note3 天地(あめつち)のはじめ

古事記 上つ巻 原文 天地(あめつち)のはじめ https://stand.fm/episodes/5f3a2a012c5b24002a39cae1

天地のはじめ 解説 
https://stand.fm/episodes/5f3b329d0ae6b0080e228e00

皆さん こんにちは。

天地のはじめついてにの解説をしてます。

古事記の解説をする前に。
神話における世界のはじまりについてはさまざまな神話で共通性があります。インド・エジプト・ギリシア・北欧神話・旧約聖書などを私は学んだことがありますが、神話における世界のはじまりには共通点が多いと思います。このことから、神話には真理が表れているのではないかと思っています。ゆくゆくはこの真理が表れているという視点で古事記を読み進めていきたいと思いますが、まずは内容についての解説からはじめます。

では、天地のはじめについてです。

昔々はるか昔、天と地がわかれ始めとき、高天の原(天上界)に生まれたのは、あめのみなかぬしの神 次に たかみむすひの神 そして かみむすひの神の三柱の神たちでした。かれらは、対の相手を持たない独り神で姿もありませんでした。

ここで登場する あめのみなぬしの神、たかみむすひの神、かみむすひの神を造化三神と呼びます。古事記の序文には「乾坤(けんこん)初めて分かれて、三神造化の首(はじめ)となり」とあり、造化三神を宇宙万物を創造する神としています。

次に国土がまだ形を成さず、水に浮かぶ脂のような状態で、まるでクラゲのように漂っている時に、葦の若い芽のように萌える勢いの中から生まれたのが、
うましあしかびひこぢの神 と あめのとこたちの神 の二柱の神でした。この二柱の神も独り神として姿がありませんでした。

ここで葦という言葉が出てきますが、葦とは、ヨシとも呼ばれる植物のことで川や沼・湖の水際に背の高い群落を形成します。この葦はイネ科のマコモであるという説もあります。マコモは稲作が広がる前から、日本において人々に馴染みのある植物で、食べ物や生活用具としても使われていたようです。

ここまで挙げた五柱の神々 つまり あめのみなかぬしの神 たかみむすひの神 かみむすひの神 うましあしかびひこぢの神 あめのとこたちの神 は天上界にいらっしゃる神の中でも別格の神なので、別天つ神(ことあまつかみ)と呼んでいます。

次に生まれたのが、くにのとこたちの神、そして とよくもぬの神で、この二柱の神々も独り神で姿がありませんでした。

次に生まれたのが、うひぢにの神、その妻の すひぢにの神、
次に つのぐひの神、その妻の いくぐひの神、
次に おほとのぢの神、その妻の おほとのべの神
次に おもだるの神、その妻の あや かしこねの神、
最後に生まれたのが、いざなきの神と その妻のいざなみの神でした。
ここで、くにのとこたちの神から いざなみの神までを神代七代と言います。
はじめの くにのとこたちの神と とよくもぬの神の二柱の独り神はそれぞれが一代、次の対になった十柱の神は二柱で一代と数えるので七代となります。

以上が天地のはじめ または天地開闢(てんちかいびゃく)とも言いますが、その簡単な解説になります。

次は、ここで最後に生まれた いざなき・いざなみの神による、国土の修理固成(しゅりこせい)、 国生みとその後の神生みへと展開していきます。

今回はここまでです。

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