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#1852 視覚支援を重視した指導・支援
今回は,青木高光氏の『教室の中の視覚支援』からの学びを整理していく。
・視覚支援の基本となる構造化
➀物理的な構造化
②時間の構造化
③活動の構造化
・視覚支援は特別支援が必要な子どもだけではなく,全ての子どもたちに有効である。
・ゆっくり,じっくり,丁寧に,繰り返しが「わかりやすい」わけではない。
→一人一人によって「わかりやすさ」は異なる。※子どものニーズで決まる。
・コミュニケーションの種類
➀受容性コミュニケーション:視覚から,聴覚から
②表出性コミュニケーション:話し言葉,書き言葉,ジェスチャー
・視覚支援の種類
➀「わかる」ための支援:入力面の支援
②「できる」ための支援:1人で活動するための支援
③「伝えられる」ための支援:出力面の支援
・「場所」と「活動」が一致するように物理的な構造化をする。
→「教室の視覚支援的リフォーム」を実現する。
・物理的な構造化の3原則
➀場所を区切る
②位置を明示する
③移動の動線の交差を避ける
・「やりすぎ掲示物」に注意する。「やりっぱなし」にせず,微調整を繰り返す。
・時間の構造化の例 ※見通しが持てるようにする。
➀スケジュール表示(事前の予告)
②タイムタイマー
・全体へのスケジュール表示ではなく,個人専用のスケジュール表示をする。
・ゆくゆくは,自分で納得してスケジュール変更ができるようにしていく。
・活動の構造化のポイント
※「わかる」から「できる」へ ※ワークシステム
➀ここでどんな活動をするのか
②どのくらいの量,時間の活動をするのか
③その活動はどうなったら終わりなのか
④終わったら何をするのか
→一人一人に合ったものにする。
・タスクオーガナイゼーション:活動(作業)手順書・手順表
・手順表とトークンエコノミーを併用する。
・単純に課題(作業)量を減らしてみる。
→できたことをほめることができる。
・「伝えられる」ための視覚支援
➀非補助系:身振り手振り,表情,視線,手指サイン
②補助系:絵カード,写真,図形シンボル,文字盤,コミュニケーション装置
・「氷山モデル」を応用し,水面下の思いを子どもに書いてもらう。
・「視覚支援」は「眼鏡」と同様に,卒業してからも必要なものである。
以上が,書籍からの学びである。
今後の実践に生かしていきたい。