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じつは独立していました【退職エントリ】

●はじめに

すでに最近お会いした人にのみ直接ご報告はしてましたが、まだ知らない方、何となく聞いたけどよく分からんよという方も多いと思うので、あらためてこの場を借りてつらつらとご報告させていただきます。

このたび約6年半勤めた会社を4月末で退職して、5月から独立して新しく会社をはじめています(はじめてるんかい)。

偏屈なもので、SNSでこうして報告しても、正直誰もそんな興味ないよなとか、全然いいねとか付かなくて虚しくなるだけだし嫌だなってすごく思って報告も先延ばしにしてたんですが、まあ書き留めておくこと自体自分にとって必要で、少しでも理解して応援してくれる人がいればその人を大切にしていこう、そんな気持ちで文章をしたためています。

●事業について

どんな事業するの?というところですが、

「人と地域をつなぐ架け橋に」というところで、

・宿泊事業(ゲストハウス・貸別荘の運営)
・地域・観光プロモーション/制作

を主な事業としています。

地域の事業者でありつつプロモーターでもある、地域に携わる内外双方の視点を持つところがうちの強みですね。

ゆくゆくは宿泊事業を大きくしていきたいというのはあって、プレイス・ブランディングも掛け算しつつ、場づくりの部分、コミュニティづくりや地域産業のリブランディングなどマイクロデベロップメントのようなところもやっていきたいと思っています。

なんで地域?みたいなところでいくと、いままで会社の仕事のことは発信しなかったので(コンプラ上)、会社員だったんですね、ってよく言われるんですが、実は6年半、住まい領域の広告プランナーとして首都圏のいろんなエリアのプロモーションを担当してきました。
挙げるとキリがないくらいですが、どの地域も、調査して現地に行って、活動している人、暮らしている人、さまざまな施設などに触れると、やっぱりおもしろい街ばっかだし、もっと知られてもいいじゃんとか、背負うものが出てきたりします。

そんなこんなで街を知ってもらうっていう、魅力の発掘みたいなことはずっと好きで、「地域」というのがひとつぼくの中のテーマとして挙がってきた、そんな背景があります。

●会社がはじまる背景・経緯

会社設立までの背景・経緯ですが、元同僚かつ友人みたいな仲間(現・社長)が元々地域・観光系の事業をしていて(宿泊事業など)、3年前くらいから制作周りの手伝いをしていました。ぼくも地域に関わるギルドで活動する中で、いつかは一緒に合流できたらいいなとは思っていて、まだ数年先かなと思いつつ半分冗談で、「一緒に仕事しようや」って前から言ってて、そんな中、彼の事業が法人成りするタイミングで声をかけてもらい、絶賛乗っかるかたちでふたりで一緒に5月から会社をはじめます、という感じです。

●清水のしごと

ぼくはCCO(Chief Creative Officer)という肩書きでジョインする形となります。なんだか偉そうですが、ふたりの会社なので偉そうじゃないとダメだなって思って拝命してます。日々名に恥じぬようプレッシャーです。

役割についてまだ明確に決まりはないですが、

●エリアorプレイス・ブランディング
●制作・プロモーションの統括
●制作パートナーの体制構築・マネジメント
●会社ブランド戦略の構築

このあたりはぼくの役回りかなと認識してます。

社長は前職の後輩でありつつ、旅行とかよく行く友人でもあります。職能でいうと彼は個人で事業を長年やっていて経営のノウハウが豊富で、一方のぼくは経営はよく分からないけどコンセプトメイクをはじめクリエイティブが得意です、というお互い補完し合う感じがちょうどいいかなと思ってます。クリエイティブやプロモーションに関して基本的にコストになることをあれやこれや言う立場がぼくで、それを事業・経営的視点でジャッジしてもらう、という感じでも上手くやってます。

●誰と仕事するか

誰と仕事するか、はめちゃくちゃ大事だと思っていて、今回一緒にはじめようと思った(思ってた)のも、一番の決め手は

「人としてちゃんとしている」

というところです。
めちゃくちゃシンプルですけど、どれだけ超やり手でも、事業計画が魅力的でも、結局はその人自身に共感して信頼できないと無理だと思っていて、

うちの社長は

礼節や態度、接し方が至極真っ当。

これに尽きます。
ただこれがめちゃくちゃ強いです。
なかなかいないので。
そういう意味でぼくの決断も結構すんなり。

以上がご報告になります。
新しい会社の企業HP貼っておきます。

▼株式会社BONITO
http://bonitojapan.com

そして伊豆大島や焼津で宿をやってるのでぜひ遊びに来てください(宣伝)。ぼくのお知り合いの方で予約ご希望の方はご一報ください。何もできないかもしれないけど。

▼島宿・金砂-KANASA-
伊豆大島で築200年以上の古民家を改修した渋めな一棟貸しの宿。手ぶら気分でゆるりと島時間をお楽しみください。
http://teburaisland.com

▼bo-caap YAIZU
HPはcoming soon
静岡県・焼津にある、南アフリカの港町・ボカープをイメージして作った、カラフルで心躍る一棟貸しの宿。アフリカの家具や調度品も揃えてお待ちしています。焼津グルメも楽しんで!

●ぼくにとっての地域・ローカル

ここから先はいたって個人的なお話になります。
地域に携わる人間としての想いなどをとりとめなく書きます。清水という人間を知りたいという人は読み進めてください。特に興味なければ有意義に時間を使ってくださいませ。

ぼくにとってのローカルは、都会の対義語ではなくて、マスの反対のような、顔が見えて息づかいが聞こえるような、そっと手のひらの中で大切にしたいようなものです。
なので、地方に住みたいとか、いろんな地方各地にこだわるわけではなくて、東京にもローカルはあるし、ローカルな場、ローカルな関係性が好きなんだと思います。

やや込み入った話をすると、人間を取り戻そうよというようなものにも近くて、マルクスが「物神崇拝」と呼んだような、実際は社会から無意識に「押しつけられている」価値観、あたかも「人間ってそういうものだよね」と当然視してしまうようなことにややもすると飲み込まれがちな現代において、世の危ういカテゴリーに按分されない、問答によって蠢きつづけるマージナルな、名前も顔も奪われない、強烈で、唯一無二な、ローカルなもの。そんなものたちを大切にしていきたいという想いです(理解されるかは置いときます)。

ローカル。定義を委ねてない、世間と答え合わせしないもの。
彼彼女らが経験してきた人生・歴史の中で、決して立派じゃなかったとしても、生きてきた中で煮詰まって出てきた生き方考え方の哲学だったり教訓、というのは粒の大きさ、輝きの程度こそあれ、どれも美しい小さな物語です。照らされない魅力、語られないまま消えていく魅力があるのは、ドブネズミは美しいのと同じで。

●好き嫌いからまちを考える

ぼくの好き嫌いから地域への想いにアプローチします。好き嫌いと言ってますが、断定・固定的ではなくあくまでニュアンス・グラデーションはありますので。

テンプレ、フォーマットが好きじゃない。建前が好きじゃない。誰でもない誰かのための何かが好きじゃない。ステレオタイプにレールそってる、自分を生きろよって人も好きじゃない(でも物差しが与えられていた頃から多様性が叫ばれはじめているわけで、ステレオタイプで物差しに寄り添いながらじゃないと生きていけない人たち、楽だしというのも分かるので嫌いだけど生きづらさが理解できて好きです)。

本音をテンプレ化してる人も好きではない。建前からの反対を位置取っておけば本音になるでしょうみたいに本音らしさを見せる建前ムーブ。

悩みランキングみたいなものだけネットでさらって知った気になることとか、うわべだけでペルソナ作って語るプランナーとか、データだけで知った気になることとか、何かを言ってそうで言ってないコピーとかも好きじゃない。

ママを代表した気になって声高に煽るテンプレママとか、これ映えますよとか最大公約数的な世のニーズをあなたも享受できますと言わんばかりの接客をしてくるショップ店員とか、あなたのためを装った自分のためとか、自分に向けられた声じゃないもの、営業トーク、お世辞、心を通わせていないもの。思考停止でグループチャットに送る「おはようございます」が嫌い。

ハリウッド映画とか、決まったプロットにのせて山場作って商業的にヒットを生み出すスキーム、型化みたいなものも好きじゃない。
とはいえアベンジャーズとか水戸黄門のようなベタも結局は好き。

分け隔てない愛を謳ってる人がちょっとイラッとしたりするところとか見ると、結局人間って平等に愛せないじゃんって思って逆に好き等々。

・・・

ここまで書くと分かってくると思いますが、まちに目を移してみると、収益重視の再現性のある、無味乾燥とした再開発の街や、埼玉みたいなイオンあってチェーン店あって、便利だけどそそらない街みたいのは好きじゃない。街の固有の魅力がなくなるようなものだから。

一般とことなるもの、固有の文化が好きなんです。ヤバい生態系の街、鶯谷とか変なおじいちゃんとか好き。地域の持つ歴史や風土などの唯一無二性、個別性や顔が好き。ここでしか会えないし、この人しかいないというイマココ性、その土地を去ったら喪失を獲得できるということが大事なんです。

そして旅行だったり色んな土地に訪れることは、自分の知らないペルソナに触れることにも近しいと思っています。こんなリアクションしてくれるんだとか、こんな風に自分を見てくれるんだとか、こんな風に感じるんだとか、新たな土地、人を通してみれることが多い。地域の人と関わるとかってなると、気さくで人懐っこくておもしろい事も言える自分がいて、そんなスイッチが入った自分が好きだったり、そんなペルソナの自分を俯瞰して実感するとまた楽しかったり。これがローカルのおもしろいところです。

まちを作るということは、こうしたローカルな、まち固有の魅力を守り、作り上げていくことであって、そうしたそれぞれの魅力を大事にしていきたいと考えています。

よく勘違いされやすいのが、「地方創生」をしたいとか、「地方を盛り上げたい」とか、ニュアンス的にそういうことをしたいわけではないです。語弊を恐れず言うと「大義」がありそうで、ないというか。移住定住みたいなことも正直はよくわかりません。そういう側面もあると思いますけど、正しく言い当てているかというと違うかなと思っています。「創生」とか「盛り上げる」みたいな言葉はちょっと違和感で、ただ僕としてはいいところを見つけてあげて少し彩ってみる、本来的に好きな人ってもっといるはずだという、偏愛格差の是正みたいな、そんなところが得意なことだと思っていて、あまり仰々しくなく、地域に向き合いたいと思っています。そうした積み重ねが前述の大きな話につながってくるんじゃないかなと思います。いきなりドーンじゃなくてね。

いわゆる「バズ」は一側面として本来100の魅力がややもすると6000くらいになるとして、これが今世間や広告も加担していることです。そんな中、100の魅力が5くらいのものもあります。知られていないとかさまざまな理由で。そんなものたちが気恥ずかしくないようなレベルでせめて30くらいに見えてもいいんじゃない?というような感覚です。真っ当に土俵に立たせてあげることがしたい。

●清水について

40歳までに心の通った大好きな仲間と一緒に仕事している環境をつくる。そんな人たちとの大切な居場所をつくる。という夢があります。
あとHITOTOWAの荒さんが著書で書いていて思わず「ぼくかよ」って思ったんですが、「徒歩圏に仲のいい友人がいる暮らし」みたいなことは人生のテーマです。

僕の場合、出世とか名誉とかいくら稼ぐとかそういうのはあまり前に出てこなくて。結果としてあったらいいけど。強がりでもなく純粋に自分を客観・俯瞰して見ても特段人望も能力もそんなにないので、突き詰めると生き方みたいなところを大事にしたいと。自分の中の大切なものを守ったと、人生の最後に自分の中で契って納得して死にたい。なのでいわゆる身近なものを大事にしたいってなるのも自然な流れかとも思います。

前提、ややこしい人間だというのがあります。そんなこと考えたこともなかったとか、生きづらいねって言われたりもします。でも僕はここで生きてきました。人ってコミュニケーションを通せば一発打てば響くじゃないですか、ああ、こうしたらこうなんだって。すぐ分かる。

でも打たないから分からないんですよ。だからひたすら内省して自分の中で頭で対話して、こうかもしれない、はたまたこっちかもしれない、ブワーって並ぶんですよ。「もしかして」のサジェストが。答えが出なくても仮説が出まくる。いずれ答えもどっかで出てくるから、結果として精度が高まったりもする。でも正解を演じるかはまた別で。思考の過程なんて誰も見ないから、そっけないとか、気遣いできないとか、思いやりがないとか、そういう謂れもあります。まわりを庇うために自分が悪者になっておけばいいやと思い弁明を忘れてそのまま悪者になって終わるとか。でも自分からしたら答え出てるしなって。どう思われても気にしない自分もいて。自分の中で仁義通してるので。秘すれば花みたいなところもありました。こういう性分がクリエイティブに活きてたりもしますが。

ぼくのこういうところもローカルな人たちもどこか似ている気がして。社会の表面で生きてきた人にはモテてこなかったというかね。

・・・

一連のこういう思考になったのも、大学の影響が大きいなあという気がしてます。ちょっとホッとしているというか。というのも大学って通っただけあんまり仕事につながらないみたいなことありますよね。ぼくはロシア語専攻なんですけど、入学したのも「大きくてポテンシャルありそう」くらいの浅さだしロシアのこともよく知らないし言葉も話せない。でも大学でいろんな人種や考え方の人がいるなっていう多様性の漠然とした前提に立てたことと、当時はまずグローバリゼーションとか民族とかワールドワイドな大きな話から入っていって、そこから表象文化論ゼミに入って、文学や映画、美術、哲学など五感を通して人間の生み出す機微みたいなところに触れていくんですけど、まわりまわってちょっとだけ今につながったなって感じします。思考のベースとして。ただこれが故に思考が厄介なんですけど。余談です。

●最後に

長くなりましたが以上です。
ここまで読んでくれた方ありがとうございました。

まったく共感してくれなくていいんですが、清水っぽいね、分かるよとか、そんな風に考えてたんだねとか、思うところがあればうれしいです。そして応援メッセージとか飲みの誘いをお待ちしてます。

まわりの人がどういう想いで仕事してるかとかあまりよく分かってないけど、お会いするような皆さんとは飲みながらこういう話でもできたらいいなと思います。

昨年から活動しているギルドの方も引き続き継続していきます。こちらはより、遊びゴコロを持って、あたたかい距離感で。

健康に気をつけて、5月から頑張ってます。

PS
協働パートナーさんは随時募集しています。
デザイナーさん、イラストレーターさん、カメラマンさん、ビデオグラファーさん等

ご縁があればうれしいです。
よろしくお願いします。

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レモンサワーを消費します。