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家族だから、何も話さなくてよかったんだ

久しぶりに、旦那と二人でコメダモーニングに行きました。


・・・・・。


・・・・・。


しゃべることがねぇー!(切実)


あのね、旦那と二人でしゃべることなんてないんですわ!ホンマに。何しゃべったらええのん?もう、会話のネタが枯渇してね、砂漠状態ですよ!「今日、天気ええな」って言うたら「そうやな」で終わりやし。これ、誰が解決してくれんの?

と、私の中の上沼恵美子がまくしたてる。ほんまに何しゃべったらええのん??



ここは伝家の宝刀、子どもネタを投入するしかない!我が家には4人も子どもがいるのだ。何かしらの会話を提供してくれるはず!

私「(受験を控えている)次女、全然勉強してへんけど大丈夫かなぁ?」
夫「大丈夫やろ」

私「(イベントに出かけている)長女、楽しんでるかなぁ?」
夫「楽しんでるやろ」


終了〜〜〜!!


なんか言うても、一言で返されて。これ、会話ちゃうやん!私、一人でしゃべりに来てるんとちゃうで。これやったら、壁に向かってしゃべってる方がなんぼかマシやわ!

これに近いことは、上沼さんが実際に言うてた気がする。わたしも見事な壁打ちで終わりました。ちーん。

それにしても難しい。
夫婦二人だけの会話。

喫茶店っていうのがあかんのかな?二人きりの場所をお膳立てされて。普段は二人でいることなんてほとんどないのに、いきなり向かい合って「さぁ、夫婦だけの会話をどうぞー!」って言われてもねぇ。

車に乗って、運転席と助手席に座ってるときの方が、スムーズに自然な会話ができる気がするよ。

結局、それぞれにスマホを見ながら、時折ポツポツと話をするだけでモーニングの時間は終わってしまったのでした。


◇  ◇  ◇


そういえば。
と、子どもの頃を思い出す。

家族三人で出かけたときは、必ず喫茶店で休憩をしていた。

家族でいつも訪れていた老舗喫茶店
※写真は昨年、系列の別店舗で撮ったものです


母は珈琲があまり好きではなかったけれど、「ここのアメリカンだけは飲めるねん」と、いつも同じ喫茶店に入った。母はアメリカン、父はブレンド、わたしはジュース(大人になってからは珈琲)を注文するのが毎度のお決まりで。

家族で仲良くお茶をして、さてどんな楽しい会話をしていたのか?というと、実はほとんどしゃべっていない。

野球好きな父と母はたいてい、お店に置いてあるスポーツ新聞を読んでいた。一通り読み終えると、互いの新聞を交換してまた読み始める。

新聞の内容によっては、「イチローまたヒット打ったで!」「これは200安打も夢じゃなくなってきたなぁ」と話をすることもあるが、基本無言。ひたすら新聞を読むだけなのである。


これって・・・


わたしたち夫婦とまったく一緒やん!
新聞がスマホに置き換わっただけやん!

あの頃。一緒にいながらも特に会話をすることなく、思い思いに過ごしていた時間。無意味なように見えなくもないが、わたしは嫌いではなかった。むしろ、その時間を楽しんでいた部分もある。


あぁ、そっか。
家族だから、何も話さなくてよかったんだね。


今になって気づく。
忙しくてすれ違いばかりの家族が、同じ空間で同じ時を過ごすことが大切なのであって。珈琲が苦手なはずなのに、母が喫茶店に行くことにこだわったのも、そういうことだったのかもしれない。

そして、それが成り立つのが、家族(もしくは信頼関係のある者同士)の特権なのかもしれないなーって。

家族いうのはな、なんもしゃべらんでええんよ!ただそこに一緒におったらええの!みんな静かに好きなことしてたら、それが一番心地ええんやから。え?何?会話がないのは冷めとる証拠って?ちゃうちゃう!この無言の空気感がな、家族の絆をギューッと深めとるんやで!わかる?この静けさが宝なんよ、奥さん!

と、上沼恵美子が言うたのか言うてないのか定かではないけども。一緒にいることが心地いいなら、会話がなくてもいっか。



ではでは、また。







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テシマ ユリコ
最後までお読みいただき、ありがとうございます! いただいたサポートでコメダ珈琲へ行き、執筆をがんばります! (なぜか、コメダってめちゃくちゃ集中できる)

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