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がんをめぐる冒険

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アラフィフ、独身、職業:記者。 ある日、足の付け根に転移がんが見つかり、卵管がんがみつかる。 その後、2回の手術と1回の抗がん治療を経験。 抗がん治療で髪が一部残った経験から、少…
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2024年7月の記事一覧

がんをめぐる冒険(27)開腹手術は赤ずきんちゃんのオオカミ並み

 前の晩からおなかの中をきれいにして、徒歩で手術室に向かうのは前回と同じですが、今回は開腹手術。 背中から麻酔をします。この硬膜外麻酔は術後の痛み緩和にも使います。病室のパイセンたちも術後が痛くて、麻酔がきかない、という話をしていました。  以前、叔母が後遺症になったので、私はこの麻酔が苦手で。めちゃめちゃ怖かった。 叔母はがんの手術は成功したものの、硬膜外麻酔が効きすぎたのか、半身まひになり、腸が半分動かないものだから、腸閉塞になり、手足も動かず、さんざんなに遭ったのです。

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がんをめぐる冒険(26)始めての散歩で気づく「失った時間」

 目的の「歩けるショートブーツ」を手に入れて、真っ昼間に公園に散歩に。 11月末になり、かなり寒くなりましたが、午後の日差しはあったかくて、ベンチに座っているとあったかい。 子供のいる人って、公園に通ってこういう時間を過ごしていたんだな、と思いました。 ママたちは子供が小さいときに公園に連れて行ったからシミができた、と残念そうに言うけれど、 こういう日の光のあたたかさとか「お天気の日の幸せ」も知っていたんだな、とうらやましく感じました。

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がんをめぐる冒険(24)がんは詐病とウソを流される

 がんの検査手術が決まって、上長と役員と一部関係している人にメールで伝えたら、まさかの役員が「アイツ仕事したくないから、がんだと言っている、詐病だ」と言って回っていたことがわかりました。 真面目に仕事していたんだけどなぁ…、だいいち、がんとか詐病で言ったらすぐバレるし。だったらメンタル壊れましたとか判別しにくい病名にするけど(笑)。    実はその役員とは因縁があって……。  よくよく考えたら、春先から目をつけられていたんです。管轄外の仕事をなぜか私にやらせようとしてきました

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がんをめぐる冒険(22)退院してはじめに行ったのは原宿

 検査手術後、気にしていたのは「腸の癒着」。癒着を防ぐために歩くことをおすすめされます。 夕方になって病院に外来患者がいなくなったら徘徊(笑)。院内の2つのコンビニが24時間なので何よりの楽しみ。術後、4日も経つとお天気のいい祝日は建物の外まで散歩に行きました。  それは腸を動かす意味もあり、トイレに行ってもガスと便が出ないので、歩いてガスが出やすい状況を作ることと、一人の場所で気兼ねなくガスが出せるようにする意味がありました。  普段は考えもしませんでしたが、トイレで一息つ

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がんをめぐる冒険(23)手術前日、早朝取材からの入院

 手術の段取りは今回も同じで、前日の午前中に入院。もう1回入院しているので持っていく服や小物は淘汰され、スッキリしました。  入院日はちょうど早朝からタレント事務所の振袖撮影会があり、朝8時に現地入りし、9時から取材。その足で入院しました。華やかなタレントさんを眺め、取材すると元気をもらえます。 仕事があって良かった。 入院するとラウンジでパソコンを開き、原稿を打つ……。 病気のことだけ考えていたらもっとどんよりしていたと思います。 (実はどんよりするパワハラ時間があったので

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がんをめぐる冒険(21) 入院中はラウンジでお友達作り

 入院中、看護師さんと一緒に付属の看護大の学生が実習に来ました。 病気になってダンスに行けず、若い子に会えない日が続いていたので懐かしく思いました。 ラウンジにいたので、看護師さんが学生とお話してくるように言われたそう。 聞けば大学1年生で、実習は初めて。子供の頃に入院経験があり、看護師を目指したそう。 今の子はみんな優しく、オトナにも気をつかってくれる。 そうそう、ダンス行くといつもこうしてかまってくれるのよね…… あー、19歳だと〇〇と同じくらいかな。会えないことに寂しさ

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がんをめぐる冒険(20)更年期障害発動??

入院してから、みんなが心配してLINEをくれます。  中でも的確な意見をくれるのは、剣道部の後輩・ウチの大門未知子。  手術の翌日、 「寝てると痛くて、椅子に座ってるほうが落ち着くんだけど どうも腹部のほうが押すと痛いんだぁ。 熱も上がってきたんだけど、感染症の可能性あるかな?」  と質問したら、 「そんなにすぐに感染ってことは、可能性は低いのではないかと。  術後の構成代点滴もしていますよね。  体を伸ばすといじったところがつれるんじゃないですか?」 「なるほど!」 「横向

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がんをめぐる冒険(19)卵管がん確定=抗がん剤確定

 手術が終わり、2日後、 Y教授と教授のアシスタントをしている若手のO先生が回診に来て、 「左の卵管と卵巣にがんがありました。右足の付け根も同じ顔をしているので、婦人科で診ます。 がんわかったので、空きがあったら今週中にでも手術しましょう」 とお話されました。  個人的には、がんはどうでも、足の付け根のしこりについて別の病院を探して治療しないで済んだことにほっとしました。  がんについて同時並行して2箇所の病院に行くのは面倒だし、仕事しながら、そんな体力も時間もないな、と思

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