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半年

2021年12月4日(土)、脳梗塞を発症して半年が経過した。6月4日の夜、あの嚥下が急にできなくなった時の感覚は一生忘れないだろう。
翌5日の朝、耳鼻科の近医を訪れた後、杏林大学の高度救命救急センターに行き、80日間に及ぶ入院生活が始まった。

幸いなことに半年たった今、若干?の後遺症を抱えながらもこうして日常生活送ることができている。
7月1日に急性期病院から回復期リハビリテーション病院に転院し、8月23日に退院することができた。当初はもっと長期間入院することになると思っていたが、リハビリスタッフのおかげと自身の努力?により、結構早く回復したのであった。
現在は週1回のペースで在宅勤務していて、昨日は在宅勤務であった。昼食は近所のカレー屋さんに行こうと決めていた。退院してから、ナンとカレーが食べたかったのだが、ナンは嚥下難易度が高そうなので、控えていた。でもそろそろいいかと思い、前回の在宅勤務の日に近所の店に行ったのだが、何故か臨時休業でガッカリしたのであった。

昨日は営業していたので、退院後初めてナンを食べることができ、大変満足であった。ナンはカレーを付けて食べるので、思ったほど苦戦することなく食べることができた。
カレーを食べていて、入院中の食事を思い出していた。入院日記に書いてきたことであるが、改めてカレーを軸に振り返ってみる。入院中、最初にカレーを食べたのは、転院した武蔵野陽和会病院で5日目であった。

2021/7/5  ペースト食

ようやくペースト食が食べられるようになった頃で、まだ経管栄養を併用していて、食事ができるだけで感動していたが、全粥ぺーストとカレーの組み合わせは微妙であった(普通の人は不味くて食べられないだろう)。カレーがペースト状なのはそういう食べ物だからいいのだが、組み合わせるご飯もペースト、入っているニンジンまでペーストなのだから…。
少し食事レベルが上がり、次にカレーを食べたのは、7月19日であった。

2021/7/19  全粥、きざみ食

ご飯が全粥になり、おかずがきざみ食になった頃だ。前回に比べると圧倒的に美味しいのだが、やはりカレーとお粥というのは微妙であった。全粥ペーストが全粥にレベルアップした時は、米粒の偉大さに感動したが、これはやはり微妙な食べ物を脱していなかった。

2021/8/4  軟飯、きざみ食(キーマカレー)

回復期に来て約1ヶ月、おかずがきざみ食のまま、全粥が軟飯にレベルアップした。かなり普通の食事に近づき、食べることの喜びがより感じられた。そして程なくしてついに常食にレベルアップしたのだった。

2021/8/16  常食

ここまで来て、退院が視野に入ってきた。食べるのに時間はかかるものの、よく噛んで食べていたので少量でも満腹感が得られていた。
退院してから、カレーライスは何度か食べている。ご飯は半液体に近いカレーと混ざって喉を通過していくので、ご飯だけよりも嚥下はし易く、嚥下障害には比較的食べやすいものだと思う。
そしてついにナンに到達した。

2021/12/3  ナン

入院生活では、仕事中心だった生活から離れ、いろんなことを考えさせられた。やっぱり健康第一、家族や自分自身が大事だと再認識させられ、復職したら役職とかは外してもらって、ゆっくり生きていこうなどと考えていた。
しかし復職してみると、結局元のポジションのまま、だんだんこれまでの生活に近くなってきている。ただ、仕事で何が起きても、嚥下できなくなって食べることができなくなることよりもひどいことはないので、いい意味で何とも思わなくなってきた。このまま仕事の波に飲まれることなく、ゆっくりと活動を戻していこうと考えている。
ナンは想像したより苦戦せず食べることができた。今後はいくつか行きたい店カレー屋さんもあるので、順次巡ることにしよう。

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