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【本の紹介】WHOLE BRAIN(ジル・ボルト・テイラー著)

今回は私が読んだ本「WHOLE BRAIN」を紹介します。
Kindle Unlimitedをご利用の方は無料で読めますよ。


どんな本?

著者は脳神経科学者でありながら、脳卒中により左脳の機能をすべて失いました。
彼女の脳卒中というアクシデントと、そこから得た世界観は以下のTED動画でぜひご覧ください。

そんな彼女が執筆した本がこの「WHOLE BRAIN」です。
8年という時間をかけて、左脳の機能を取り戻し、ご自身が体験した
右脳だけの世界と、取り戻した左脳の世界を見事に分析し、
私たちに右脳の世界と左脳の世界の「使い分け」を語りかけてくれる本です。

この本では右脳と左脳、それぞれに二つのエリアがあり、
それぞれを「キャラ」としてタイプ分けをして説明しています。
キャラ1 考える左脳
キャラ2 感じる左脳
キャラ3 感じる右脳
キャラ4 考える右脳

左脳の機能を一度失ったからこそ、伝えられる感覚を踏まえた話は
どんな研究結果や、「左脳は論理、右脳は感覚」といった説などよりも
人間の脳のすばらしさを感じます。
さらに、この本は、それらの4つの脳の「キャラ」を、自分の脳内で、
どう登場させようか?という指南書でもあります。

彼女は「人間は考えることもできる『感じる生き物』」という表現をしています。
毎日、私たちは「感じる」という感覚をどこかに置いて行動しています。
人が人らしくあるには?そんな大きな課題提起をしてくれる一冊です。

私の気づき

最初の気づきは第1章で、早々に登場しました。以下の引用です。

多くの人が、自分自身のいちばん御しにくくて魅力的でない部分や傷つきやすい部分を「取り除く」ことや「直す」ことを目標にしてきました。

第1章 私の物語、私たちの脳 より

確かにそうです。「取り除く」「直す」のうち、私は特に「直す」に着目してきた人生だったのではないかと、思いました。
「取り除く」は、脳内を駆け巡る自分の声を消すことは不可能なのでは?と、あきらめており、では「直そう」そんなイメージでした。
もしくは「整えよう」そんなイメージかもしれません。

自分の思い通りにいかないことに遭遇すると、ついつい感情的な自分が出てきてしまう。(特に30代はひどかったと思います。多感なお年頃がそんなに年を取ってからくるものかと思ったほどです。)

そんな自分にあきれながらも、どうやったら「直す」ことができるだろうか?と、考えてきました。

その対応策として「理性的に論理的に考えていく」
という手法(特にロジカルシンキングに力を入れました)を
様々な本や様々な人の考え方から取り入れ、
少しずつ考え方や言動を変え、それに慣れていく自分を見て
満足し、あぁ、ちょっとは「直す」ことができたかな?と思っていました。

でも、このアプローチ、この本では「考える左脳(=キャラ1)」のみを
鍛えるもので、「WHOLE BRAIN」をうまく使っていない、と、いきなり
痛いところを突かれた、そんな気づきでした。

そんな私の痛いところをついてきた「WHOLE BRAIN」は4つの脳機能があり、それぞれの機能を「4つのキャラ」として説明しているのですが、私の解釈は以下のようなものになりました。

左脳の考えるキャラ1(合理的、直列的、自分を世界から切り離す)
左脳の感じるキャラ2(恐怖心、過去の感情との比較が土台)
右脳の感じるキャラ3(おおらかさ、今ここの感情が土台)
右脳の考えるキャラ4(思いやり、並列的、自分を世界を流れの一つとする)

こうやって整理してみると、これまでの私の頑張ってきた習慣では、
「キャラ1」の脳を鍛え、たびたび衝動的に出てくる「キャラ2」を
抑えに行って
「キャラ3」や「キャラ4」の脳はほとんど使われていない、ということに気づきました。

無理もないです。ビジネス環境の中では、キャラ1の能力が大事にされますし、
私自身は、どっぷりビジネスの世界に浸っており、さらには
システム開発のプロジェクトマネジメントをするようになると、
もっと「キャラ1」鍛錬に磨きがかかる、という循環だったんだなと思います。

とはいえ「理性的なものではない温かさもとても大事」とも思ってはいました。
「倫理観」という切り口で大事なことは子供のころから、私たちはきちんと学んできていていて大事にすることは根付いている人が
大半だと思いますが、それ以上に「人だからこそ、突き動かす何かがあって理性以上に感情が大事だと思える」ような気がしていました。
それは、以下の文章にあるのでは?と思います。

私たちには、世界のなかでどのような人になり、どのようにふるまいたいのかを選択する力があるのです。脳のなかで起こっていることに対しても、これまで教えられてきたより、ずっと大きな力をもっています。

第8章 脳の作戦会議-平和をもたらすパワーツール より

この文章にある「選択する力」を人は求めていて、もっと言うなら「選択」する人生にしたいのではないでしょうか。
少なくとも、私はそう感じて、この4つの自分の脳の機能はぜひとも全て活用したい、そんな気持ちになりました。

次にやってくる考えは「ではどうすれば?」です。(相変わらず「キャラ1」優位です💦)
この本の中で、様々な指南はしてくれているのですが、
以下の文面が私に一番しっくりきました。

もし相手が〈キャラ2〉任せで、怒り、敵意丸出しで、意地悪で好戦的な態度をとっている場合、あなたが取れる回避策はいくつかあります。まずは、冷静になること、そのためには、正しい事をしたいという気持ち〈キャラ1〉よりも、自分が平和でいたいという気持ち〈キャラ4〉を大切にすることです。
もし、あなたが問題を解決したい、あるいは、何かについて正しい事をしたいと思っている〈キャラ1〉として、怒り心頭の〈キャラ2〉に近づけば、火に油を注ぐ結果になりかねません。

第13章 完璧でありのままで美しい より

私は「思い通り」にならないことについて、過去のいやな記憶を呼び覚ましてしまう感情的な自分を避けたい、そう思っていたのです。
つまりは、この本で言うところのキャラ2(感じる左脳)を抑制したかった。
その方法として、私はキャラ1(考える左脳)を鍛えるということをしてきたわけです。

でも、その方法は、他者とのコミュニケーションにおいて、
「失敗しがちな対応になる」ということは、理解しているにも関わらず、
なぜ、自分にはその対応までで止まってしまっていたのか。
つまり、自分の事を自分で大切にできていない、そんな状態だったという気づきになりました。

キャラ4(考える右脳)との交信は、厳しい社会環境の中におられるビジネスパーソンの方々には、
なかなか難しいように思いますが、「感謝の気持ち」「平和を願う気持ち」は、
きっと私を含め、みなさんの心の中に存在していると思います。
この本で、まずはその感情を膨らませてみるのがいいんじゃないかな、と思いました。

おすすめポイント

この本は、私のように左脳(特にキャラ1)を使いすぎている人に特におすすめです。

それ以外では、じわっとした幸せを感じていきたいのに、なかなか難しい、
そんな方にもおすすめです。

ご自身の右脳(キャラ3、キャラ4)を意識することで、
今、抱えておられるストレス(この本で言うところのキャラ2)と、
うまく付き合えるヒントがもらえると思いますよ。


「左脳を使いすぎているな」と思われた方、
「もう少し感情を大事にしたい」と思われた方、
私でよろしければ、ぜひ壁打ち相手を
させてください。
以下のURLにてご相談依頼してくださいね。
インテグリティ合同会社お問い合わせページ


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