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2021年入院日記(回復期:41日目)
これは、脳梗塞を発症した自分の記録を思考が明確なうちに残しておこうというのが目的である。
8月10日(火)、晴。
入院生活での食事は、デイルームと呼ばれているスタッフセンターの真前にある公共スペースが会場となる。大型のテレビがあり、6:00〜21:00までは入院患者がテレビを観て過ごしている。車椅子のお年寄りがほとんどなので、昼間に行くと車椅子に乗ったお年寄りがずらりと並んでいる。
食事の時間になると、みんな自分の席が決まっているので、そこに移動する。部屋で食事を摂る入院患者は病室に戻っていく。食事している時はテレビは消されて、看護師さんがCDラジカセで音楽をかける。
音楽は看護師さんが適当なCDを無作為にかけているようで、クラシックだったりボサノバだったり、久石譲だったりする。ここ数日、食事の時間に何度かかかった音楽で、少し記憶に残るものがあった。イージーリスニングとかニューエイジのような感じなのだが、何となくいいなぁと思い、看護師さんにお願いして、かけているCDを確認させてもらった。
かかっているCDは、THE VERY BEST OF ANDRE GAGNONというものであった。
アンドレ・ギャニオン、聞いたことのない人だった。早速調べてみる。
カナダのピアニストのようだ。何と昨年の12月に亡くなっていた。日本でもそれなりに有名なようで、ドラマなどの音楽も手がけていたようだ。Amazon Musicを探すと同じアルバムではないが、ベストアルバムがあったのでダウンロードした。
1曲目のComme au Premier Jour(めぐり逢い)という曲が日本では非常に有名らしい。自分が気になった曲は2曲目のRESONANCE(風の道)であった。
こういう音楽はこれまであまり聴いたことはなかったのだが、今は心が穏やかになるような音楽を聴く余裕がある気がする。これは入院しなければ出逢わなかった音楽かも知れない…。
夕食後、廊下を歩いていたら、入院患者のおじいさんに病院スタッフと間違えられた。車椅子に乗ったおじいさんからすると、50代のおじさんと言っても息子くらいの年齢の男がスタスタ元気に歩いていたら、スタッフに見えるのだろう。最近入院してきたニューフェイスだから、間違いは許してあげよう…。