#1921 問題を問題として顕在化させる
学校に通う子どもたちは、日々の学級での生活を何気なく過ごしている。
子どもたちにとって、一番の正義は「楽しいかどうか」である。
それ以外は、何も考えていないんじゃないかな(笑)。
一方の担任教師は、子どもたちの姿を見て、何らかの不満を持っている。
それは、その教師の中に「理想の状態」というゴールが明確に描かれているからである。
だからこそ、日々の学級での生活を「ただなんとなく」過ごすわけにはいかない。
「理想の状態」と「目の前の現実」には、必ずギャップが存在する。
このような「理想と現実の差」を「問題」と定義することができる。
担任教師は、このような学級における「問題」を捉えているわけだ。
しかし、一方の子どもたちは、この「問題」を捉えることはできない。
だって、目に見えないのだから。
そんなことは考えもつかないのだ。
そこで、担任教師の出番が必要となる。
学級の「問題」を「問題」として顕在化させる必要があるのだ。
子どもたちにとって、「問題」は目に見えない。
しかし、担任教師には見えている。
この壁を乗り越えるには、「可視化」「可聴化」をしなければならない。
このような工夫により、学級の「問題」を顕在化させることができる。
「可視化」「可聴化」の方法は、山ほどあるので、この記事では割愛する。
大切なことは、子どもの目に見えない「問題」を、学級の「問題」として顕在化させることである。
これで初めて、子どもたちには「問題」が目に見えるようになる。
この段階を経て、次の「指導」の手を打つのである。
子どもたちに「問題」を認識させる前に、「指導」をしてはいけない。
それでは、子どもたちに指導事項を「納得」させることができないのだ。
なので、まずは「問題」を「問題」として認識させることが先決なのである。
その後に、その「問題」を解決するための「指導」をするのだ。
この「指導」の際には、子どもたちの声を聞くようにするとよい。
教師が一方的に説教するのではなく、子どもたちの思いも反映させてあげるのだ。
そして、「ロールプレイ」などで、問題を解決する方法を全員で一度「お試し」するのもよいだろう。
このような丁寧な「指導」により、子どもたちは「納得感」をもつことができる。
これにより、行動変容を実現することができるのだ。
要は、問題の顕在化による「困り感」、解決に向けた「必要感」、指導後の「納得感」が重要なのである。
「困り感→必要感→納得感」の黄金法則である。
学級経営の肝にしていきたい。