ちょうどいい距離感
このタイトルにした理由。
それは、ここ最近テラあそハウスの運営をお手伝いしながら、よく浮かんでくるワードだなーって思ったこと。わたし個人の感覚ではありますが、心地よい今を伝えたいなーって思って綴りました。
とりあえず、私のシェアハウス経歴からご紹介。
私は昔、世田谷の梅ヶ丘という場所で友達とルームシェアをしてました。
その頃はルームメイトの彼女とクラブやフェスでウェイウェイするのが日課。
もちろん仕事はしてました。しっかり働いた分、しっかり遊んでました。
そんなクラブでは、ほんとにたくさんの友達ができました。基本、その子達はみんな年下。私たちが20代半ばだったから、みんなが私たちを姉御のように慕ってくれ、「ご飯会するよー!」って声掛ければ30人くらい集まったり、サプライズバースデーパーリーをしたり、家の中でケーキ投げをしたり。ご飯会に来た子がまた別の子を呼んで、そこから友達の輪がさらに広まったり。そんなパーリーを築40年のアパートで夜な夜な繰り広げておりました。
ルームメイトは“入ちゃん“
入ちゃんと書いて「いりちゃん」と呼びます。
入田だから「いりたはん」とも呼ばれてましたね、彼女は。
そんな入ちゃんは高校時代の同級生。RADIO HEADが大好きで、住んでた部屋にはたくさんのポスターとCDたち。幼い頃から音楽を聴きまくってるから、邦楽洋楽問わず知識がとても豊富。フジロックやサマソニやクラブに一緒に遊びに出かけては、一緒に部屋に帰ってくるっていう生活をしてました。そうそう、入ちゃんはミーハーだから、西麻布の権八で働いてました。芸能人や外タレが良く来るお店なんだけど、仕事から帰ってきては「今日ね、フーファイのデイブが来たんだよ‼︎」とか「リンキンのチェスターが来たー‼︎」と、来日アーティストの雄叫び報告を夜な夜なしてくれてました。(そいや、西麻布から世田谷までチャリ通してたなー、入ちゃん。)
入ちゃんとの生活
入ちゃんとは映画や動画をよく一緒に観てたんだけど、ある日、心霊動画を見まくってたら家の中でラップ音がしはじめたのはビビった。入ちゃん、ちょっと気持ち悪いとか言ってたし。
そして、よく家に遊びに来てたクラブ友達のPEPEが一緒に住みはじめた。PEPEはアパレルや音楽に詳しく、笑った時の八重歯がかわいい年下の男の子。いつの間にか人の洋服を勝手に来て出掛けてたりしたから注意したけど、いつしか可愛いい弟のような存在に。(ちなみに、PEPEは純平なので“PEPE“)
写真(上・入ちゃん)(中・PEPEと私)(下・3人で)
入ちゃんにはギターの弾き方を教えてもらったり、世の中ではiPhoneが出現したり、私は外国人の友達が欲しくてfacebookをし始めたり。様々な日々の出来事を楽しみながら生活をしてたけど、3人の共同生活は各々のプライベートが順調に進んだことにより、良い意味で解散することとなりました。
そこから私は同棲生活が始まり、これまでに人生のいろはを経験。
なんやかんやで去年の12月からテラあそハウスに住みはじめ、いつの間にか半年の月日が過ぎ、今に至ります。
そして、今。
(住むきっかけに関しては、今度書くとして)
きっかけは色々あって「テラあそハウスに住みたい!」って思い、まずは最初にインスタでDMを送りました。数日後、テラあそを訪ねて家の中に入った瞬間、不思議と懐かしい感覚がしたんです。「お邪魔しまーす」じゃなくて「ただいまー」って感じ。
なんかね、祖父母の家とか実家に帰った時の安心感っていうのかなー。建物の古い雰囲気と、少し暗めの照明と家の中に漂うひんやりとした空気感。
多分私だけかもしんないけど、とにかくテラあそに足を踏み入れた瞬間は不思議とそんな感覚だったのを覚えてます。
私が住み始めたタイミングは、お隣にある“ルナ天文台”のシーズンバイトさんたちがたくさん居てワイワイキャッキャしてました(笑)
仕事から帰ると、ダイニングやキッチンが女性で溢れてワイワイキャッキャ。そんな中、テラあその管理人さんだけがひとり男性だから、なんだかハーレムみたいになってました。でもそれは数日間だけ。ひとり、そしてまたひとりとシーズンバイトさんはお仕事を終えて去っていき、少しずつゆったりとした空気感に変わっていきました。
そうなんです。
テラあそには、隣接するルナ天文台のスタッフも居れば、ハイシーズンはシーズンバイトさんたちが居る環境。要は、ルナのスタッフの寮としても使われてます。とは言っても、普段住んでるルナのスタッフは2人だけ。2人とも福岡との2拠点生活をされてるので、週の半分は居たり居なかったり。今なんて、シーズンバイトさんたちも居ないから、管理人のタロさんと私の2人ってことも全然あるし。
ということで、この半年間で一緒に生活した方は、マルチワーカー・OLさん・天文台の元館長・森の開拓者・天文学者・地域おこし協力隊・旅人・自由人・シェアハウス運営してる方々やこれからシェアハウスをしたい方などなど。
自分が昔経験したシェアハウスとは全然違うし、ここに来る人は世代もバラバラだから、色々な経験を積んでる方々ばかり!しかもみんな話が面白い!NASAと仕事したことがあったり、天体にしか興味が無かったり(さすがルナのスタッフ)、何かに嫌気をさして自分の人生をガラッと変えちゃったり。テラあそに居ると、知らないことを知る機会がもの凄く増えました。なんだろ、多分ここには人好きには堪らないくらい良い意味の“クセ”が集まってくるのかな。でも半年居て、すごく濃い日を過ごしたのは、寄せ集めても半分くらいかな。もう半分は、ゆっくりのんびりと過ごしてますけどね。
今の住民はというと...
最近は3〜6人で生活中。年齢も24歳から66歳と幅広し!
みんなそれぞれ職種が違うから生活スタイルもバラバラ。
エンジニアは夜型で農家は朝型。
ご飯を食べるタイミングやお風呂に入るタイミングもバラバラ。
朝起きるタイミングも趣味に打ち込む時間も。
歯を磨いたり洗濯したり、あれもこれもバラバラ。
集団生活ってあれもこれも同じタイミングにするのをイメージしてたけど、ここはちょっと不思議な空間。でも、これが好き。色んな意味でちょうどいい。
「みんなでご飯作ろー!」って言って集めてくれたら寮生活みたいだし、みんなでひとつ屋根の下に住んでるっ!って感もあるだろうけど、テラあそは各々が「今はこれをしよーっと」ってな感じに、思い思いのまま自由に過ごしつつ、でも誰かがご飯を食べてるのを見て「あ。そういえばお腹すいたなー。」って思ってたら作って一緒に食卓を囲んだり。話をしたり。
もちろん、「一緒に食べる?」って聞いて「まだちょっとやりたいことがあるから、今はいいや、ありがとう。」って断られることもあるよ。でもそれが自然とできる空間だから、その心の距離感がちょうどいい 。その“ちょうどいい”が今の私には有難い。
出会わなかったかもしれない人たちだしね
私はここで暮らしていると、この言葉もよく浮かんでくる。
「出会えたことに感謝✨」とか、「これもご縁ですね✨」とかよりも、
“なぜこのタイミングで出会ったのか”
“なぜ今、この人と話をしているのか”
そう思っちゃう。
だって不思議でしょうがないんだもん。
もちろんご縁に感謝はするけど、ひとまず不思議な出来事だよ。
人ってたくさんいるのにね。なんでここで出会ったんだろうって。
私にとってはちょうどいい距離感で生活ができるこの場所に、自分の温度感や肌感が合う人たちが訪れてくれることが有難い。だからといって、シェアハウスメンバーでビックビジネスが生まれたり、結婚したり、子供が生まれたり、と、すごく大きな出来事があった訳では無いけど、日々のなーんてことない小さな幸せを積み重ねられるこの空間に住めていること自体、とても恵まれているなーって思う。なので、最近は翌日の仕事を考えずにすぐに夜更かしをしてしまいます。完全に集いたい病です。
私が思うに、ここを訪れる方の多くは、自然と共に暮らしていきたい方や過去に無理をしてしまった方、これから自分らしく生きていきたいという方が多い気がする。そんな人たちがテラあそに居る間に、各々がしっかりじっくり自分と対話ができたらいいなって思う。鳥の囀り、木々や葉が擦れる音、窓から見える南郷谷に朝のしっとりとした空気感。思わず外に出たくなるようなこの環境下でね。
たかがクラブで出会った友達だけど、有難いことに今も連絡を取り合えてます。
だからテラあそで一緒に過ごせたメンバーともずっと連絡を取り合えたらいいな。家族ができて、子供が産まれて、「孫が生まれたよー!おじいちゃんになったよー!」とかを報告しあったりね。
【ライター紹介】おしず ー 熊本県出身。東京に15年程住み、6年前に帰熊。
現在は山都町の苺の観光農園で修行をしながら南阿蘇村での新規就農を目指す。
最近のコーヒーラインナップ ”And Coffee Roasters””Gluck Coffee” “ONIBUS”