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言葉を考える 言語の最高峰

登山家は世界最高峰のチョモランマに登りたいと夢想する。
ピアニストなら最高難度のベートーベンのピアノソナタNr.29を演奏したい。
車好きなら世界最高速度のBugatti Veyron 16.4で autobahnを時速400kmで疾走するか、、。

で、言語マニアは?

そう、世界最高難度の言語を学習してみたい。

UNESCOの調査によれば、最高難度の言語十傑は、

(Top 10 most difficult languages to learn – by UNESCO)

  • Chinese (China)

  • Greek (Greece)

  • Arabic (Arab)

  • Icelandic (Iceland)

  • Japanese (Japan)

  • Finnish (Finland)

  • German (Germany)

  • Norwegian (Norway)

  • Danish (Denmark)

  • French (France)

英語の口語表現で

it's Greek to  me!

と言うのをご存知ですか?

難しすぎてチンプンカンプンだよ!、、ぐらいの意味ですが、その難しさのメタファーとしてGreekが使われているのですね。

じゃあTOP10の最初に記述されるChineseはどうでしょう? 
言語フェチなら人類言語のチョモランマと言われるChineseに挑戦してみたくならないですかね?

僕は日本語が母語で、ドイツ語は読んで理解するだけなら大学院・哲学研究科の公募入試は通過したレベルなので、まあ2言語は一応経験済みと言う事にして、この難易度TOP10の中から別の言語に挑戦してみようとChineseの独習チャレンジを開始したところです。

実は何年か前に、Michel Foucaultという人の著作に興味があってフランス語の独習に挑戦し、3週間で玉砕したのですが、この事実を棚に上げ、TOP10の中から日本語以外の2言語を選ぶならドイツ語+フランス語よりも、ドイツ語+中国語の方が難易度が高くて良いのではないか!と考えて、中国語の独習を開始しましたwww.

フランス語独習チャレンジの時には、フランス語の動詞vendreってのを知って、英語で、selling machineでは無くvending  machineと言い、売り手のことをsellerとは言わずにvenderと言うのは、思い切りオシャレにフランス語を使っていたのだ!とわかって膝を打ったものです。

中国語(の内のひとつである漢語)を学び始めて、上等なレストランの事を餐厅(Cāntīng)と呼ぶ事を知り、ひょっとしてこれが英語のcanteenの語源か?と思って調べてみたが関係がなかった。

やはり多くの語源を共有している欧州諸語とは異なり、漢語は独立している言語なんだと思う次第。

そして、唯一、漢字文化圏で一億人以上の母語話者数を誇る日本語との関係では、共通の単語がいくつもあって、中には「人民」とか「共和国」とか、欧州語からの翻訳のために日本人が創った語彙も多いと言う。この点、我々日本語母語話者が学習するには有利な点で、この様な有利な点が見当たらないアラビア語を選んだ方がもっと困難で面白かったのではないか、などと自虐的なことも考えます。

multilingualというか、polyglotの方々の中には、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、ルーマニア語など同系列の言語で数を稼ぐ人もいらっしゃるし、それはそれで偉大なる成果だとは思う。

でも、言語間の親近性が無く、August Schleicherの言語類型論的にも全く異なる日本語(膠着語)、ドイツ語(屈折語)、中国語(孤立語)の3タイプの言語を習得できたら素晴らしいと思う。

僕らは、あのロシア語よりも難解な日本語を使いこなして、不自由なく意思疎通ができているのだから、きっと最難関のChineseだって制覇できると信じて、乾杯!


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