#1867 ことばの教育の重要性
今回は、岸圭介氏の『学力は「ごめんなさい」にあらわれる』からの学びを整理する。
・ことばの意味や価値はその人の経験で決まる。
※ことばの感覚が性格や行動特性に影響を与える。
・ことばの意味には「軽さ」と「重み」がある。
・「ごめんなさい」には質と量がある。
※同じ状況では二度と使わないことばである。
・大人が自分や子どもの「ことばの使い方」を修正して、子どもに新たな価値観をつくっていく。
・何回も言う=一回に伝わることばの価値が下がる
・言う人によって、そのことばの価値が変わる。
※ことばの価値は聞き手が決める。
・ことばに責任をもつ人の話は、緊張感をもって聞くようになる。
・「ながら聞き」を習慣にすると、「聞くこと」の価値を下げてしまう。
※「hear」ではなく、「lieten」を重視する。
・話を聞く≠静かにする
・聞くこと=考えを巡らせながら、相手の意見を受け止めようとする過程
※「考えること」を重視する。
・「静かにしなさい」は子どもの「考える」行為を奪ってしまう。
・子どもに「静かにしなさい」というのは、「授業の進行を邪魔してはいけない」ということである。
・「聞く」を「聴く」に変えるためには、態度・姿勢を正す必要がある。
・話を聞くときには、「反応の仕方」が重要である。
・人の話を聞かなければいけない理由:相手の存在を認めるため
※「相手意識」が土台にある。
※自分の興味・関心に左右されない。
※より多くの情報を得ることができる。
・「親友」は短期間で簡単にできるものではない。
・「安定した交友環境」では人は成長できない。
※異なる人の考えや価値観を受け入れる必要がある。
・あいさつ=全ての関係のはじまり(成長のきっかけ)
※あいさつしない=他者との接触を放棄する
・相手意識がない人は、ことばづかいが悪くなる。
・質のよいコミュニケーション=語彙力+繊細なことば選び
※状況を読み取る力
※思考する場面・習慣
・「もう書けたよ→ほめる」による弊害
➀「早く字を書けるとほめられる」という因果関係を誤学習する
②「書くことは作業である」と誤学習する
・「お手本通りに粘り強く書く」という姿勢が重要である。
※「早くしなさい」といってはいけない。
・「生活」と「学習」は密接につながっている。
※生活の中で丁寧に接することが習慣化すれば、丁寧な学習ができる。
・テストの点数だけでは比べられない。
※「全く書けない」と「惜しい間違い」には差がある。
・テストの「点数」ではなく「内容」に注目させる。
※間違いの分析をさせる→学習法に課題があることを自覚させる。
・テストに書く「名前」は優先順位の1位である。
※提出先である「相手意識」が重要である。
※関わったものに責任をもつ。
・「すらすら読むこと」だけでなく、「内容理解」も重要である。
・すらすら読めるということは、内容への「ひっかかりがない」ということである。
・大人が内容に関わる質問をする。
・「音読の表現」と「内容と形式の理解」が一致する読みが理想である。
・読みでは「具体」と「抽象」の理解が重要である。
※「順序」の理由を知る→筆者の考え方に近づく。
・読むこと=筆者との対話(書き手に近づいて考えること)
・「読む」「聞く」「話す」「書く」は全て「相手意識」という土台でつながっている。
・算数の文章題を解くためには、ことばの力が必要である。
※抽象的な物事は具体的な動きで教える。
・「見直し」の中身を具体的に教えることが重要である。
※「記入漏れのチェック」ではなく「解き直すこと」「検算」を教える。
・「見直し」の習慣と「生活」の習慣には関連がある。
※見直し=細心の注意を伴う確認
・「ケアレスミス」は失敗の本質を見えなくさせる。
※間違いの原因を突き止めることが重要である。
・間違える≠してはいけないこと
※「失敗」がその先の成功体験につながる。
※間違える=しなければいけないこと
・「できた」「わかった」→「もう考えなくていい(思考停止)」に陥る。
※他の解き方にも目を向けることが重要である。
※「物事の見方を変える」ことの重要性を知る。
・日々のことばのやり取りが、全ての学びの土台を支えている。
以上が書籍からの学びである。
ことばの意味や価値を、「相手意識」と絡めて大切にしていきたい所存である。