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ちょっとした違いで大きく変わるもの。それは前髪。
朝、普段より10分早く家を出たら、景色が違って見えた。
通学途中のチャリンコ高校生がまだたくさん走っている。信号待ちをしている車の列も明らかに長い。
毎日〇〇の交差点付近で出くわす、マスタードのリュックを背負ったオバチャンがいなくて、ちょっぴり寂しかった。△△不動産の朝礼もまだ始まっていないようだ。
◇ ◇ ◇
この日は明らかに仕事が忙しいことがわかっていたので、早めに家を出たんですよ。そしたら、見える景色が全然違うなーと思って。ちょっとしたことなのに、まるでパラレルワールドに紛れ込んでしまったようで、すごく不思議な気持ちになりました。
こういうちょっとした違いで、大きく変わることってあるよなーって。
何が言いたいかってね。
わたし、切りすぎたんですよ、前髪を。
たった数ミリですよ?これがもし前髪じゃなくて後ろ髪だったら。誰も気づきやしないですよ。「あら、テシマさん!髪切った?」なんてぜーーったいに言われない。いいとものタモリさんですら言わないよ。なのに、前髪ってやつは!くぅーーー。
けっこう伸びていたので、最初にザクザクと切ってから微調整しようと思ったんですね。それがあかんかった。はじめにハサミを入れた箇所がいけなかったんでしょうね。ザクザクの最初のザの時点で運命が決まってしまった。ジャジャジャジャーン。
切り終えて、鏡を見たときの絶望と後悔。やっちまった感ハンパない。それでも、一縷の望みをかけて、子どもたちに聞いたんですよ。
「ねぇ、ママの前髪どう?」
おのおのがゲームやパソコンから目を放して、一斉にこちらを見てくる。その後、大爆笑!!
家族ってのは容赦ない。忌憚のないご意見をいただけて、ありがたいけども。そこまで笑わんでもよくない?
唯一、夫だけがわたしを見て笑いませんでした。「さすがパパ!優しい❤️」と惚れ直しそうになったんだけど、後に帰宅した娘に向かって、「ママの顔、見てみー」とニヤニヤしながらささやいていたので、ソッコーで愛は冷めました💔(娘は腹を抱えて笑ってました)
前髪が奏でる運命はまだ鳴り止みません。
その後買いものに出かけた先で、同じ職場の人とバッタリ遭遇。いつもは誰とも会わないのに。こういうときに限ってWHY?
いや、でも。ワンチャン前髪を切ったことに気づかない可能性もある。家族じゃないんだし、人の前髪なんていちいち気にしてないよね?だって、たったの数ミリだもの。と、思ったのも束の間、第一声がこれだった。
「テシマさん、前髪切った?遠くの方から前髪切ったんだなーって思って見てたのよ!」
すみません。
前髪が伸びるまで、仕事休んでいいですか?
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