著作紹介(2)「ならず者」が学校を変える
教育関係書としては珍しいタイトルの本だけれど、決してふざけて書いたのわけはない。むしろ、自分としてはこれまでで一番気合いを入れて書いた本だ。
本のタイトルにある「ならず者」とは、よくテレビドラマに出てくるような破天荒な教師のことではない。「ならず者」とはもともと「暮らしが思うようにならない者」のこと、この本では自分の能力や人格に自信がなく、仕事が思うに任せない教師のことだ。
この本は、これといった才能や人徳のない普通の人が学校をより良いところに変えていくにはどうしたらよいかを述べた本である。
もちろん教師たるもの、人格は高潔で力量も高いに越したことはない。だが往々にして理想は理想でしかない。学校づくりにはリーダーの人格が大切だと思ってみたところで実際に人間性なるものが向上するはずもなく、普通の人に出来るのはせいぜい人格者を演じることだ。
もちろん私もそうしたならず者教師の一人である。
自らの力に限界があることを自覚しつつも学校を変えていこうと思ったら、他の人や環境の持つ力を積極的に借りなければならない。これを考えるためのキーワードが「場」だ。
この本で紹介しているのは、自らの気高い理想と力量によって学校改革を成し遂げようとする代わりに、教職員はじめ学校に関係する様々な人や環境のもつ「活き」を取り込んで学校を創っていくためのヒントだ。
肩肘張らずに読むことができるよう、できるだけ専門用語を使わずに書いたつもりだ。
楽しんで読んでみてほしい。