料理をするということ。自分と向き合うということ。
料理をしていると、何かと落ち着くことがある。
野菜を切る音に、油が跳ねる音に、卵をとく音に、なぜだかふと心が軽くなる瞬間がある。
私は料理が好きというわけでもないし、買い物は面倒だし、短時間でつくれるわけでもない。いつもつくり始める前は嫌々始めているくらいだ。
それでも、なぜか落ち着くことがある。日々やることや考えていること、不安や苛立ちにエネルギーを消費している中で、ふと無心になれるからなのかもしれない。そして、いつも変わらない日常の音を聞くせいなのかもしれない。
自分の体に入るものを自分でつくる。思い返せば当たり前のことだが、忙しい日々ではどうしても疎かにしてしまうものだ。そんな時、リラックスだと思って料理をするのも良いのかもしれない。
何を食べたいと思うか、何をつくりたいと思うか、つくっている間に何を感じるか。これによって、自分のコンディションを理解し、整えられるのかもしれない。考えてみると、村上春樹の小説の主人公は大体が料理をする。そしてそれが毎日を生きて行く彼の心情と結びついている。
私は彼らほど料理を日常的にするわけではないが、そんな風に自分の体と心と向き合って日々を過ごしたいと思う。
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