#636 技能教科における読解
国語・算数・理化・社会などの基礎教科では、教科書やテキストの読解をさせることがある。
そこから学びを深めていくことが多い。
しかし、図工・音楽・家庭・体育などの技能教科では、事前の読解は皆無である。
いきなり絵を描かせる。
いきなり楽器を演奏させる。
いきなり調理をさせる。
いきなり運動をさせる。
これは親切な指導ではない。
子どもの中には、「いきなりやれと言われもできない」子どもがいるのだ。
そのような子どもを無視して、丸投げしている教師は、自分が楽をしたいからである。
そうではなく、事前の読解活動を仕組む必要がある。
読解と言っても、技能教科には読解するだけの文章は容易されていない。
しかし、その教科特有の「対象世界」が存在する。
「春の絵画」を描かせるのであれば、「春」という対象世界がある。
「楽器の演奏」ならば、使う楽器のもつ対象世界がある。
「野菜の調理」ならば、使う野菜のもつ対象世界がある。
「器械運動」ならば、その運動のもつ対象世界がある。
そのような対象世界に触れさせることが重要である。
実際に触ってもいい、実際に目にしてもいい、実際に調べてもいい、実際に専門家に話を聞いてもいい。
そのような事前の「対象世界との関わり」が必要なのである。
それが、基礎教科で言う「事前の読解」である。
そのような事前活動により、子どもが「学びの構え」をもつことができる。
そして、スムーズにその教科学習に入り込むことができる。
いきなり「はいどうぞ」と丸投げしてはいけない。
事前の「対象世界との関わり」を大切にしていきたい。
では。
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