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【俳句】夏の月2句


はかなさを糧にまばゆき夏の月

夏の夜の月にくまなき心かな



*夏の夜の月と書いてから、芭蕉の「蛸壺やはかなき夢を夏の月」は昼間の月なのではないかとの疑念が生じた。明石、須磨を訪ね、源平ゆかりの地を見、壇ノ浦での二位の尼君たちの入水へと思いは及び、海の底に沈んだ数々の調度品が、漁師が準備中の蛸壺に重なる……これら全ては日のあるうちに起こったことだろう。短夜の月よりも、青空に消えかかる月の方がよりはかなげに感じられる。




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