新監督就任の来シーズン、継続性の中身は何か エルゴラ浦和担当、沖永雄一郎さんと振り返る(後編)
<全3回中の3回>
浦和レッズは2022年シーズンを終え、リカルド・ロドリゲス監督の退任が発表されています。後編ではマシエイ・スコルツァ新監督就任の発表を踏まえ、フットボール本部が発表した3年計画全体に対する総括を議論しつつ、来季への希望や展望にもサッカー専門新聞「エル・ゴラッソ」で浦和を担当する沖永雄一郎さんと共に今季を振り返りつつ触れていきます。
※文中で敬称を省略します。
沖永雄一郎(エル・ゴラッソ浦和担当)
山口県出身。2019年10月よりアイキャンフライしてフリーランスという名の無職となるが、気が付けばサッカー新聞『エル・ゴラッソ』の浦和担当に。
https://twitter.com/RMJ_muga
轡田哲朗(フリーランス)
埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。
https://twitter.com/tetsu11k
マシエイ・スコルツァ新監督の就任が発表に
轡田 クラブは11月10日、中編で振り返りをスタートしたステートメントを出した翌日にマシエイ・スコルツァ新監督の就任を発表しました。そこで、2019年末に打ち出された3年計画全体の振り返りの部分から来季展望の部分について、その発表も念頭に置きながら見ていきたいと思います。
まず、「クラブが主体的に方向性(コンセプト)を定め、監督や選手に活躍してもらいながら、チームとして、クラブとして成長していく」という明確な方針にブレはないと。つまり、その方針の中で担い手の力量を判断して監督交代に踏み切ったという姿勢を明らかにしたわけです。その上で「プロセスにおいて、選手、監督、チームスタッフ等が変わっていくことは当然起こり得ますが、それによって継続が断たれることは決してありません」と明言したこと。これは、浦和レッズというクラブにおいては画期的すぎる文言だと思います。この全体的な振り返りについてはいかがでしょうか。
沖永 僕は正直なところ、ピッチ上という点では1年目と2、3年目は断絶されていると思います。大槻毅監督の功績は築き上げたというよりも、平らにならしたこと、それが1年目だったと思っています。そしてこの2年間でようやく土台を築きつつあるイメージでした。なので、3年間でピッチ上のサッカーは大きく変わり、そこだけにフォーカスすれば3年分の継続性はないと思っています。ただ、監督も選手も入れ替わりが激しくなりつつも、チームが変革していく、スタイルを築いていこうとするという点では確かな継続性を感じた3年間でした。表には出づらい部分ですが、浦和の体質そのものを変えていこうという意思も感じました。
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