成功するホームスクールとは
私たちの家庭では、6年間にわたりホームスクールの環境で息子たちを育てました。この選択は、学校教育よりも柔軟で、彼らにより良い学びと経験を与えるためのものでした。
毎日の学業計画を立て、日本の学習指導要領に沿ったカリキュラムを組み、親子で学びに向き合う日々は本当に貴重でした。
その上、海外のホームスクールデジタルコミュニティで出会った仲間たちとの数々の経験は、民族や年齢、文化、そしてカリキュラムの違いを超えて、楽しく、また人間としての成長に繋がるものでした。
この経験を通して感じたことは、ホームスクールを成功させるには保護者の情熱と努力が不可欠だということです。家庭教育には自由さと柔軟性がありますが、それと同時に大きな責任を伴います。
今回は、そんなホームスクールの実践から得た知見をもとに、日本と海外(特にシンガポール)のホームスクール環境についてお話しします。
日本におけるホームスクールの法律と責任
日本では義務教育制度が存在しますが、法律上「学校に通う義務」ではなく、「教育を受けさせる義務」が課されています。つまり、保護者がカリキュラムに沿った教育を提供できるのであれば、家庭での学びも合法とされます。
ただし、家庭教育を選ぶ場合、学校に通わないことで学業が遅れたり、子どもの成長に支障をきたしたりするリスクが伴います。そのため、保護者には家庭教育の質を維持し、子どもたちが基礎学力をしっかりと身につけられる環境を整える責任があります。
シンガポールのホームスクール環境
一方、シンガポールでは、ホームスクールを行うには教育省(MOE)の承認が必要です。
シンガポールでは6歳から15歳の子どもに義務教育が課されており、ホームスクールを希望する場合には、詳細な教育計画書と年1回の進捗報告を提出する必要があります。このような厳しい規制は、国全体で教育の質を保証するためのものです。
さらに、シンガポールの家庭では、英語が公用語であることを活かし、アメリカやイギリスのオンライン教育プログラムを積極的に取り入れることが可能です。この点は、海外進学を目指す家庭にとって大きな利点となります。
加えて、ホームスクールのデジタルコミュニティが充実しており、無償のボランティア活動にもかかわらず、管理能力の高い保護者たちが支える素晴らしいサポート体制が整っています。このようなコミュニティの存在は、非常に大きな助けとなり、家庭ごとの学びを支える力強いネットワークを築いています。
保護者の努力が鍵
ホームスクールを成功させるためには、保護者が教育に情熱を持ち、時間と労力を惜しまない覚悟が必要です。
また、オンラインプログラムを通じて取得できる資格や単位は、子どもたちが将来の進学やキャリアにおいて有利になるものの、その費用は年間で数十万円以上に上ることがあります。
このような現実を踏まえ、保護者には教育への投資と計画的な学びのサポートが求められます。
まとめ
日本とシンガポールのホームスクール環境を比較すると、それぞれに異なる課題と利点があることがわかります。
日本では自由度が高い一方で、保護者の自己責任が問われ、学業の質を保つ努力が不可欠です。一方、シンガポールでは厳しい規制の下、国が教育水準を保証しつつ、保護者と協力する仕組みが整っています。
どちらの環境でも共通しているのは、子どもたちに質の高い教育を提供するために、保護者が重要な役割を果たすということです。ホームスクールを選ぶ際には、家庭ごとの状況や目標を明確にし、それに合った学びの形を見つけることが大切です。
※ この記事では、私たちの経験と調査をもとに、日本と海外のホームスクール環境についてまとめました。ホームスクールを始める家庭にとって、少しでも役立つ情報となれば幸いです。