【SEO】ChatGPTを使って導入事例記事からキーワード拡充してみた
こんにちは、電話DX IVRy(アイブリー)のマーケター、田中暉久(てるひさ)です。
今回はChatGPTを使って導入事例記事からSEOで活用するキーワードを拡充してみたので、その方法についてまとめようと思います。
背景と目的
以前、KWDマーケティングの設計部分をまとめたnoteも書かせていただいていました。
上記の記事にならって、思いつくだけのキーワードを広げてコンテンツ作成を進めていました。
ただ、以下の記事で「電話 営業時間外」というクエリで多くCVが発生していたことをきっかけに、
「IVR」「電話自動応答」といった明らかな顕在キーワードは競合も多く、短期で結果を出すのは難しい(中長期で取り組む)
しかし、「電話 営業時間外」のような業務課題のキーワードは競合も少なく、IVRyで確実に解決できるのでCVRも高い。
顕在層と潜在層の狭間の業務課題(準顕在)のキーワードをより広げた方が良いのでは
という話になりました。
そこで、IVRyの導入事例インタビューで「IVRy導入前の課題」を質問している部分から、準顕在のキーワードを広げることで、潜在層よりもCVRの高いコンテンツの作成漏れを減らせるのではないか、と考えた訳です。
IVRyには現在(2023年5月時点)、50を超える導入事例記事があります。
これだけのテキストデータがあれば、かなりキーワードとしては拡充できそうです。
※導入事例をどのようにして集めているかは以下の記事をご覧ください。
しかしながら、一つ一つの記事を見返してキーワードを抽出するのは中々の重労働。
そこでChatGPT大先生を活用させていただき、効率よくキーワードの抽出を行ったのが今回の内容です。
キーワード拡充の手順
①スプレッドシートのimportxml関数で導入事例の業務課題だけを抜き出し
まずは、Googleスプレッドシート上で導入事例記事のURLを羅列し、各記事で「課題」という単語が入っている見出しとその次のパラグラフをimportxmlで取得するようにしました。
全ての文章を抜き出しても良かったのですが、今回はあくまでIVRy導入前の課題をまとめたく、その他はデータをまとめる上ではノイズになってしまうので該当する箇所だけを抽出できるようにしました。
実際に活用した関数は以下のとおりです。
//text()[string-length(normalize-space()) > 0]の部分は、改行などでテキストが横のセルに分裂してしまうのを防ぐ目的で入れています。(分裂してしまうとデータが1列にまとまらないのでとても管理しにくい)
上記部分は、この5月に入社したSEO経験が豊富な八木さんに教えていただきました。
この対応方法、ChatGPTにいくら聞いても解決できなかったのですが、八木さんにヘルプを出したらすぐに解決してくださりました。笑
AIもすごいですが、経験値やスキルのある方に質問するのも変わらず良い解決法で、社内に経験豊富な方がいて一緒に働けるのはとてもありがたいことだな、と改めて感じました。
②ChatGPTを使って課題キーワードを抽出
インタビューから課題を抜き出したら、ChatGPTを使ってキーワードの抽出を行います。
ChatGPTをそのまま使ってもできなくはないですが、一回一回記事の文章をコピペして…としていると、ここにも時間がかかってしまうので、今回はGPT for Sheets and Docsというアドオンを活用しました。
これによってスプレッドシート上でGPTを活用することができるため、データでの活用や、一部が変数のプロンプトを大量に質問したい場合などにはオススメです。
実際活用したプロンプトは以下のとおりです。
※2023年5月現在、OpenAIのAPIキーの利用は無料お試し期間のトークン範囲内で使うか、OpenAIの有料プランを契約するか、でしか使えないので注意。
③キーワードグルーピングもChatGPTに依頼
キーワードを抽出するだけなら以上の工程だけで良いのですが、せっかくならキーワードのグルーピングもしてもらいたいので、ここもChatGPTにお願いしました。
AIPRM for ChatGPTというアドオンを利用し、「Keyword Ideas by Search Intent」を選択しキーワード群を入力すると
以下画像のように表形式でグルーピングしてアウトプットしてくれます。
これを整形したらキーワード群の出来上がりです。
以上が、今回のキーワード拡充の手順です。
これらのデータの精査や、どう活用していくのかはこれからになりますが、
当初目的としていたIVRy導入前の業務課題キーワードは簡単に抽出することができました。
備忘録として、抽出したキーワードが純粋な単語だけではなく、複数単語のものも混ざってしまっていたので、手順②のプロンプトを
というようにして、最初からもっとデータとして扱いやすいアウトプットの仕方で指示すれば良かったなと思いました。
これから行うデータの成形で、こういったプロンプトを使っていきます。
従来のキーワードの広げ方は、キーワードプランナーやラッコキーワード(サジェスト・共起語ツール)を利用してツール側から出る網羅的なキーワードを出すやり方でしたが、今回はクライアント側の課題に即した、IVRyで解決できるキーワードを拡充することができました。
ChatGPTをマーケで活用する上でのポイント
導入インタビューでの質問や記事内容は、ある程度型化しておいた方が良い
今回、導入事例インタビューを元にキーワード抽出した訳ですが、単なる事例紹介だけでなく、データとしての活用もしたいのであれば、質問や記事の内容はある程度型化しておいた方が断然やりやすいです。
記事の質問項目や形式が記事ごとにバラバラだと、単体としては良い記事でもデータサンプルとしては扱いにくくなってしまいます。
質問内容はテンプレート化した方がインタビューの運用も効率的ですし、記事の内容もh2,h3,h4といった見出しの扱いも固めておくと、データ化する際に楽になります。
(実際、IVRy初期の事例記事と最新の事例記事とで見出しの扱い方が異なり少し手間取りました。)
プロンプトの精度
「これからの時代求められるのはプロンプト力だ」とあちこちで言われるように、GPTに良いアウトプットをさせるには良いプロンプトで指示するのが不可欠です。
今回の作業をするにあたり、一番手間取ったのは「どのようなプロンプトを書けば、求めているアウトプットになるか」を考えることでした。
ただ、今はSNSやブログに様々なTipsが載っているのでそれを真似したり、プロンプトそのものをChatGPTに聞くのも良い手段だったりします。
GPTのモデルはうまく使い分けると良い
2023年5月現在ではChatGPTのデフォルトのモデルはGPT-3.5ですが、
有料版でGPT-4モデルを利用することが可能です。
GPT-3.5は回答速度は速いですが、前提として2021年9月までのデータを学習したものであり、最新の情報をもとにしたものではありません。
GPT-4の方が文脈を読み取る力や情報の信頼性・具体性の精度が高いですが、リクエスト数に制限があり、お値段もお高めなので、一長一短です。
より精度が求められるシーンで利用するならばGPT-4を利用するのがベターではありますが、GPT-3.5でもビジネス観点で活用できるので、用途とお財布事情によって選ぶのが良いでしょう。
ただ、いずれにせよ、最終的な人間でのファクトチェックは必要不可欠です。
得られた示唆とまとめ
導入事例記事はキーワード拡充以外にも良いヒントに
今回は導入事例記事をSEOのキーワード拡充目的での活用をしましたが、特に役に立っている機能や導入の決め手、期待している機能などを集計して、CVR改善やプロダクト開発のヒントにも活用することができると思います。
いくらでも応用が効くので、導入事例やその他でも、自社にあった活用方法をしてみると良いでしょう。
IVRyの導入事例にご興味のある方はこちらからご覧ください!
AIの活用はマーケティング活動の加速の手助けに
今回以外にも、様々な場面でChatGPTを使わせてもらってますが、「結構作業の時間取られるけど、施策にとっては大事」みたいな業務を7割,8割の精度でアウトプットしてくれるのは、業務の効率化に非常に有益です。
マーケティングにおいて施策のPDCAを早く回して、事業に対して好影響を与えることが本質的な価値であり、データまとめのような業務はその前段階の過程の一部でしかありません。
今まで時間をかけすぎていた作業をAIで効率化し、本来の任務である施策の立案・実行に時間をより割くように意識するとより良いのだなと感じました。
自分で思い立ってやってみたい!と思えるタスクは楽しい!
今回のこの作業は、例えば上司から「これやって!」と降ってきたタスクではなく、自分たちで「これやった方が良いかも」「この分析やってみたい!」と自発的に出たタスクです。
初めてのタスクだったので、想像以上に手間取った部分はありましたが、やってる間は脳汁がチューチュー状態で、最近ハマっているゼルダの伝説をやるよりも優先してやっていたくらいでした。
IVRyではこういった仕事をしていながらワクワクするような「Work is Fun!」なことがたくさんあります。
今回のことは本当に些細な一例でしかないので、常に主体的に、ワクワクするような仕事をたくさんしたいという方は、ぜひIVRyの会社紹介資料をのぞいてみてください!
もうちょっと具体的なIVRyの様子が知りたい方はぜひカジュアル面談しましょう!
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