#1920 自己を見つめ直す~子どもに実践を合わせる~
私の肩にズッシリと乗っかっていた重大案件が、最近やっと片付いた。
それで気が抜けたせいか、体調を崩してしまい、風邪をひいてしまった。
そして、最近は「読みたい本」「買いたい本」にも恵まれず、読書から遠のく日々を送っている。
この時期は、どこの教育書出版社も新しい書籍をあまり出さない。
また、これまでの膨大な読書量の蓄積があるせいか、新しい本を目にしても「読みたい」と思うことが少ない。
知識をたくさん蓄えてしまったので、新しい学びがないのだ・・・。
そんなこんなで、最近は新しい知見のインプットは休みにして、自己を省察するようにしている。
「中堅」と呼ばれる立場にもなったので、もう一度、自分の立ち位置を俯瞰的に確認し、強みを伸ばし、弱みを克服できるようにしていきたい。
特に、今ひしひしと感じているのは、「目の前の子どもたちの実態ありき」ということだ。
私は現任校に赴任する前、2年間、教職大学院に在籍していた。
大学院時代には、研究に明け暮れたり、図書館にある豊富な教育書をひたすら読み漁っていた。
このような「現場から離れた場所」での学びにより、「やりたい実践」「理想的な実践」が次々に思い浮かぶようになった。
そして、そのような欲求を携え、「現場」に戻ったのである。
しかし、「現場」はそんなに甘くなかった。
特に現場に復帰してから2年目、つまり今年度は、その「理想と現実のギャップ」をかなり感じている。
自分の中には確かに「やりたい実践」がある。
それを子どもたちに押し付けてしまう。
しかし、「やりたい実践」は机上の空論である。
「目の前の子ども不在で考えられた理論」である。
当然、その実践にフィットしない子どもが次々と現れるようになる。
「目の前の子どもの実態」を考慮せず、「やりたい実践」が先行してしまう。
そして、「やりたい実践」に子どもを無理矢理はめ込もうとする。
これにより、「理想と現実の乖離」が生じてしまうのだ。
この恐ろしさを今、痛感している。
やはり大切なことは、「目の前の子どもありき」ということだ。
「目の前の子どもの実態」を考慮して、「自分のやりたい実践」の方を修正・改変していくことが重要なのである。
「子ども」は変数ではない。
無理矢理、変えることはできない。
しかし、「教師側の実践」は変数である。
創意工夫によって、内容を変えることができる。
これを常に自覚しなければならないのだ。
教育書を読み漁り、セミナーに足繁く通っても、「頭でっかち」になるだけだ。
「頭でっかち」の教師は、子どもを無理に変えようとするので、必然的にうまくいかなくなる。
そうではなく、「目の前の子ども」をじっくりアセスメントする。
そして、「目の前の子どもの実態」を考慮し、こちら側が変わる。
このような「大人側のゆとり」いわば「心でっかち」になる必要があるのだ。
そんなことを、最近、自己を見つめ直して考えているところである。
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