
子供なのに身体が硬い?~身体を柔らかくする方法〜
子供なのに身体が硬いと言われる原因とは

脳性麻痺などの脳の損傷を伴う疾患や筋肉などの神経障害、を伴う場合に関しては、筋肉の硬さは見られます。
しかし、上記のような診断名が付いていない子供達の場合は、感覚の情報処理問題による身体の硬さが原因となる事を多く経験します。
今回は、身体の硬さが原因となる「感覚の情報処理の問題」について解釈していきたいと思います。
感覚の情報処理とは
感覚の情報処理とは、「身体を動かす際に、脳と身体中の神経が信号を送り合う事で、身体を動かす事ができる一連の過程」です。
この感覚の情報処理が上手く出来ている事は、「自分の意志で、思い通りに身体を動かす事ができる」ことに繋がります。
自閉症や不器用と言われている子供の中には、この感覚の情報処理が上手く機能していない事があります。
しかし、これは病気ではなく、発達上の問題により、感覚の情報処理が遅れているだけのことです。
イメージは交通の渋滞です。

この画像で例えると、
身体を動かす際に、脳が身体中にある筋肉に動くよう信号を送ろうとしますが、この信号が車の渋滞のように滞ってしまうと、上手く筋肉に信号を送る事が出来ないため、自分の思うように手足を動かす事が難しくなってしまうわけです。
これが、感覚の情報処理の問題(感覚の情報が渋滞を起こしている)です。
感覚の情報処理の問題で起こる子供の特徴

感覚処理の渋滞が起きれば、身体には様々な症状が見られるようになります。
身辺自立が難しい
・鼻をかめない
・ボタンをはめる事が難しい
・服を一人で着る事が難しい、または時間がかかる
手先が不器用
・おもちゃを上手く扱う事が苦手
・手先を使う遊び(パズル、ハサミ、塗り絵)
一般的な遊びが苦手
・ボール遊び
・自転車を漕ぐ
・縄跳び
行動にまとまりがない
・物をよく落とす
・物によくぶつかる
・よく転ぶ
・力が入りすぎている(見かけ上、身体が硬いと見られてしまう)
子供の身体を柔らかくする方法とは

感覚の情報処理が滞る事で、身体の位置関係や動きを把握したり、力加減を判断する事が苦手になってしまいます。
そのような子供に対しては、子供が意欲的に出来る運動を取り入れ、その動きに対する抵抗を感じさせる活動を取り入れる事が大切です。
意欲的に出来る運動とは?
上記の記事でも紹介しています「能動性」が大切です。
やりたい運動とやらされている運動では、その効果は全く違います。
子供が意欲的に、楽しく続けられる運動がより効果を高められる事が出来るのです。
動きに対する抵抗を感じさせる運動とは?

身体の位置関係や動きを把握したり、力加減を判断する事が苦手な子供は、頭や身体の位置を正確に識別出来ない状態であると考えられます。
その頭や身体(手や足、体幹など)の位置を理解してもらう為には、自分の動いている感覚(抵抗力)を感じてもらう事が大切です。
例を挙げますと下記になります。
トランポリンでジャンプをする際は重力に抗してジャンプをするため身体に抵抗力を感じる事ができるうえ、ジャンプする際の足の力加減や動きを調整するために必要な力の調整力も感じる事が出来る。
バランスボールに座りながら身体を上下や左右に倒れないように揺れる事は、頭をしっかりと中央に固定する頭部の位置を意識する事ができること、身体を落ちないように支える力加減の調整を無意識に感じる事ができる。
おわりに
2通りの運動を紹介しましたが、感覚の情報処理の問題とは、脳から送られてくる信号が交通渋滞を起こし、筋肉にその信号が行き渡らない状態です。そのため、上手く、身体を動かす事が不器用になり、自分の身体の感覚を識別する事も苦手になってしまいます。
その問題を改善するためには、能動性を意識した運動を取り入れ、子供自身が「身体が動いている感覚(抵抗力)」を感じる事が大切です。