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2022年を振り返る

大学教員として,観光研究者として2022年はどうだったのか,棚卸しをしてみます.簡単にまとめると,過去2年のオンラインどっぷりモードから通常モードに戻るための1年であったように思います.

仕事のまとめ

以下,2022年の仕事を,公表できる範囲で整理しておきます.

研究発表・寄稿等

2022年3月には,本務校の紀要に「新型コロナウイルス感染症影響後の日本人の海外旅行実施意向」と題した論文を掲載してもらいました.2021年2月に実施した調査の結果の分析ですが,海外旅行を早く再開したい人の特徴は何か,という問いに対するその時点での1つの回答です.

2022年6月には,週刊トラベルジャーナル6月27日号の特集「特集:進化するペット同伴の旅~運輸大手が環境整備に本腰〜」の中に「阻害要因への対処:旅行の実現へ自信をつける仕掛けを」という2ページの原稿を寄稿しました.ペット同伴旅行を妨げる理由を,レジャーの阻害要因の理論に基づいて整理しました.その上で,阻害要因を擦り合わせてペット同伴旅行を実現するために必要なことを書いてみました.

2022年8月からは,株式会社インフィニトラベルインフォメーションによる「INFINI LOOKUP WEBマガジン」に掲載されている海外旅行動向を紹介する特集記事において,総評のコメントを始めました.12月に2回目のコメントをしております.海外旅行の動向を注視する良い機会になっています.

2022年11月26日には,日本観光ホスピタリティ教育学会(JSTHE)の研究会(於:阪南大学あべのハルカスキャンパス)において,グループ研究 「高大連携・教育実践事例の将来的なデータベース構築に向けた検討」の中間報告が行われ,その中で,JSTHEの機関誌(学会誌)と大会発表における「教育実践報告の分類について」と題した報告をしました.

2022年12月18日は,日本観光研究学会の第37回全国大会(於:金沢大学角間キャンパス)において,「新型コロナウイルスにともなう海外旅行の阻害要因」と題した発表をしました.コロナ禍において従来にない新たな海外旅行の阻害要因が発生したので,これを記録しておこうという意図です.2022年3月に実施した調査で得たデータを用いて分析しました.

学会活動

2022年の後半になると,オンライン対応はなく,対面のみで実施する学会の集まりが多かったです.年間を通して,可能な限り,対面で参加しました.
学会内での役目です.日本観光研究学会では,8月より学術委員に新たに就任しました.観光学術学会では,継続して評議員と編集委員を務めています.また,7月2〜3日に開催された大会では,大学院生育成セミナーにおいてコメンテーターを担当しました.日本観光ホスピタリティ教育学会では,理事・編集委員を続けています.大会発表要旨集の編集などを行いました.

本務校

授業関係はほぼ例年通りの担当科目でした.2022年度は対面授業が全面的に再開となりました.過去2年間はオンライン授業で,事前録画動画によるオンデマンド講義や,Zoomでのゼミが中心でありましたが,久々の対面となり,感覚を取り戻すのに苦労しました.一方でコロナの影響を受けた学生へのオンライン受講への配慮の対応もあり,授業のオペレーションが複雑化しましたが,やむを得ません.
校務では,所属学部の教務主任を引き続き務めました.新入生から新カリキュラムが適用となり,そのための諸対応がありました.また,学生の留学については,現地渡航が再開できたことも重要な出来事でした.

出張・遠征

私自身の海外渡航はありませんでした.ですが,本務校において海外からのゲストの対応をできたことは良かったです.国内ですが,秋口から大阪,金沢と2回出張を入れることができました.私用では8月から数回,地方に行くこともありました.

その他総括

仕事をしながら感じたことを3つにまとめます.

オンラインからリアルへの復帰

2022年をひとことで言えば,オンラインからリアルに戻った1年でした.体力や時間の消費のしかたが過去2年と大きく変わり,正直,仕事の生産性は落ちました.通勤時間が復活したことで,これが意外としんどいと感じることもありましたが,運動不足の解消にはよかったのでしょう.

リアルな交流の良さを実感

2020・2021年には,オンラインで知り合い,そこから生まれる人間関係ももちろんありました.一方で,オンラインの学会報告をすると,それをきっかけにオーディエンスの方と繋がれないもどかしさもありました.そのなかで,2022年は対面で多くの方と交流できる機会があり,その良さを改めて実感しました.一方でオンラインの良さも十分すぎるほどわかってしまっていますので,うまく使い分けながら,色々な方とお目にかかれるご縁を大切にしたいと考えております.

求められることの変化

これは年齢を積み重ねた結果なのでしょうが,仕事において学内外で求められること,期待されることが変わりつつあるのを実感しています.そのことを認識した上で,対応する必要があると考えております.

2023年に向けて

コロナ禍と観光の研究については,学会の中ではだいぶ下火になってきています.とはいえ,まだ日本において国際旅行は完全に戻っていないのが実情であります.研究においては,生活者の意識と行動の把握,それの理論的な位置付けをする研究を継続していくつもりです.
学部の執行部の教員ゆえ,自分の勉強や研究の時間を思うように取れないのが歯がゆいのですが,成果を出せるように努めてまいります.

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