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【Drama】エリック

予想と全然違う展開になっていくのが、とにかく面白すぎた。
一番、個人的に、うわー、と思ったのが……子供番組制作中の雰囲気と現実のストーリーの温度差よ😂温度差で風邪ひく。インフルエンザレベルの風邪ひく、本当に。
でも、このドラマ、感想を書く私が言ったらダメなんだけど、誰かがSNSとかで評価とか感想上げる前に絶対に見るべき。間違いなく。ネタバレせずに感想を述べるのは最難関だから、このドラマ!まだ見てない方は今すぐこの記事を読まずに閉じて!!!もしくは、感想を読まずに総評に飛んでください。

見れば見るほど、あれ?みんな何かがおかしいってことに気づいてくる感じ。その段々と明るみになっていく事実に目が離せなくなっていき、約50分×6話にも関わらず、一気に最後まで見れてしまう。

1980年代のニューヨークが舞台になっているのですが、とにかく治安悪すぎる。笑笑
地下鉄怖すぎませんか!?2020年代にカナダ来た身からすると、想像を絶する治安の悪さ…….そりゃあ、子供行方不明になりますわ、と思わざるを得ない。


あらすじ

通学途中に行方不明となった 9 歳の息子を必死に捜し続ける父親を描く、感情を揺さぶるサスペンス。NY で最も著名な人形使いで、子供向け番組のクリエイターでもあるヴィンセントは、息子を失った事実と向き合うことができず不安定になっていく。 自己嫌悪と罪悪感に支配された彼は、息子が描いた青いモンスター人形の"エリック"に固執し、エリックを TV に出演させることができれば、エドガーは帰ってくると信じて…

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感想

⚠️ネタバレ注意⚠️
⚠️かなりのネタバレが含まれております⚠️

まず、最初に思ったのが、ドクター・ストレンジ、何してんの?笑
ただ、本当にさすがの演技力すぎて、ダメダメな親父感がちゃんと出てました。さらに、自分の頭の中に存在しているエリックと会話しているシーンとかも、本当にエリックが存在しているかのように。いやー、素晴らしい!もちろん、周りの人たちの「こいつ、大丈夫か?」「誰と話してる?」というなんとも言えない表情もなかなかいい味を出していますが。そんな中でも、特に、喧嘩しているシーンが何よりもすごかったなあ。「1人で何してんだよ、このおじさん!」って思うレベルに迫力がすごかった。

父親も父親で酒クズでお酒入ると大声出したり怒鳴ったりする感じに表現されていて、父親にヘイトが向くような脚本の書き方ですが………私的には、母親の方がクズでしょうよ、どう考えても。不倫している上に、不倫相手を子供に会わせてるとかあり得ないんですが…….。アメリカでは普通なのかもしれませんが….。子供が行方不明だって言ってるのに、不倫相手のところに行ったり、不倫しているにも関わらず、義理の両親にお金が必要だ!とかいって押しかけたり…..父親も普通とは言えませんが、なかなか母親も異常中の異常だと思う。父親のせいで、みたいな感じで物語進んでいくことに、ちょっと違和感を感じる。どちらかというと、完全に2人とも悪い、と思わずにはいられない、正直。自分の両親がそうだったら、と考えると、確かに親父は親父で問題あるかもしれないけど、母親の方が嫌悪感を抱く。というか、そもそも、子供の前で、理性を失うほどの酒を飲むな??

1980年代アメリカの治安の悪さよ。地下鉄怖すぎて、絶対1人じゃ乗れない自信ある。当時は、かなり大きな社会問題だったんだろうなって思う。そして、ところどころで垣間見える黒人差別問題。ホイットニー・ヒューストンの映画の際にも思いましたが、なかなかの差別で本当に心が傷む。日本にいると全然感じたことなかったけども、本当に人種差別って存在するんだなと。カナダでもたまーーーーーに、アジア人に対してヘイト向けてくる方いらっしゃいます。(個人的な経験としては、大体中国系と間違えられて、コロナのこと許してないからな!的なことを言われて罵声を放ってくる。ただ、本当にレア中のレアです。だから、あんまりビビらないでね?)黒人というだけで、事件の捜査を後回しや忘れさられてしまうのは、あまりにも辛すぎる……。担当刑事がマイケルという黒人で良かったと。マイケルの上司だったら、一生迷宮入りを迎えていただろうなと。無事に解決(?)と言っていいのかなんとも言えないですが、忘れられずにいてくれて何よりと思わずにはいられない展開にしてくれて良かった。とにかくそれに尽きますね。

そして、このドラマはアンダーソン家のストーリーがメインなのはもちろんのことですが、他にも少年失踪事件を担当する刑事マイケルに関するストーリーも繊細に描かれているのが高ポイント。この時代のアメリカを詳しくないのでアレですが、黒人でゲイとなると、迫害対象になってしまうのですかね?ゲイであることをひたすら隠しながら生活をしているマイケルの心情、葛藤などがセリフとして大きく語られるわけではないのに、じわじわと回を追うごとに伝わってくることがとにかく素晴らしい👏👏特に、恋人のお姉さんが出てくるシーンがもう見るのが辛くなりました。理解してほしい、応援してほしいとまでは願わないけども(そこまでいけるのが理想ではあるけども)、今までしてきたこと、思い出をないことにすることだけはやめてほしい、本当に。その気持ちは痛いほどにわかる。そう考えると、むやみやたら人に話したくなくなるのは間違いない。でも、別に、全人類に認められたいわけじゃないもんね。

ただね、最後、エドガー帰ってきてわーい!良かったー👏👏という結末だけじゃなく、じみーに重い問題を突きつけていく感じが、個人的にはんー……と思う反面、その辺りが妙にリアルというかなんというか。最後のレニーがいたたまれない。えぇ、という気持ちがなによりも強い。だからこそ、ヴィンセントが番組制作に戻れたということもあるのかもしれないけれど💦そういうところが、リアルな闇を描いている、表現できているのかもしれないね。闇といえば、若くしてホームレスになってしまった彼らには一体何があったんだろうね。特にエドガーのことを面倒見てくれていたユーセフに関してはもう少し丁寧に描かれてても良かったじゃないかな、と。結局、なんで面倒見てくれていたのかも、エドガーを売りに行かなかったのかも不明なままだなあ、と。その辺りが個人的には残念ポイント。尺の問題があるから仕方ないのかもしれないけど、結構重要な役割をしてくれていた割に残念かなとつい思ってしまうてるでした。

総評

  • とにかく誰かのネタバレを踏む前に今すぐ視聴すべき!!

  • ベネディクト・カンバーバッチの演技力がえぐい。

  • 口の悪いエリックのキャラクターが地味にクセになる。

  • 子供向け番組制作中の明るさとその他のシーンの暗さの温度差。

  • 内容的にはかなりシリアス。

  • 当時の社会問題を丁寧に描かれている。

  • にも関わらず、エリックとヴィンセントのキャラのおかげで暗くなりすぎない。

  • ただ、最後は、ちょっと後味悪いような歯切れの悪い終わり方をしてしまう。(かなり個人的には)

  • そこがなおさらリアルな闇の深さを描いているような。

  • でも、きっとこれがハッピーエンド。

てるさん評価 星4つ! ★★★★☆

少年が行方不明になるというたった一つのきっかけで、当時の社会問題をここまでしっかり書けているストーリー。この物語は、中和剤としてエリックとヴィンセントのキャラの強さが間違いなく必要不可欠。絶妙なバランスで作られているなと、とにかく素晴らしい作品の一つですね👏👏👏
ただ、私には、最後の結末の後味の悪さがちょっと口に残ってしまう。ユーセフのことを理解できるようなエピソードを1話分ぐらいあると、なお良かったのでは?ということを含めて星4つとさせていただきました。


てる🤙☎️
では、また、別の映画でお会いしましょう🫶


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