2021年入院日記(回復期:9日目)
これは、脳梗塞を発症した自分の記録を思考が明確なうちに残しておこうというのが目的である。
7月9日(金)、雨。嚥下のリハビリテーションにおいて、頭部挙上訓練というのをやっている。ネットで調べるといろいろ出てくるが、概ね以下の内容である。
【頭部挙上訓練】嚥下障害患者のための訓練。仰向けに寝た状態から頭を持ち上げ、つま先を見ることを繰り返すことにより、舌骨周囲の嚥下筋が鍛えられる。開発者のShaker氏の名前から「シャキア訓練(Shaker exercise)」ともいわれる。Shaker氏による原法は「60秒間頭を持ち上げた後に60秒休憩し、これを3回繰り返す」、次いで「1秒ごとに頭を上げたり下げたりを30回繰り返す」というものである。これをそのまま実際に行うとかなりハードであるため、患者の状態に合わせて行うようにするとよい。
杏林大学でやっていたのは、1秒ごとに頭の上げ下げを10回繰り返した後、舌の出し入れを10回、60秒間頭を持ち上げたまま維持し、その後60秒間休憩する、これで1セット。これを朝晩3セットずつやっていた。
出典は以下のサイトより。
やってみていただければわかるが(やらないと思うけど…)、この訓練はとてもハードである。特に60秒間頭を上げ続けるのがかなりの苦痛である。3セット目は地獄である。
ところがリハビリテーション病院に転院してきて知ったのだが、この方法の効果が出てくるためには、3セットを1日3回、これを6週間継続する必要があるというのだ。毎日のリハビリの中で最もキツイ訓練であり、3セット目は首がプルプル震えて苦痛ここに極まるという感じである。でも今の自分はこれを信じてやるしかないのだ。ここ数年で、一番必死にやっているのがこれかも知れない…。
昨日から3食でのカロリー不足を補うため、経管栄養剤を飲んでいる。昨日はエネーボというバニラ味の経管栄養剤だったが、今日はエンシュアという同じAbbottの製品で、ストロベリー味を飲んでみた。
エネーボのバニラ味よりスッキリしていて飲みやすい。ただエンシュアはエネーボと同じ250mlだが、カロリーは50kcal少ない250kcalとなっている。明日はコーヒー味を飲む予定だ。食事の時の隣のおじいさんによると、コーヒー味が一番イケるらしい。経管栄養剤の味に期待するくらいしか、飲食における楽しみがないのだ…。
今朝、朝食の時、隣のおじいさんが、パンの袋を開けられずに困っていた。手の麻痺があって開けられないのだ。普通なら看護師さんがすぐに気付いて開けてくれるのだが、何故か誰も気づかず…。そこで声をかけて袋を開けてあげた。そして夕食時、おじいさんの食事が先に来て、自分のは最後の方に配られたのだが、食べずに待っていてくれたのだ。そんなに気を使わなくてもいいのに…。おじいさんに袋に入ったパンが出てきたら私が開けますよ、と言っておいた。あー、オレもパンが食べたいんだけどね…。
※見出し画像は下記のサイトからいただきました。