#1647 研究主任としての心構え
今年度、私は人生で初めての「研究主任」を務めてきた。
しかし、校長からのトップダウン方式だったので、自分のしたい研究活動ができなかった。
来年度は、なんとか自分の色を出していきたいとも思う。
そんなことを思っていたら、以下の書籍に出会った。
古舘良純氏の著書『研究主任のマインドセット』である。
とても参考になる一冊だった。
そこで今回は、この書籍から得た学びを整理していきたい。
来年度の自分のためにも。
1 校内研究会について
・仮説検証をするような「研究」ではなく、職員同士が対話し、感化の機会が増えるような「修養」の場を設定する。
・研究活動を「目指す児童像」「目指す教職員像」を具現化するための手段とする。
・授業研の授業者を減らすことで、授業者とのパイプをより太くする。
・指導主事を招く「意味」「目的」を吟味し、招くのであればとことん歓迎する。
・「打ち上げ花火」で終わる校内研ではなく、日々の授業が潤うような「チューニング機能」のある校内研にする。(職員をゲスト化しない)
2 授業研究会について
・「質問役」「反論役」「肯定役」などの役割分担をする。
・学習指導案の役割
➀参観者のためのガイド的機能
②授業者のための段取り的機能
+③子ども目線で考えるための機能(案を変えてもよい)
・学習指導案を見ずに模擬授業をしたり、学習指導案を配付しなかったりすることで、職員の当事者意識を高める。
・謝辞こそ熱く語る。(自分らしさを出す)
3 授業交流会について
・本番の授業研究会のための「練習」として位置付ける。目的を明確にし、職員に伝えていく。
・概要
①授業交流会週間は年に2回
②2週間の期間
③指導案は書かなくていい
④予定一覧表を作成し、周知する
⑤参観は途中の出入りOK
⑥参観シートを用意し、書いてもらう
⑦放課後に15分程度の座談会を開く
⑧研究通信で概要や振り返りを報告する
・参観シートで「フレーム」を整える。
①指導言などの流れ
②協働的な学び
③教師のあり方
→研究主任が集める。
・座談会を「感想交流会」にしないために、職員から出された言葉を拾い上げ、研究目標や学校教育目標に紐づけて返す。
4 自主研修会について
・参加は自由。「自己決定」を大切にする。
・リラックスできる時間、感情をコントロールできる学びの時間にする。
・研究部の職員に協力してもらう。
・インプット15分、アウトプット15分で設定する。
➀実践発表→質疑・協議
②ストップモーション方式(随時、質疑・協議)
③理論研修→質疑・協議・感想
・自主研修会により、職員のオーナーシップが向上し、結果的に授業研究会の質が高まる。
5 研究主題について
・研究主題を自分事にするため、「教師のあり方」という視点を入れる。研究主題の主語は「教師」である。
・研究主題がなくても「自走できる集団」を目指す。(宿題を出さなくていい子ども集団と同じ構造)
・「学校経営ビジョン」に直結する研究主題を設定する。
・研究主題を職員全員で育てていく。そのとき、研究主任は消え、職員はゲストではなくなる。
・研究で明らかになることは「職員集団という組織は変われる」ということ。だからこそ、1年間かけてチューニングしていく。
6 研究通信について
・知識の一方的な伝達にならないようにする。
・職員のニーズや関心に応じた内容や、研究活動に職員を巻き込んでいけるような内容を伝える。
・研究通信の内容例
➀理論・知識の伝達
②職員から回収した意見の共有
③授業研、授業交流会、自主研の記録
④実践紹介
⑤校外研修の学びの共有
⑥熱いメッセージ
⑦研究活動についての情報共有
以上が、書籍からの学びである。
はじめに述べた通り、今年度は校長によるトップダウンの研究活動であった。
私も初めての研究主任ということもあり、自分のしたいことを提案することができなかった。
しかし、忘れてならないことがある。
それは、研究活動というものは、「学校教育目標」「学校経営ビジョン」「目指す児童像・教職員像」に迫るための手段だということだ。
「研究のための研究」にしてはいけない。
来年度は、「学校教育目標」「学校経営ビジョン」「目指す児童像・教職員像」をさらに意識し、職員全体をチューニングしていけるような研究活動を推進していきたい。
そのために、「授業研究会」を改革したり、「授業交流会」「研究通信」に挑戦したりしていきたい。