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術後5日目

気持ち悪すぎて一睡も出来ず。
眠剤2回は夢なのか。
一晩中もう嫌だと唸っていた。
弱っちい大学生だ。
気を紛らわせるためにシンデレラのビデオを見せてもらってやっとようやく待ち侘びた朝。

ついに尿カテとAラインと首のカテーテルが抜けた。
首の管を抜くのは怖かったが、どうやら杞憂だったようで。
糸をぶっちぶっち切る音が聞こえる。
しかし痛みはない。
先生に聞かれるまま、大学の話をしているうちに
にゅるにゅると管が抜けていく感覚。
手首も首も止血が長かったが
痛みがなくてなによりだった。

プラシーボなのかなんなのか
この時だけは吐き気どめが効いてくれ、
ベッドに座れることも確認してもらったので
病室移動が決まった。
やっと一般病棟に戻れる。
心の中は大歓喜。
病室にいけばきっと眠れるよ、よかったね、
と看護師さんや先生方に言ってもらうも
そんなに甘いものではないと後に知ることになるのである。

暇の解消にスマホをいじりたいところだが
あいにく気持ち悪すぎて諦めた。
浮腫み具合も記録に撮っておきたかったが
スマホを見る元気はなかった。
画面酔いする未来しか見えない。
貧血は強いものの動くことには問題がなく、
リハビリも今日は足踏みだけで難なくクリア。
ちなみにトイレは病室に備え付けてもらったポータブルを使うことになっていた。

この日から突然、鼻カニューレの匂いが鼻につくようになった。
それに誘発されたように気持ち悪さが復活。
ごはんもゼリーもゴムの匂いに思えて食べられない。
食感もゴムみたいだ。
食器もだめ、
ガーグルベースンもだめ。
あらゆるものの匂いが不快になった。
鼻カニューレなんて長いことつけていなくちゃいけないだろうに。最悪だ。
息苦しくて気持ち悪くて何もする気にならないからぼうっと天井を眺めている。
横になると息苦しくてつらい。
そして謎に一日中大量の唾液が止まらなかった。
止まらなすぎるのでガーグルベースンに出してみるも
ガーグルベースンの匂いに刺激されて吐いた。

さらに追い討ちをかけるのは
信じられないほどの空腹感。
お腹空いた、というレベルではない。
もう身体の中には何もないんだよぉ!!!!!
と体が全力で悲鳴をあげているような
そんなレベルだ。
食べられないから加速する。
少し食べられたとしても、数分後には復活する。
血糖値が低すぎたのだろうか。
もう嫌だ。
看護師さんが優しいことだけが日々の救いである。

この日は本当につらかった。

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ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

そら

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