#17 ハイキューありがとう。
いやぁ。堂々の最終巻でしたね。ハイキュー。
胸いっぱいのひとときでしたよ。最高すぎた。文句のつけようがない。あんなに心いっぱいにしてくれるマンガに出会えて幸せです。ありがとうございました。
僕は中高と卓球部で、バレーボールはまったく知りませんでした。心の底に沈んでたものをぐっと掴んでくる言葉たちと青春を謳歌するキャラクターたちと鳥肌が立つほど鮮明に入ってくる絵。僕を奮い立たせるには十分すぎました。
僕の語彙力が乏しくてハイキューの魅力を伝えられないのが悔しいんですが、ありったけの言葉で語ります。
まずは「言葉」。
ハイキューのワードセンスはかなり的確で、その的確さゆえに時には残酷で、時には希望に満ち溢れています。ただただ希望に満ち溢れているのではないのです。現実的な希望。現実的な絶望。努力に裏付けされたいつも通り。悔い。焦り。必死のもがき。巡らす思考。バレーボールという競技の中に渦巻く青年たちの青々とした感情を鮮明に映し出すための名言が溢れています。すごい。本当にすごい。わかるもん。僕も部活で感じたもんそれ。めちゃくちゃわかる。
あの時言いたかったことを見事に言葉にしてくれているんですよね。部活での原体験をハイキューの言葉で引っ張り出される感覚。思い起こさせられるこの感覚。
ハイキューファンで好きなセリフについて語り明かしたいですね。それほどまでに営利に磨かれた言葉たちが読者の心を刺してきます。何度涙したことか。何度支えられたことか。何度励まされたことか。何度唸ったことか。ありがとうでしかないです。
僕の好きな言葉は「センスは磨くもの、才能は開花させるもの」です。(選びきれないのは当然なんです。)セットアップ、サーブ、おまけにスパイク、圧倒的クオリティのプレー、その上イケメンでコミュニケーションも完璧。読者にはそれらすべてが天性の授かりもののように見えていた及川さんのスペックは、影での血の滲むような努力と苦汁を飲むような経験に積み上げたすえにつかんだものだったと。センスと才能に焦がれ、それをまざまざと見せつけられてなお腐ることなく、むしろ貪欲につかみにいく強者の理論。あまりにも美しい。憧れです。
そのほかにもいい言葉たちが表現されているのでぜひ読んでみてください。
次に「絵」。
ハイキューは唐突に鳥肌が立つような聡明な絵が出てくるんです。すごいんです。入り込めるような澄んだ絵。特に稲荷崎の北先輩の田んぼはしびれました。ぜひみて欲しい。
あとはかっこいいんです。試合やその一瞬ごとにスポットライトをあびるキャラクターがいて、その人がいっちゃんかっこいいように魅せてくれるんです。ノヤっさんが足でボールを拾う瞬間とかがわかりやすいですね。ほんとにかっこいい。人にフーチャーした時の美しさはかなり注目して読んで欲しいです。
そして「ちゃんと負ける」。
少年漫画って「結局勝つ」展開が多いと思います。どん底に追いやられても最終的に優勝したり、ラスボスをボコボコにしたり、なんだかんだすごいパワーを発揮して勝つんですよね。
でもハイキューでは残酷なまでにリアルな勝敗が着く瞬間が見られます。ここが高校バレーというものをちゃんととらえて描かれているところです。どんなに強豪だってジャイアントキリングされてしまったり、弱小高校が間違って勝つことが無かったり、主人公補正でインハイ優勝!みたいな展開にならないんです。すごい。ちゃんと高校生だ。高校生の底力と可能性を描きつつ、まだ未熟であるが故のもろさも鮮明に描いているんです。そしてその負けた姿の魅せ方がまた見事。
絶望感よりも向上心が勝るんです。清々しいんです。読者はまるで会場の応援団かのような気持ちになるんです。これこそがハイキューのすごいところ。敗北の経験に希望が持てるんです。
そんなマンガ、初めて出会いました。それほどに残酷でリアルだからこそ読者との共鳴ができるんだろうと感じています。
最後に。
ここまでまとまりがない僕のハイキュー大好き記事を読んでいただいてありがとうございました。これほどまでに僕の人生の支えになってくれた作品に、敬意を持って感謝を述べたいと思います。
ハイキューありがとう。大好きです。