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これは、令和5年1月5日から2月2日まで入院した際のカレーの思い出であり、某ポッドキャスト番組に2回に分けて投稿したものをガッチャンコし、加筆したものである。
おととしの年末、新年を迎える準備をしていたところ、脚立からバランスを崩し、落下。左足の踵を骨折してしまい、正月早々年明け5日から入院するはめになった。
足の骨折は常に体重をかける部位なので、退院まで1ヶ月もかかった。まして完治についてはかなり時間がかかるようで、2年経った今でもまだ違和感がある。
入院中の数少ない楽しみといえば、食事だ。
私はケガだけで、身体はすこぶる健康であったため、病院食については塩分や糖質などの制限はなかった。
献立として、変わったところでは、天ぷら付きのうどんや、炒飯、とんかつ、麻婆豆腐もあり、毎回楽しみにしていた。味も悪くはなかった。
ところがだ。カレーがないのである。
なぜだ?
ここまで約60食の病院食。ずっとカレーを楽しみにしていた。出ても決しておかしくないはず。出ない理由があるとすれば、なんなのだろう?匂いなのだろうか。
「鶏肉のカレー炒め」と「鶏肉のトマト煮(カレー風味)」というメニューが出たことはあった。喜んで口にしたところ、どちらもカレー粉が少しかかっているだけの代物。軽くターメリックの苦味を感じる残念なものであった。
この時点で、入院生活も残り1週間。あと、約20食である。
ここまで来ると、退院後に家でカレーを食べる方が現実的になってきたが、期待しながら、ビリヤニ、いやリハビリに励んだ。
60食を過ぎた頃、食べたことのあるメニューが出てきた。その次の食事もそうだ。
で、ハタと気づいたのだが、こちらの病院食は3週間21日、63食のローテーションなのではないか。
とすると、やはりカレーはメニューになかったのか!
とんかつもビーフストロガノフも炒飯もあったのに。
どうしてなんだろう。
文句を言っても仕方ないので、家からクラフトスパイスを差し入れてもらい、スパイス活動を楽しんでいた。
そんな、退院を2日後に控えたある日、栄養士さんが面会に訪れた。
「食事は取れているか?」「食事で困ったことはないか?」「量は問題ないか?」。
あと少しで退院だし、なんの問題もなく美味しくしっかり完食していることを伝えたのだが、せっかくなので、献立にカレーはないのかを尋ねてみた。
すると、以前は週一程度あったのだが、今は調理師さんの都合でキーマカレーがお昼に1食だけになったとのこと。
?
全部食べたはずでは?どういうことだ?
あ!
入院した1週間後、全身麻酔を施した手術があり、その日の朝食と昼食は食べていなかったことを思い出した。
あの日のメニューがカレーだったのか。
ということは、メニューは一周しているのだから、次はいつだろう。
…退院する日のお昼だ。
てことは普通は食べられないのかな。
待ちに待った退院日。
カレーを食べられるのかどうかという、退院に比べたらレベルの低い問題が気になってしまっている。
お昼を食べてから退院は普通ないよなぁ、それなら外で食べようかなどと考えていたのだが、結局2時頃までずれ込んでしまい、食べてから退院となった。
やった!
ひと月ぶりのカレー。しかもメニューフルコンプ。
ところが。
ウスターソース味。
決して不味くはないが、好みではない。
あんなに待ち続けて、やっと食べれたのに。
残念。
ちなみに。
その後、家に帰ったところ、夕食はそんなことを知らない妻特製の“キーマカレー”だった。
後日談。
某ポッドキャストで採用され、某オモコレチャレンジとなったのだが、某校長からは、妻特製のキーマカレーは作り話ではないかと疑われ、年末には2023オモコレオブザイヤーの候補②に選ばれたにも関わらず、某リーダーがオチを覚えていなかった。
缶バッジもまだ届いてませーん。
そのため、このエピソードの供養も兼ねて、ここにリサイクルしておく。
オモコレオブザイヤーに投稿するなら12月ですよ、みなさん。
それと。
今年の2月14日から金具を抜くため再入院したのだが、なんと入院1食目が、キーマカレーであった。これ、ホント。