夏目漱石「彼岸過迄」「行人」「こころ」③
「こころ」は、新潮文庫の歴代もっとも売れている本です。ここであらためてあらすじを紹介する必要ないと思います。「こころ」は色々な意味で漱石を代表する小説だと思います。この後期三部作に流れる短編小説を積み上げて長編小説に仕上げるやり方や小説の最終部にクライマックス、結論を持ってくるやり方またこれらが読者を十分に唸らせる内容を持っているだけでも十分にその価値があります。そして漱石を作家として大きく成功させた小説でもあると思います。小説の最終部『下 先生の遺書』が新聞に掲載された時は