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こんな本を聴きました【2024.9-10】

遅ればせながら、9・10月の読書記録です。

この2ヶ月は紙の本を一冊も読めず。Audibleで2冊の本を聴きましたので、その感想を書きますね。



★『誰かが私を殺した』東野圭吾

※Audible会員なら聴き放題¥0です。


東野圭吾初のオーディオブック作品であり、完全オリジナル。これを聴きたいがために、久々にAudibleに登録しました。

作品自体はとても短いです。おもしろくないわけではないけれど、長編好きな人には少し物足りないかもしれない。が、そこは東野圭吾!短いながらも、一つのミステリーとしてしっかりまとめられてますよー。

この作品でわたしが新鮮な驚きを覚えたのは、物語の視点。なんと、殺された被害者=「霊」が語り手となって、話が進んでいくのです!

Audibleのページに書かれている紹介文も、こんな感じ↓↓

【あらすじ】
亡き夫の月命日。墓前で手を合わせていると、突然背中に衝撃を受けた。気づいた時には、魂だけがこの世に留まっていた。どうやら私は誰かに撃たれたらしい。

警察の遺体安置所で出会ったのは、警視庁捜査一課の加賀恭一郎警部と部下の女性刑事・新澤。私は彼等による捜査の行方を見守りながら、なぜ自分が殺されたのかを考えた。やがて加賀はほんの些細な手がかりを積み重ねることで、事件の真相に迫っていく。

彼の推理の先にあったものは、私が想像さえしないものだった。

『誰かが私を殺した』Audible版ページより引用


このような設定の作品は過去にもあるだろうけど、目より耳で聴くAudibleのほうが、よりいっそう映える気がする。被害者=語り手だからこそ、犯人に辿り着く過程、判明したときの心情が声を通して読者(耳読者?)に響いてくるんじゃないかと。

しかも語り手の声は、演技派女優の寺島しのぶさん。淡々とした語りの中にも、グッと感情がこもっている。これだけでも一聴の価値あり!です。

このあたり、東野さんも狙って書かれたのかなぁ?制作過程がちょっぴり気になります。


★『朽ちないサクラ』柚月裕子

※Audible会員なら聴き放題¥0です。


2024年6月に映画が公開されたことでも話題の警察小説。といっても、主人公の森口泉は県警の広報職員。いわゆる刑事ものとは一味異なるミステリーです。

【あらすじ】
県警の不祥事ともいえる事実を、親友の新聞記者・千佳に話してしまった泉。口止めしたにもかかわらず、後日スクープ記事として報道され、「情報を漏らしたのは自分ではない」と言い切る千佳を、泉は心から信じきれない。千佳は自身の無実を証明するために動き出すが、その矢先、何者かに殺されてしまう。
親友の死を独自に調べ始めた泉が辿り着いた真相とはーーー?

県警職員ではあるけれど、刑事ではない。捜査のシロウトである泉の奮闘が、一つの見どころになっています。捜査能力に長けているわけではないけれど、勘(ひらめき)のようなものを持ち合わせていて、一歩ずつ着実に真相に迫る様は、とても魅力的。次回作を期待させてくれるキャラクターでした。

真相に迫るほどに、不条理な組織の闇が見えてくる。闇の中にいる人間が振りかざした正義とは、自分たちにとって都合のよい真実にすぎない。事件は解決しても、スッキリできない現実が目の前に横たわっていました。

Audibleでもじゅうぶんにおもしろかったですが、重みのある内容なので紙の本でじっくり読みたかったな。


▼30日間の無料体験あり。興味のある方はまずお試しを。


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以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ではでは、またー!




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テシマ ユリコ
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