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足が遅いからこそ、目標(めあて)が大事!

 目標(めあて)ってたくさん、ありますよね。「○学期のめあて」「運動会のめあて」…。 初任者の頃、「こんなの意味ないじゃん…。足遅いやつは、遅いんだし…。」と思っていました。結果にしか目が向かなかったので、仕方ないのですが。(そして、行事の直前に、めあてをたてさせて、主任に怒られました…😫)
 愚かな過去の自分に教えてあげたい…。足が遅いからこそ、「めあてが大事」なんです!

 結果ではなく、過程を大事にする…。これは以前の記事に書いたとおりです。

 でも、めあてをちゃんと立てないと、過程を大事にできないんです!
…どういうことか。

目標を立てないと、過程を大事にできない。

 めあてとは、いわば乗り越えるべきハードルのようなもの。つまり、めあてを立てた瞬間に、そこに向かっての努力が始まる…、その行事が始まるわけです。
 たとえば、マラソン大会。あれは、めあてをたてた日が、マラソン大会のスタートです。
だから、めあては行事の直前じゃダメ!努力する期間が、全然なくなってしまうからです。

「最後」のめあて(長期目標)

 めあてには、「最後」のめあてと「途中」のめあての2種類があります。
 「最後」のめあてとは、いわゆる長期目標。「最後にどうなりたいのか」というイメージです。

①〇〇位になりたい!
(相対評価になるので、自分の出来だけでなく周囲の出来にも左右される)②タイムを〇秒縮めたい!
(絶対評価になるので、常に自分との闘い)
③〇〇の力をつけたい!
(主観での評価になるので、子どもによって甘くなったり厳しくなったり)

 どれがいいということはありませんが、運動が苦手な子は②や③の方が達成感をもちやすいかもしれません。運動が得意な子は①でもいいでしょう。 
 ただ、これを設定しただけでは、意味がありません。本番当日、1回チャレンジするだけでは、たいした成長はできませんし、そのハードルをとべなかったら、せっかくの行事が「ただの失敗経験」で終わりです。全員が成長を実感し、達成感をもつためには「途中」のめあてが大事なのです。

「途中」のめあて(短期目標・中期目標)

 「途中」のめあてとは、いわゆる短期(中期)目標です。長期目標を達成するためにどんなことを日々がんばっていくのか、具体的に設定するのです。

【マラソンタイムで】1位になるために、毎日5周する。
【体育の授業で】あきらめない力をつけるために、体育の校外マラソンでは   
        絶対に歩かない。
【家で】毎日、家の周りを10分走る。

「みんな」のめあて(頻度・距離・時間)

 上の図のめあては、個人のめあてですが、ここにみんなのめあてを取り入れることもできます。

【頻度の目標を決める】毎日、マラソンタイムに全員参加しよう! 
【距離の目標を決める】みんなで、500周走ろう!
           (300km走ろう!東京タワーまで走ろう!)
【時間の目標を決める】全員の平均タイムを〇分〇秒にしよう!

 こうすると、「やらなきゃいけない感」も出ますし「集団での達成感」も得られます(でも、苦手な子にとっては、重すぎる目標はNGです。みんなが無理なく参加できる目標にすべきですし、これを取り入れるなら必ず達成できるようにサポートすべきです)。

「目標を早く立てる」ってことは、「成長するチャンスをたくさん作る」ってこと。

 このように、めあてがあると、成長するチャンス、振り返って成長を実感するチャンスがたくさんあるってことです。たとえ、最後のハードルが跳べなかった(最後の目標が達成できなかった)としても、そこに至る過程でたくさんのハードルを跳んでいる(成長している)。それが実感できれば、マラソン大会当日の結果がダメでも「学びの価値」は感じられるはずです。
 
 これは、他の行事でも同じです。めあてをもって、そこに向かって努力する中で、自分の成長に気付けるようにしてあげることが大切だと思います。
 
 そして、実は日々の生活の中でも応用できます。…というより、先生方(お家の方もそうかもしれません)は、毎日子どもたちにこのハードルを設定しています。それは…「ほめたとき」「しかったとき」です。

今回は、ここで一回区切ります。続きは次回の記事で。
最後までお読みくださりありがとうございました。

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