方法序説|デカルト 【君のための哲学#8】
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Mofuwa
☆ちょっと長い前書き
将来的に『君のための哲学(仮題)』という本を書く予定です。
数ある哲学の中から「生きるためのヒントになるような要素」だけを思い切って抜き出し、万人にわかるような形で情報をまとめたような内容を想定しています。本シリーズではその本の草稿的な内容を公開します。これによって、継続的な執筆モチベーションが生まれるのと、皆様からの生のご意見をいただけることを期待しています。見切り発車なので、穏やかな目で見守りつつ、何かご意見があればコメントなどでご遠慮なく連絡ください!
*選定する哲学者の時代は順不同です。
*普段の発信よりも意識していろんな部分を端折ります。あらかじめご了承ください。
方法序説
『方法序説』は、近世哲学の祖としても知られるルネ・デカルト(1596年-1650年)が著した哲学書である。本書で彼は「我思う、ゆえに我あり」というあまりにも有名な言葉を残した。聖書に書かれていることは正しい・教会の言うことは正しい、とされている時代に「本当に正しいものは何か」を徹底して考え、疑えるものを全て疑った結果、彼は「疑っている当の自分」だけはどうやっても疑えないことに気がついた。そして、その絶対に正しい公理を土台に、0から真理体系を構築しようと試みたのだ。この仕事が近代以降の全ての哲学に通じていると言っても言い過ぎではないだろう。
現代の私たちには想像もつかないだろうが、神などの外部から「正しさ」が与えられるという認識が一般的だった世の中において、人間の理性には全く別の場所から真実に近づく可能性があるとするデカルトの主張は、大きな驚きを持って受け入れられたのであろう。
とはいえ『方法序説』が優れた哲学書とされる理由は「我思う、ゆえに我あり」だけに留まらない。彼はこの著作の中で、真実を導き出すための方法論と行動指針を提示した。
君のための「方法序説」
デカルトは真実を導き出すための方法論として
の4つの条件を提示した。
また、その方法を行うための前提になる行動指針として
という生活目標を設定した。
彼は、この真実を導き出すための方法論と行動指針を実際に運用し「我思う、ゆえに我あり」に辿り着いたのだ。(もっとも、デカルトの業績はそれだけではない。機械論的世界観の提示・デカルト座標の発明など。数学において(a,b,c,…)を定数に、(x,y,z,…)を未知数を表す記号として初めて用いたのも彼だとされている)
彼による真実を導き出すための方法論と行動指針は、私たちの人生に対しても参考になる普遍的な原理である。方法論(①〜④)は、さまざまな問題解決に役立つであろう。私たちはよく彼の方法論と真逆のアプローチをすることで問題解決に失敗する。問題に向き合う際、デカルトの方法論を思い出してみることには大きな価値があるのではないか。
また、行動指針(A〜C)はより重要だ。
目標に固執するあまり国の法律や慣習に逆らうと、大きな失敗の可能性がある。初志貫徹できなければ、目標に対する行動はブレてしまう。目標以外の無駄な欲望に振り回されれば目標は遠ざかる。
彼はこれらの失敗を避けるために行動指針を設定した。そしてこの行動指針は、どんな時代にも適用できる普遍的なガイドラインであろう。
デカルトが『方法序説』にて提示した真実を導き出すための方法論と行動指針は、私たちが何かを追求する際の重要な道標になるのかもしれない。