ニーズのある商品が他より尖っていれば、マーケティングを知らなくても「集客」はできる。
本日は、ニーズを感じ、ペルソナが決まった商品をどのように売るか?というお話です。
無料集客→販売を考えた結果、アメブロを選択
起業当初はマーケティングのマの字も知らず、とりあえず無料で出来ることから始めようと思いました。
2012年当時はInstagramもハンドメイドサイトも今より盛り上がっておらず、
base やstoresのような自分で作れるかっこいいECサイトも知りませんでした。
「辻ちゃんがやっているからいいに違いない」
という理由でアメブロを始めました。
(グローバルメニューを作るなど、アメブロをカスタマイズしてHP代わりにしている女性起業家さんが多かったのです)
以前書いたように、ネイリストと作家業、二足の草鞋で起業したので
「ネイルとブライダルグッズのアトリエ○○」
という、何屋さんなのかわかるような、わからないようなブログでした。
ブログ立ち上げからオーダーが入るまでの流れ
・とりあえずブログを立ち上げるだけ立ち上げて、最初の数日はネイルメニューや作品紹介の記事を書く。
作品販売はネット通販になるので、「個人情報保護方針」や「特定商取引法」の記事も。
・グローバルメニューの作り方をググってアメブロカスタマイズ(昔webデザインも少しかじったのでタグが理解出来たのが良かったです)
・友人や紹介の方で週2はネイリストとして施術。
・他の日は複数あるネイルアプリに投稿するため画像加工に勤しみ、ブログのネイルカテゴリの記事更新。
・サンプルチップの作成、ネイルメーカーさんのインストラクター試験の勉強、ネイルセミナーに通う
……と、駆け出しのネイリストとして忙しくしていました。
16歳から絵を習っていて描くことは既に出来たので、描く仕事である作家業のために新たに学ぶことはあまりなく、熱量の比重は結婚してから学んだネイルの方が重めでした。
細かい絵が描けたらキャンバスは爪でも貝でも良かったのですが、当時頑張っていたネイルはネタが沢山あったため、どう考えてもネイルの記事数が多かったです。
そしてブログ立ち上げから3ヶ月。
初の、サロンご予約が……
ではなく、
ブライダルグッズのオーダーが入ったのです。
ネイリストとしての私、戸惑う
ブライダルグッズの制作もやりたかったのですが、当時の熱量的に「なんでこっちが?」という気持ちがありました。
それでも作家としては、オーダー自体はとても嬉しかったです。
その後も続々と、ブライダルグッズのオーダーが入ります。
ネイリストとしての私が作家としての私に嫉妬する日々が続きました。
サロンブログとしてはダメダメだった
何年も経ってからサロン集客を学び、私はネイリストのブログとしては全然駄目なものを書いていたことを知ります。
まず、2つのことをするなら、2つのブログを立ち上げるべきなんです。
人は、あれもこれもやっている人より、その道一本を極めた人からサービスを受けたいもの。
ネイルサロンを探している人が、何屋さんかわからない所、ましてや個人宅になど行きたくありませんよね。
さらにサロンマーケティングでは地域名や駅名+ネイル というキーワードで検索されるように記事を書くべきなのですが
「自宅を特定されたくない」
という気持ちから
「サロンへのアクセス」という1つの記事以外には「○○市」以外、最寄り駅もわからないブログでした。(しかもその記事がどこにあるかわかりにくかった……)
更に様々な好みの方のお持ち込み画像を再現したネイル写真、新しいアートが出てはすぐサンプルを作ってみたりと、色んなデザインのネイル写真で溢れていたので統一感がなく、
シンプル、可愛い、何系が得意か全くわからない。
そして最も大切な「ペルソナ設定」が出来ていませんでした。
……今思い返しても、駄目な自宅サロンブログの典型でした。
それでも、もう一方のペルソナからは検索される
そんなダメダメブログの中で
数少ない私の作品の記事が、作家業としてのペルソナさん
「既成のブライダルグッズでは納得いかないプレ花嫁様」
に検索されたのです。
よくある作品なら、きっとあの何屋さんかわからないブログではオーダーは来なかったでしょう。
私の作品は
もともとニーズがあるその商品の中でも、「尖っていた」のです。
更にサロンに来るお客様と違い通販なので、ペルソナさんはブログ主が
「ネイリストと作家とどっちつかずな人」
なことがあまり気にならなかったか、
「ネイリストだから細かいアートが得意なはず」
とプラスに働いたのかもしれません。
集客できたゆえの後悔
尖った商品×アメブロ集客で、作家業は軌道に乗り始めました。
まだ一件もオーダーが入っていない状態でも、プロフィールなどは整えて(当時はネイリスト兼ブライダルグッズ作家でしたが)
ブログトップからオーダー画面への導線、価格表、選べるオプション。
作品に対する思いやコンセプトも見ていただけるよう、導線を考えて構築していました。
それもあって、コンスタントにオーダーが入ったのでしょう。
後悔したのは、相場に合わせてしまった価格面です。
ビジネスを学ばずに起業。
それで集客出来てしまうのはある意味、集客出来ないよりも辛いことです。
なぜなら、思うような収入が得られないのに仕事で忙しい、という状態になってしまうから。
この後は長年、明らかに作業時間に見合わない価格でひたすら描く、という時代が続きます。
まとめ
なんとか休みながらも続けて来られたのは、大好きな描く仕事だったからです。
でもビジネスを学んだ今、あの頃に戻れるなら。
まずはしっかりと計画書、マーケティングフローを書きます。
ブライダルグッズ専門作家としてのブログを開設し、価格表にはしっかりと利益が出る価格を載せます。
一つのSNSが伸びたら他のSNSも試してみて、お客様の入り口を複数持っておく。
最初からこうしておけば良かった。
そう思うこともありましたが、リアルな失敗談・経験談を聞いておくことも、まだビジネスを学んでいない作家さんには大切です。
是非是非、反面教師にして下さいませ……
最後までお読みいただき、ありがとうございます^^