電子ペーパータブレットという選択肢
この頃、中高生は受験期真っ只中である。私も少し前まで(とはいっても年月は経っているが)その身だったのでこの時期は3年ごとに人生のかかった緊張感を味わったのを覚えている。すっかり思い出になりつつあるが、勉強から逃れることはできないのが現代社会なのだろうか。
そんな私は2年ほど前から富士通が発売しているQUADERNOという電子ペーパータブレットをノートとして使用しているのだが、今回はその良さについて語りたいと思う。
QUADERNOとはなんぞや
正直電子ペーパータブレットは割とニッチな部類ではある。周りの人にはすごい珍しがられるし、キンドルPaperwhiteみたいなもんだよーといって伝わることが半々な程度には認知度がない。そんな電子ペーパータブレットの中で珍しく国内メーカーの富士通が製造販売しているのがQUADERNOである。
最近カラーディスプレイになった新型が出たが、私が使っているのはモノクロの第二世代である。ディスプレイサイズは小さい方のA5サイズで、ワコムの液タブ用スタイラスペンを使用して書き込みを行っている。主な用途は日記や授業でのノート取りなどだろうか。
通常の液晶ディスプレイではなくより紙に近い電子ペーパーディスプレイを搭載し、表面はアンチグレアならびに抵抗感のある加工が施されており本物の紙に書いているような感覚を実現してくれる。
私が使っているペン
↓
QUADERNO購入の動機
私は中学生の頃からガジェットや電子機器が好きな人間だったのだが、年齢が上がるにつれて使える金額も自由度も上がってきた。そこで、学生の永遠の悩み、「増え続ける紙」を何とかしようと考えたのが始まりである。小学校から大学まで、電子化が進んだとはいえまだまだ紙の出番は多い。配布される紙はともかく、試験勉強をするときには自ずとたくさんの紙を消費するわけだ。私は整理が得意な人間ではないのでよくプリントやルーズリーフを溜め込んではまとめて整理すると言った中高生時代を過ごしてきた。
何かいいものはないかとネットの海を彷徨っていたところ、大物ガジェット系YouTuberのトバログさんの動画に行き当たった。
トバさんの動画の中で紹介されていた謎のタブレットが妙にスマートで、物欲を刺激されたのを今でも覚えている。自分でも調べてみるとデジタイザーペンが使える電子ペーパー端末で、ノートがわりにも十分使えることがわかった。これは買うしかないだろう、ということで結構いいお値段はしたものの学生なりに頑張って購入したのである。
私の使用環境
私はQUADERNOを裸で運用している。あとでも述べるがあの驚異的な薄さ、軽さを活かすのはケースなどつけずに裸で持ち運ぶのがベストだと考えているからだ。
語学の勉強、試験勉強やそのほか何か手書きしたいときに使用している。
明確ないいところ
・薄くて軽い
QUADERNOは他の10インチクラスタブレットに比べて驚異的な軽さ、薄さを実現している。たった261グラム、厚さ5.9ミリの中に全ての手書きノート、スケジュール帳、日記、書類PDFが収まってしまうのである。他のタブレットは500グラムを超えることも珍しくないなか、この軽さはもはやノートと比較しても遜色ない。
・紙のような書き心地
QUADERNOは画面自体に抵抗のあるペーパーライク加工が施されており、そのままでも紙のようなざらざらした書き心地を実現している。個人差はあるだろうが、引っかかり過ぎず滑らない絶妙な加工が書く意欲を高めてくれるのは素晴らしい魅力だ。
・外部からのデータ取り込みに対応
PCからPDFを取り込んだり本体のノートを出力したりデータのやり取りが可能なのもいいところである。専用のアプリがあるのでそこで必要なデータの受け渡しができ、スマホ版もあるので出先でのデータ転送も可能である。
・電池持ちがいい
PDFの表示や軽い書きこみ程度ならば数日、場合によっては一週間程度バッテリーがもつ。ノートをバリバリとる場合はそこまでではないが、iPadなどよりも電池持ちは良い。
・豊富なテンプレート
通常ノートや日記以外にも様々なテンプレートが用意されており、パソコンから取り込むこともできる。全ての紙をデジタル化しようと考えている方も、用途にあったテンプレートが無いといった事態になる可能性は低いだろう。
デメリット
・価格がお高め
カラー版だとA4タイプが79800円、A5タイプが59800円とぱっと出せる金額ではない。専用スタイラスペンも買うとなるとプラスで1万かかるため、買うときは相応の出費を覚悟しなければならない。ただ個人的にはその分の価値はあると考えているので、人によるところも大きいが。
・耐久性が若干心配
薄くて軽く、筐体のほぼ全てがプラスチックでできているため、強度は若干の心配があるかもしれない。普通に使っていて問題になることはないが、iPadほどの剛性感はないと考えて良い。
・通常のタブレット用途としては使えない
電子ペーパーのためリフレッシュレートが低く、動画の閲覧やネットサーフィンを行うことは厳しい。私の使っているモデルだとそもそもネットにアクセスすることができない。
あくまで書類作成、メモなど筆記用途限定だと割り切って使う必要がある。色々なことをしたい方は素直にiPadを買おう。
まとめ
QUADERNOはかなりニッチなタブレットだが、思考整理やノートの代わり、日記など筆記関係に関してはかなり良い体験を提供してくれるデバイスであろう。
ノートをそのまま、手書きのメリットを残したままデジタルに移行出来るのは想像しているよりも快適だ。電子ペーパー端末かつ書き込みができるものとしてはややお手頃(そもそも電子ペーパーが高い)なので、興味があったら手に取ってみるのもどうだろうか。