見出し画像

プロの知識と熱量に出会える「さっぽろシステム手帳フェス」2024レポ

今回は2024年9月3日から9月18日まで開催中の「さっぽろシステム手帳フェス」のレポートをお届けします。
開催地は札幌市の老舗文具店、大丸藤井セントラル(以下セントラル)です。

本イベントは昨年初開催され、今年で2回目となります。
今回は手帳のケア方法や使い方を相談できる「システム手帳クリニック」で伺った話を主にお届けします。

昨年のレポートはこちら。

会場の様子

セントラルは道内随一のシステム手帳の品揃えを誇ります。
普段は棚に立てかけてある手帳が、サイズ別にずらりと平置きされていました。このスタイルは昨年と変わりません。

参加したのはシステム手帳メーカー・ブランドを代表する、ASHFORD(アシュフォード)&KNOX(ノックス)の日です。
角の奥まったスペースにブースがあり、商品を購入した方のみKNOXのハンドペイントやPLOTTERのコーナー金具をつけるサービスを受けられます。

また、手帳・文具雑誌として知られる「趣味の文具箱」が作っているシステム手帳を生で見られるのも目玉です。

筆者は平日に行ったため、来ている方がさほど多くなく比較的見やすかったです。
週末の盛況ぶりも肌で味わってみたいものです。

アシュフォードのカプセルトイに挑戦

まず会場で挑戦したのが、アシュフォードのカプセルトイ。
500円玉を入れてガチャガチャを回すと、アシュフォードの製品にちなんだアクリルステッカーが出てくるというものです。

何度か見かけてはいたものの、今回が初挑戦です。

筆者が引いたのは「コードバン」。
ワインレッドとピンクを基調にした馬の絵が描かれています。

コードバンとは馬の革のこと。
アシュフォードでもハイグレードなジャケット「キャバリエ」に使用されています。
会場でもキャバリエを見てきたのですが、張りのあるつやは名前の通り風格を感じました。

アクリルステッカーは手帳の中に貼るとかさばるため、一旦ポケットに入れてあります。

また、カプセルトイにはロゴステッカーも封入されており、こちらは愛らしいピンク色。
ちょうど筆者の「モダングレース ラブリーネイビー」と色が合うため、リフターに貼りました。

セントラルの方によると、カプセルトイに数字が書かれた紙が入っていると「当たり」で、別途何かもらえるのだそうです。
そんなことを聞くと、また機会があったら挑戦したくなります。

「システム手帳クリニック」で教わった手入れ方法

イベントの一環で行われている「システム手帳クリニック」では、ジャケットの手入れの仕方やメンテナンスをお願いできます。
使い方の相談もできるため、プロの方から専門的なアドバイスを受けられるまたとない機会です。

担当してくださるのは、アシュフォードのブランドプランナー・向井義昭さん。システム手帳に詳しい方であれば誰もがご存じの方です。
名入れも向井さんがしてくださいます。

昨年買い、愛用しているアシュフォードの「モダングレース」を見ていただこうと、今年初めて申し込みました。

許可をいただいたため、実際に伺った方法を紹介します。

①ブラシでホコリを払う
レザーケア用の目の細かいブラシを使い、ジャケット全体を払う。
リングの部分もブラシをかける。
※リング部分は意外とホコリが溜まりやすいです

②保湿クリームを塗る
クロスに豆粒大くらい保湿クリームを取り、革の部分にのばしていく。
この際使っていたのがアシュフォードのジェル状の保湿クリーム。
水分は汚れを取り、油は革に栄養を与えるのだそう。

③保湿クリームを全体にのばす
クリームを革の部分全体にのばす。
保湿クリームは化粧水みたいなもの。実際にケアした部分を触るとしっとり潤っていました。

④ストッキングで磨く
ストッキングを手にはめ、ジャケットを磨く。
静電気やホコリが取れるのだそうです。
過去記事でオイルを塗った後のレザーケアについてふれましたが、今回の場合はきれいに磨き上げる意味合いが強い印象でした。

モダングレースは革が柔らかく、汚れているかも分かりづらい手帳です。そのためケアの方法が分からず難儀していました。

伺ったところ、きれいに使っているため保湿で十分とのこと。
そもそも、モダングレースは汚れがつきにくく、色あせしづらい革なのだそうです。

手入れ後のモダングレースがこちら。
自然なつやがあり、革に栄養が行き届いているのがうかがえます。

システム手帳は「断捨離」「編集」する

また、システム手帳の使い方についてもお伺いしてみました。

最近リフィルが増えてきて、13mmのリング径ではあまり挟めないと悩みを相談したところ、いくつかアドバイスをいただきました。

・リング径の大きさにはメリット・デメリットがある
大きい…リフィルをたくさん挟めるが、持ち運び時重く収まりづらい
小さい…リフィルを挟む量に限りがあるが、持ち運びしやすい

・システム手帳は「断捨離」「編集」する
システム手帳は「編集」していくもの。
定期的に必要・不必要なリフィルを選別し「断捨離」する。
今必要ないリフィルは保存バインダーなどに移す。

向井さんは「1ヵ月くらいでケアをしてあげて、そのときリフィルなどを断捨離するといい」と話されていました。

今回手帳やリフィルもじっくり見ていたのですが、購入したのは店頭にあったアシュフォードの保湿クリームのみです。

向井さんは「システム手帳の良さをユーザーさんたちが広めてほしい」という思いがあるそうで、記事に写真も載せていいと仰ってくださいました。
撮らせていただいた写真がこちら。

とてもエネルギッシュな方です

向井さん、この度は本当にありがとうございました!
大事に使います!

9/7のスペシャルトークショーは貴重な話の宝庫

土曜の9/7は、前述の向井さんとノックスの事業部部長(アートディレクター)・斎藤崇之さんによるトークショーが行われました。

筆者は当日家の都合で行けなかったため、インスタライブにて拝見しました。

特に興味深かったのは、革の話でした。

○革を使うのは「国策」
肉を食べる国は副産物として出た革を国策として使わなければならない。
処分するほうがよっぽどエコじゃない

向井さん

そもそも、人間は自然や動物に生かされています。
エコを真の意味で理解すると、革をはじめとする素材への印象が変わってきます。

○革のソファはなぜ気持ちいいのか
革は皮膚という意味で人間と似ている

斎藤さん

お二人は革がとても好きなのだそう。
革に惹かれる理由は、同じ皮膚・肌としての安心感があるのかもしれません。

○ユーザーへのメッセージ(トーク順)
・斎藤さん…「シンプルに書くことを楽しもうね」
・向井さん…「システム手帳は自分が嬉しい、ワクワクするもの。こちらもワクワクさせたいし、みんなで広めてほしい」

昨年とはまた異なる毛色のトークが交わされていました。
筆者はシステム手帳にハマって2~3年くらいなので、初めて知ったこともたくさんあります。
両メーカー・ブランドを背負って立つお二人の熱量をひしひしと感じる内容でした。

なお、当日の模様はアシュフォードの公式インスタグラムからアーカイブを閲覧できます。

おわりに

さっぽろシステム手帳フェスの中でも、特に熱いのがASHFORD&KNOXの2日間です。
メーカー・ブランドの方と直接話したり、知識を得たりできる機会は滅多にありません。

当日は手入れに出したモダングレースのほか、ノックスのシステム手帳・ピアスも持参。
ブランドの方がきれいに使ってくれているととても喜んでくださいました。
筆者も気に入っている手帳なので、とても光栄でした。

内心いつも緊張しているので、また開催された際は勇気を出して、もっとシステム手帳の話をしてみたいです。
特に斎藤さんには限定リフィルのことをお伺いしただけだったので、次の機会があれば!

「さっぽろシステム手帳フェス」は、大丸藤井セントラルにて9/18まで開催中です。
本イベントに限らず、整然と並べられたシステム手帳一つひとつを眺めるだけでも、一流の方々の技術と熱意にふれる時間となるはずです。

おまけ…ノックスのピアスを手入れしてみました

システム手帳クリニックの際、「ピアスも同じ方法で手入れするといいよ」と言われたので後日やってみました。

手入れ前
手入れ後

ピアス特有のふくよかな革がつやつやになりました。
手入れの時間がますます楽しくなりそうです。


今後も手帳・文具を楽しむための記事・イベントレポートを予定しています。

また、来月10/1にKindle本「暮らしを照らす やさしい手帳のつかい方」を出版するため、現在鋭意制作中です。

このnoteをフォローすると、最新記事の情報をいち早くお届けします!

・note WebマガジンTOP

◇◇◇

ほかの手帳関連記事・イベントレポートを読む↓

いいなと思ったら応援しよう!

テラス手帖/手帳と文房具を楽しむWebマガジン
サポートをいただけましたら、記事やその他発信・活動のための手帳や文具代に充てます。

この記事が参加している募集