#1520 「けテぶれ」のポイントまとめ
今現在、私は葛原氏の提唱する「けテぶれ」学習法を実践している。
そして、氏の著書『「けテぶれ」授業革命!』を読んだ。
今回は、この書籍から学んだことをもとに、「けテぶれ」のポイントをまとめていきたい。
けテぶれルーブリック
「計画」「テスト」「分析」「練習」の質を、ABC段階で評価できるルーブリックを作成する。
これにより、自分の学び方について省察・改善することができる。
これは主に「自己評価」を支える。
ここに「他者評価」も加えることで両輪が揃う。
仲間や教師からのフィードバックも必要なのである。
けテぶれの基礎トレーニング期間
いきなり「けテぶれ」のサイクルを回すことは困難である。
したがって、まずは「土台づくり」が必要だ。
漢字学習のけテぶれで基礎トレーニングをするのがよい。
算数における「けテぶれ」のパターン
まずは「授業の後半をけテぶれタイム」にする。
「本時に必要な知識についての教師からの一斉指導」を前半に行い、後半に「けテぶれタイム」を設定するのだ。
次に「けテぶれタイム→小テスト→教師からの一斉指導」という流れも実践する。
単元のまとめでは、「1時間まるごとけテぶれタイム」に挑戦する。
そして、最終的には「1単元全てをけテぶれ化」していく。
いずれの場合も、授業の終末には「振り返り」の時間を設けるようにしたい。
この「振り返り」のときは、「学習内容」と「学習方法」について省察できるよう教師がフィードバックしたり、声かけをしたりする。
フィードバックと語りが肝
「けテぶれ」を子どもにしてもらうのであれば、個々の学習状況を適切に見取り、個に応じてフィードバックをしなければならない。
また、クラス全体にも、教師の思いや見つけた価値を語る必要がある。
これを繰り返していくことが重要だ。
「やらせっぱなし」はNGである。
けテぶれ通信、けテぶれ交流会、けテぶれ会議
「けテぶれ」がマンネリ化してくると、「飽き」が見られてくる。
そんなときは通信を出したり、けテぶれの中身を交流し合ったり、けテぶれ自体を改善したりするアプローチが必要になる。
「けテぶれ」では、「守破離」の「守」と「破」を行ったり来たりする。
そして、次の「離」にいくと、さらに次の「守」がやってくる。
このように「守破離」の中を行ったり来たりしながら、サイクルを回していくのだ。
マトリクスで自己の現在地を知らせる
「自らの学習を調整しようとしているか」×「粘り強い取組を行おうとしているか」という4象限のマトリクスがある。
また「自分に厳しく学習しているか」×「他者に優しく学習しているか」という4象限のマトリクスもある。※「心マトリクス」と言う。
これを子どもたちに示し、今の自分はどこに位置するのかをメタ認知させる。
この自己評価が、自己の学び方の改善につながっていくのである。
「大分析」では「学力」と「学習力」を分けて考える
「できるorできない」は「学力」だが、それ以上に「やるorやらない」という「学習力」の方が重要である。
「学力」も「学習力」も向上できるように、「けテぶれ」を回していくのだ。
「大分析」の際は、特に「学習力」に着目させ、自分の学習の改善点を徹底的に分析してもらう。
この後に、教師が「語り」をすると効果がグッと高まる。
できる→説明できる→教えられる
「けテぶれ」の指導では、いかに上位層を解放するかが重要となる。
「テスト」の段階で100点をとる子どもは「できる」状態なので、次の「説明できる」レベルを目標にさせる。
教師が納得できるように説明することができた子どもから、次の「教え役」に移行させていく。
また、「説明できる」の次は必ず「教える」でなくてもよい。
「進むor戻る」や「問いをもとに探究する」という行き先もある。
黒板やネームプレートを活用することで、上記のような現在位置を可視化することもできる。
フィードバックの3原則
➀即時評価:挑戦の結果をすぐに知らせる
②明瞭評価:評価基準を共有する
③発掘評価:本人も気づいていない価値を掘り起こす
その他にも「けテぶれ化」をしていく
実技系教科、係活動、委員会活動、掃除、宿題、学校生活など、なんでも「けテぶれ化」することができる。
チーム全員が「けテぶれ的思考」を共有しているからこそ、協働することができるのだ。
目的・目標・手段
「何のための学校に集まり、仲間と共に学んでいるのか」という目的、
「その目的に至るためにどこを目指せばよいか」という目標、
「その目標を達成するために何をすればよいか」という手段、
この3つの情報を子どもたちに示していく。
目的は魅力的に、目標は具体的に、手段は柔軟に示す。
そして、それらの手渡し方も重要である。
まずは「手段」、次に「目標」、最後に「目的」を手渡していく。
これらを自分で考えることができると「自立した学習者」になっていく。
「学ぶ目的」を人生をかけて追究・探究していける学習者に育てていくのだ。
「単元の進度表」をもとに「大サイクル」を回し、現在位置を把握する
単元進度表により、「現在の進度はどこなのか」を自分で把握することができる。
さらに、「できるor説明できるor教えられる」という深度も意識してもらう必要がある。
以上が「学習内容の現在地」だ。
そして、「今はけテぶれのどの位置なのか」「心マトリクスのどの位置なのか」も意識してもらう。
これが「学習方法の現在地」だ。
このように、2種類の現在位置を常に把握してもらうことが重要となる。
以上、「けテぶれ」の重要ポイントを整理してきた。
「けテぶれ」実践は、自学→自由→自分→自在→自信→自然というサイクルを大切にしている。
まさに「自分とは何か」に焦点を当てた実践なのである。
したがって、「けテぶれ」を子どもに紹介するだけでなく、教師自身も「けテぶれ」を回していくことが重要なのだ。
ぜひとも、上記のような「けテぶれ」実践を続けていきたい。
では。
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