#1346 天然の問いと人工的な問い~問題発見力の育成を~
授業では「問い」を意識することが重要だ。
「問い」の質により、子どもの学びが主体的になる。
ところで、「問い」には2つの種類がある。
子どもの疑問や分からなさから生成される問いは「天然の問い」と言われる。
一方、教師の仕掛けや願いにより生成される問いは「人工的な問い」と言われる。
教師が授業構想することにより生まれた「人工的な問い」は、子どもたちの学びをアクティブにする。
しかし、そのアクティブさは人工的なものであり、子どもの主体性が100%とは言えない。
「人工的な問い」を解決するだけでは、子どもたちに「問題解決力」を身に付けさせるだけで終わってしまう。
一方で、「天然の問い」は子どもたち自身から生まれた問いなので、子どもたちの主体性がより高まる。
人工的ではなく、学びがよりリアルにアクティブになっていく。
そして、「天然の問い」を生成・解決していく活動を続けることにより、「問題発見力」を身に付けていくことができる。
これからの時代は、「問題解決力」よりも「問題発見力」が重視される。
そういう意味では、「天然の問い」はより重要であると言えるだろう。
しかし、「天然の問い」は子どもからそのまま生成された問いだけに、質が低い場合が多い。
学びの主体性は高まるが、学習内容を逸脱したり、教科等特有の見方・考え方を働かせるような「深い学び」が実現しなかったりする。
そういう意味では、「人工的な問い」が必要なことも多くなるだろう。
いずれにしても、「天然の問い」と「人工的な問い」はメリット・デメリットを併せ持っている。
授業のねらい、流れにより、どちらを優先するかを見極めることが重要だ。
これからも、「天然の問い」と「人工的な問い」を意識しながら、授業を構想していきたい。
では。
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