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暗黒メモ「さあ、ウンコまみれの世界へ」

( https://x.com/terrakei07/status/1791393959903924710 より引用 )

 前人未到の高齢社会に突入する日本では、社会のそこかしこがじわじわと不可逆的に「老人ホーム化」していく。

 内閣府の統計によると、2040年には認知症の高齢者数が900万人前後になると推計されている。じつに高齢者のおよそ4人にひとりが認知症を患っているという計算になる。認知症の兆候が見られる予備軍や診断を受けていない隠れ認知症者といった暗数を含めれば実際の数はもっと多くなるだろう。

上図:内閣府『平成29年版高齢社会白書』より引用
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/zenbun/29pdf_index.html

 なお2040年ごろの現役世代の総人口は6000万人ほどであり、そのときに世に輩出される新社会人はおよそ80万人前後と見込まれる。認知症ケアを含む介護分野の人的リソースはどう考えても足りなくなる。しかも現在はインフレによって介護業界から人材流出が始まっていて、2040年には確実に要介護者の需要に対して介護サービスの供給はとうてい追いつかなくなる。

 そうなると、これまで病院や老健や老人ホームが収容していた認知症老人は、在宅で暮らすことになる。むろん在宅生活を余儀なくされた要介護者全員が十分なケアを受けられるわけがないので、認知機能が低下しているだけで身体機能とくに移動が自立している高齢者は家庭内でいつまでも幽閉しているわけにもいかないから、いずれ街に繰り出すことになる。

 病院や介護施設や行政や家庭が負いきれなくなった認知症老人は「街」全体がうっすらと老人ホームのようになって世話をしていくほかなくなる。プライベートでも仕事の場面でも、人びとはだれもが「介護スタッフ」然とした役割を帯びるようになり、街全体をひとつの巨大な介護施設のように運用していくことが必要になる。

 こうして世の中全体が「でっかい老人ホーム」になっていくのだ。

 ——という話をマガジンで書いたのが去年のことだった。

 「街全体がでっかい老人ホーム」になっていく時代に私たちが目の当たりにする光景で、もうひとつきわめて重要な、絶対に触れなければならない不都合な事実があった。それは私たちが前人未到の高齢社会に突入するにあたり、前もって“覚悟”しておかなければならない事実だ。

 その不都合な事実というのはほかでもない――
 

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