時間(エンドゲームのせいで歳をとらなかった人と5歳重ねた人が混在する)と空間(旅行という設定から目まぐるしく舞台が移動する)が不安定にゆらぎ、加えて現実や情報も不確かな(ここらへんネタバレ防止)日常。
そんななかで人はいかに成長するか、というのは、なんか現代的で新しいテーマだなあと思った。
VUCAも極まり、ポスト真実に囲まれたなかで人が生きるには、結局はおのれ自身に立脚してその直感に従っていくしかないのかな、、とか。
映画としては、まとまりと落ち着きの悪い作品だと思うけど、あえてなんだろうなあ。
MCUの映画をいろいろ見ずにいきなり本作を見ることをオススメはできないかもだけど、すごさを感じさせず笑わせてくれるすごい映画だと思いました。
見た直後のまとまらない雑感として。。。